立命館学園は、昨年夏、2030年に向けたビジョンワードとして、「挑戦をもっと自由に~Challenge your mind Change our future」を策定しました。先を見通すことが困難な時代であるからこそ、学園の学生・生徒・児童はもとより教職員、校友(卒業生)に至るまで、それぞれの立場から社会のあり方を考え、平和な社会の実現に向けて果敢に自由に挑戦する、その決意を広く宣言したものです。この新たなビジョンのもと、世界に共通する課題解決に向けて、SDGs(持続可能な開発目標)を推進していきます。
SDGsは、環境・貧困・紛争・教育・食糧など、持続可能な社会を実現するために私たちが取り組むべき課題を提示しています。持続可能な未来に向けて、教育研究機関としてさまざまな課題に対してチャレンジすることが問われているのです。そして、その理念は、「教育・研究機関として世界と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献する」という立命館憲章の理念をまさに体現するものです。
これまでも立命館は、人類社会における様々な課題に、積極的に取り組んできました。そのような取り組みを、世界共通の課題とされているSDGsの枠組みで捉えなおし、これまで個々に展開されてきたことを学園として組織的に支援する点が特徴です。学生・生徒・児童・教職員から自主的・主体的に展開されるチャレンジを、学園がSDGsと位置付け支援するという形は、立命館ならでは、と言えるでしょう。
立命館は、SDGsの達成とともに、先進国日本が抱える社会問題の解決に向けて、世界や地域社会とつながり、積極的に貢献を果たしてまいります。そして、変化する社会のなかで、立命館の使命とは何か、私たちにできる貢献とは何かについて、常に探求を続け、「世界の中で語られる学園、世界が語る学園」となるために、力を尽くしたいと思います。
2019年5月学校法人立命館総長 仲谷 善雄