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<研究テーマ> 電気自動車用蓄電池の性能最適化、劣化抑制、残走行距離メータの開発

 

1.背景と目的

  地球環境問題の深刻化しているなかで電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)燃料電池自動車(FCV) 等の環境車の普及が望まれています.電気自動車は、自動車を動かすためのエネルギー費用が非常に低コスト(ガソリンに比べ1/10程度)でもあり、早い普及が望まれますが、搭載するリチウムイオン蓄電池の価格がまだ高いことや、走行距離が短い、急速充電インフラが十分に広まっているとはいえないなどの理由で、国内の自動車全体の約0.2%程度に留まっています(2014年).しかし、米国カリフォルニア州では、ZEV法により1998年にカリフォルニア州の販売量の2%を環境車にするということが定められ、2018年には4.5%にする方針になっています.(ハイブリッド車は環境車には入りません) 欧州では、CO2の規制強化、VW車のディーゼル車不正により電動化が進みつつあります.また、多くの人口を抱える中国でも電気自動車の優遇施策がとられ、世界全体がに環境車両普及に向けて動きつつあります.

 

2016年1月のCEショー(ラスベガス)でも、多くのEV展示が注目

 

2.特徴と成果

 EVカートを使った実験を行っています.実際に、大学内のコースで走行実験をして、リチウムイオン蓄電池と鉛蓄電池の加速性能の比較や、走行可能距離の比較実験を行います.また、走行時の蓄電池の発熱など、電池状態の測定結果も重要なデータです.さらに、MATLABを使って、EVの実走行条件での電池の状態を仮想実現し、それらのデータを用いて、性能や残距離の最適化技術を開発します.例えば、地図上の2点間を走行する場合の蓄電池の消費量などを、気象条件や渋滞状況も加味して正確に予測することを目的とします.

 

EVカートへの蓄電池実装実験

 

MATLABを使った車載蓄電池の状態シミュレーション実験

 

 

3.今後の展開

 EV用蓄電池の制御技術に関しては、まだまだ未開拓な領域がありますが、性能最適化、劣化抑制、高安全性、リサイクルなどを視野にいれた技術の確立を目指します.また、V2H(自動車から家庭への充電)、G2V(グリッドから自動車への充電)など、地域レベルでの最適走行管理システムへの展開も目指します.