未来への種まき

For sustainable growth

再生可能エネルギーの普及を世界に

立命館大学
島田 幸司教授
経済学部

一番大切にしたいと思うゴールは?また、そう思った理由は?

  ゴール#7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」

元々環境行政に携わっていました。その後大学に転じて環境・エネルギーの分野を研究しています。ゴール7の分野は私が20数年取り組んでいる気候変動の問題です。

気候変動の問題は、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」もありますが、気候変動の原因である温室ガスはほとんどがエネルギー消費から発生します。私は研究を通して、人や企業の選好を解明することにより、環境・エネルギー問題の解消につなげることを目指しています。「ゴール7の方が私の研究分野に近いかな」と思い、選びました。

そのゴールの達成に向けて取り組んでいることはありますか?

このゴール7で目指す目標は、2つあると思います。一つは再生可能エネルギーの割合を拡大すること、もう一つはエネルギー効率を改善する

という、省エネですね。この2つの柱で構成されていますが、私はどちらかといえば前者の分野について、10数年研究しています。


きっかけは、東日本大震災です。エネルギー問題が社会的にも注目され、クリーンで安心安全な電源が求められるようになりました。そのようななか、CO2を発生しない再生可能エネルギーの普及について研究しています。

例えば太陽光発電は、気象や日照に影響して出力が大きく変動します。電力使用量を、電力料金に変化を付けることによって、できるだけ気象や日照に合わせた暮らしにシフトできないか。そうしたことを考え、研究仲間と淡路島の南にある離島で行動パターンを作りました。

今ではダイナミックプライシングとして一般化されています。「晴耕雨読」という言葉がありますが、日本で古くから行われてきた生活習慣は、こうした行動とも合うと思います。


最近では、「ナッジ」と呼ばれる、規制や金銭的なインセンティブではなく、意欲を上げるような仕掛けにより人々の行動を変えようとする手法があります。例えば、コミュニティ内でのエネルギー消費量ランキングや「自分と他世帯との消費量の差」などといった情報を提示する仕掛けです。そのような情報によって、意欲的に消費量を減らすような行動変容を起こせないかという取り組みを、自治体や地域の新電力会社と一緒に

始めました。


これからの楽しみは、修士・博士課程で指導している途上国出身の留学生たちが、再生可能エネルギーを中心とした電力供給を出身国で進め、
SDGs目標に向けて活躍してくれることを見届けることです。それが10年後の夢ですね。
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