Voices for future leaders修了生紹介

6期生

小出 康代

小出 康代Koide Yasuyo

富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社
東京統括、プロフェッショナルエキスパート

  • 富士ゼロックス株式会社 中央支社 大手営業推進部 部長
  • 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 東京統括、プロフェッショナルエキスパート

立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について

2019年4月、私にとって初めての外部研修「西園寺塾」の扉が開かれました。当時、「学びたい」という気持ちと「続けられるか」の葛藤の日々に苛まれている状態でした。また、他企業から参加されている塾生は、優秀な幹部候補の方々ばかり。基礎知識や論文構成など足元にも及ばない状況であることは、回を重ねるたびにずしりと自分に圧し掛かっている状況でした。
では、なぜ最後まで継続でき無事卒業まで迎えることができたのか。一言でいえば、「知らなかったこと、考えもつかなかったことにたどり着く歓び」を何度も経験したことに尽きます。
研究員や学者にでもならない限り、資本論や哲学などを深く探求することなどないと思います。自身の仕事の延長上にある視点や視野は、経験と共に広げることはできても、「生き方」「生き様」につながるような視野の広がりは、未曽有の窮地から這い上がるぐらいの経験や、魂を揺さぶるような感銘を受けて、たどりつける境地だと決めつけていました。しかし、この西園寺塾を通じて、そこにたどりつくための「想像する力」を身につけることができ、そうした視野の広がりに一歩近づくことができたのではと感じています。つまり、私が塾生としての経験から得たものは「生き方」「生き様」を設計するに足る情報、そこにたどりつくために必要な経験や学ぶべき内容が何であるかを想像しながら「行動に移していく力」、そのものではないかと思います。

特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。

  1. フィールドワーク
    この西園寺塾の構成のなかで、とても重要なものがフィールドワークだと思います。福島フィールドワークは参加が叶いませんでしたが、参加したどのフィールドワークも、かなりの衝撃がありました。とりわけ、京都での「香道・茶道・華道」の体験、「禅」や「庭」、「寺と神社」の存在意義は、眠っていた探求心を揺り起こし、本物の探求に尽きることはないという確かな手ごたえを感じた経験でした。
    未体験を経験するということだけでなく、その“道”に精進している方々との出会い、その“道”の長い歴史について語り部の方々に語っていただいたこと、さらに「一期一会」の出会いは、五感すべてを使って感じることのできた至福の時間でした。
  2. 中川毅先生による講義
    どの講義も素晴らしい先生方による“本物”であり、フィールドワーク同様探求者としての深い思考と、私たちにも分かるように咀嚼して、伝達いただけることは本当に魅力的でした。
    そのなかでも、なんといっても「古気候学」への誘いは魂を揺さぶるものがありました。その理由は、研究者としての先生の「絶対的な物差しの創出」と「時間というもののとらえ方」について触れることができたからです。今までの24時間、過去・現在・未来といった時の刻みとは全く違った時間のとらえ方を知り、大きな衝撃を受けました。
  • 池坊専好先生
    (華道家元池坊次期家元)[左]
  • 中川毅先生
    (立命館大学総合科学技術研究機構教授・
    古気候学研究センター長)[左]

今後の夢や目標を教えてください。

「自分らしく」を大切に仕事に取り組んできました。そのため、これからの目標も自分らしい生き様を探求していくことに尽きるのではと思っています。
共感の大切さを認識し、またその難しさを体感し、そして予見しづらい未来をどのように切り開くか、知の探索と意思決定を繰り返し、客観的に自らを見つめなおす。そうした「わたしの生き様」そのものを模索することこそが目標です。
そして、その思いをどう具現化するかについて、心技体を通じ行動していくことこそが使命であると今まさにそう感じています。

未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。

一流の経営者になるためには、自分の決断を信じて、その回数を積み重ねていく必要があります。過去に学び、未来を想像し、そして新しい何かを生み出すために、この西園寺塾での時間を大いに楽しみ、学びの場所として真剣に向き合ってください。そして、疑問に思ったことは、躊躇せず表現し、他のメンバーの考え方やそこにいきつく過程を共有することで、「共感」を楽しんでください。