Voices for future leaders修了生紹介

6期生

加々山 敬久

加々山 敬久Kagayama Takahisa

株式会社三井住友銀行
米州営業第一部 部長

  • 本店営業第三部 次長
  • 米州営業第一部 部長

立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について

  1. 深いリベラルアーツに基づく思考の深化
    自分自身で深く考え、自らの考えを周りに訴えかけていくためには、狭い分野での限られた知識のみでは不十分です。西園寺塾で触れたリベラルアーツは、それらの幅をさらに広げ、可能な限り深めていくことが必要不可欠であると痛感させられました。一言でリベラルアーツと言っても、その対象は実に広範で、枚挙にいとまがありません。自分の残された人生でどこまでのことを探究できるか、その難易度は決して低くはありませんが、西園寺塾での1年間の学びを契機として、可能な限り意識して実践していきたいと考えるようになりました。
  2. ひらめき・直感やアート(美意識)も重視した新しい発想
    ロジカルに考え抜くことも重要ですが、先行き不透明な時代にあっては、ひらめき・直感やアートから導かれる斬新な発想も必要不可欠であるという認識を新たにしました。新しい発想が次々と生まれるような多様性を尊重する組織こそが、変化の大きな時代において、強みを発揮していくと考えています。
    また、今回の西園寺塾での学びを通じ、特に2つの変化を感じています。一つは、読書の幅の広がりです。入塾前は、政治・外交・歴史といった比較的狭いテーマに読書が偏っていましたが、今では、講義や塾生から刺激を受け、空海の思想、本居宣長の国学探究、ユヴァル・ノア・ハラリの未来予想、福島第一原発事故の回顧、文化としてのワインなど、これまでの自分であれば、手に取ることがなかったような書物に読書の対象が広がっています。これらの書物から、日々新たな刺激を受けていることを感じています。
    二つ目の変化は、文書作成へのこだわりです。気づいてみると、立命館西園寺塾のレポート分量は、すべてを合わせると20万字(原稿用紙にして500枚)に達していました。職業柄、日々多くの文書を作成していますが、その内容の充実に加え、他人が読みやすいものになっているか、文章のつながり・ロジックは正しいか、語彙や用法が適切かどうかなどについて、これまで以上に意識するようになっています。この二つの変化は、自分自身の成長にとって、非常に有益なものでした。

特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。

講義
全ての講義が印象に残っていますが、あえて挙げさせていただくと、

  1. 薮中三十二先生(立命館大学国際関係学部客員教授)
    「圧倒的な知識と知見を持たれたうえで、他者の意見に耳を傾け、受け止め、ロジカルにご自身の意見を展開されるスタイル」が徹底されていたこと。
  2. 中川毅先生(立命館大学総合科学技術研究機構教授・古気候学研究センター長)
    「古気象学の研究を通じて実証される人類を含めた生物にとっての多様性の大切さ」という提言。
  3. 山口周先生(独立研究者/著作家/パブリックスピーカー)
    「正解(正しさ)のみを追い求める時代から、希少なモノの価値が重視され、かつそれらがグローバルニッチ市場で展開される時代への変化」という情勢分析。

以上の一見全くテーマが異なる講義を通じ、大きな転換期にある世界のなかで、今後のビジネスの在り方として、「これまで以上に多様性を重視し、多様性に基づく様々なアイデアを時代に即した手法で拡大させていくことの大切さ」を学ばせていただいたことが、特に心に残っています。

  • 薮中三十二先生
    (立命館大学国際関係学部客員教授・
    元外務事務次官)[右]
  • 中川毅先生
    (立命館大学総合科学技術研究機構教授・
    古気候学研究センター長)

今後の夢や目標を教えてください。

我が国日本は、自由と民主主義・人権の尊重・資本主義という基本的価値観を共有する国々を代表する国の一つとしての地位を占めています。世界各国から信頼を寄せられ、経済的にもまだ余力が残されている今こそ、我々は、西園寺塾で学んだアジアを始めとする世界の国々が持つ多様性への理解とリスペクトを常に意識しながら、世界が抱える課題に対し、能動的かつ積極的に提言し、その実現に向け、動いていくべきであると考えます。
西園寺塾を修了した今、私は、今後の人生において、日本・地域社会・故郷・会社の発展のためにどのような貢献ができるかを常に考え、実際の行動に移していくことで具体的な成果を残していきたいと思っています。僭越ながら、それが、立命館西園寺塾が掲げる自分自身の「天から与えられた本分」と考え、残りの人生のなかで全うしていきたいと思っています。

未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。

西園寺塾に入塾されると、相当な分量の指定図書の熟読、レポートの作成、講義・ディスカッション・懇親会への参加と、非常にハードな1年間が待っています。日常業務と西園寺塾という二兎を追うことに大変な困難を伴うのは事実ですが、西園寺塾において、自分自身を甘やかすことなく、その全てに全力投球することで、1年後には必ず、全く違った境地に達した一回りも二回りも成長した自分を意識することができると思います。
一流の講師陣による講義や多様な個性を持つ塾生との交流を通じて得られる西園寺塾での経験は、皆さんの人生にとって、かけがえのないものになること間違いなしです。我々立命館西園寺塾の修了生が、日本の経済や社会を牽引していこうと思っています。是非、皆さんもこの輪に加わってみませんか。