新しいキャンパスでゼロから企画を立ち上げた

1回生のとき、BKCで開催された「立命の家」の実行委員長を務めました。「立命の家」は、地域の小学生をキャンパスに招き、学内の各種団体が企画した学習の体験プログラムを楽しんでもらうものです。工夫しながら企画や準備をした結果、参加者に満足してもらえるのがとても楽しく、忙しいけれど充実していました。2回生でOICキャンパスに移り、何か新しいことをしたいと考えた時も、最初に浮かんだのが「立命の家」でした。OICは地域・社会との連携がコンセプトの一つなので、BKCとはまた違う面白いことができると思ったのです。
BKCの「立命の家」は、学生オフィスの方と一緒に、大学の予算で運営していたので、OICの学生オフィスで開催予定があるかどうか聞いたところ、ないとのお返事でした。それなら学生主体でやろうと考えて、先輩から聞いていた+R個人奨励奨学金(+R校友会未来人財育成奨学金の前身の制度)Challengeに出願しました。無事採用されたことで金銭面の問題をクリアし、「立命の家inいばらき」の企画が動き出しました。奨学金がなければ、企画すること自体が不可能だったと思います。
ゼロからの開催準備はやることがあまりにも多く、本当に大変でしたが、参加した小学生がすごく楽しんでくれて、保護者からも大きな反響がありました。大学からも、学生が地域に出ていくのではなく、地域の方に来ていただく企画として、これからもぜひやってくださいと言っていただきました。茨木市からも、地域に多くの大学がある中、新しく移転してきた大学とのつながりができたという点で高い評価をいただき、後援や助成金もいただけることになりました。

規模をより大きくして定着させるため、再度出願

私は当初から、このイベントを長く続くものにしたいと思っていました。翌年の第2回は、就職活動中だったため深く関わることができず、学生オフィスの方を中心に、学生スタッフがサポートする形となりましたが、第3回目は、私も4回生になるので「立命の家inいばらき」が、学生主体のイベントとして定着し、今後も継続できるかどうかの分岐点になるだろうと感じていました。
そこで必要だと考えたのが、イベントの規模を大きくして、大学、学生、茨木市、そして地域の方に強く認識してもらえるようにすること、そして、私がいなくても、このイベントが続けられるように、後輩へしっかり引き継ぐことでした。第2回開催時、予算や人員の不足で受け入れ態勢が整わず、参加希望者の要望に応えられない場面がありました。そのような状況を改善するためには、スタッフや備品を増やす必要があります。そこで再び+R校友会未来人財育成奨学金の高度化支援に出願し、その費用にあてることにしたのです。

4年間の取り組みの総決算として
次の世代に繋ぎたい

今は、2018年3月の開催に向けて企画の内容を固めています。その後、備品を購入したり、広報をしたりという準備をしていきます。広報については、これまで市の広報誌に掲載するだけだったのを、今年は、直接小学校を回って広報できるよう、教育委員会を訪問してお願いすることになっています。公民館や図書館など、茨木市の関連施設にチラシを置かせてもらえることにもなりました。第3回の開催日は、私が就職のために転居する2週間前。まさに大学生活の総決算として、しっかり次の代につないでいきたいと考えています。

普通の大学生活では経験できないことができた

組織を立ち上げ、企画を出し、練り上げ、関係各所にお願いし、調整し、当日の運営をし、最後は報告をする。この一連の作業を、2回生の時はほぼ一人でやってしまったのですが、今年はできるだけ手を出さず、必要なことを伝えることに徹しています。この両方を経験したことによって、自分の持つあらゆる能力が鍛えられたと思います。学外の方と真剣に話をして、共通の目標に向けて協力をとりつけることなどは、普通の大学生活では経験できません。就職活動でもこのことを高く評価していただくことができました。
「立命の家inいばらき」は、奨学金がきっかけで立ち上げることのできたイベントです。
お金がなければあきらめるしか方法がありませんでした。奨学金制度があることで始まる何か、動機づけにつながる何かがあるはずです。もっと多くの人にこの制度を知ってもらい、有効に利用してほしいと願っています。

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