重茂半島は、本州最東端に位置し、漁業従事世帯数が約90%という漁村地区です。重茂半島のある三陸沖は親潮と黒潮の寒暖流の交差する海域で、わかめ、こんぶなどの海草類をはじめ、うに、あわび、さけなど漁獲種類も豊富で、岩手県でもトップクラスの水揚げを誇ります。この地に住む漁師の皆さんは代々、漁場を守り、育くんできました。

3月11日の東日本大震災の津波は、宮古や重茂にも大きな被害をもたらしました。重茂姉吉地区には日本国内観測史上最高の高さ40.5mの津波が到達したとみられています。814隻あった漁船も一時は14隻に減りましたが、重茂漁業組合では、北海道、秋田など県外から中古船を購入したり、使えそうな船を改修するなどして約200隻を確保し、「共同運営方式」を導入して収穫作業などの仕事や利益を分配しながら、復興へ向けて一歩一歩歩んでいます。

今回、簡易集会所を建設することになったのは、重茂半島の南地区にある漁師の皆さんの作業場の一角です。漁に使う大きな網を干したり、手入れを行う場所で、すぐ近くには仮設住宅に13世帯の方々が暮らしています。

南地区にはここを含め4つの集落があり、そこに住む皆さんが利用している福祉施設が津波で流されました。宮古市の社会福祉協議会が代替施設の検討を行っている話を、被災地を視察していた立命館大学理工学部の宗本晋作准教授が知人を介して知り、可能な限りでの支援を申し出ました。

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