環境防災研究会

設立の趣旨

 世界の防災・減災対策は、たとえ被災してもいち早く元の状態に戻れるレジリエント(resilient)な社会の構築に向かいつつあります。激甚災害によって被害が生じた後の回復力を向上させるには、住環境が災害によって激変しないことが必要ですが、環境を自然災害から守るための研究はあまり進んでいないのが現状です。そこで、地震や豪雨などの自然災害が環境に及ぼす影響について検討し、自然災害前の環境リスク評価、自然災害後の環境クライシス評価の両者に対するマネジメント手法を確立することを目標として本研究会を設立しました。

 まず、研究の前提である"環境リスク"を定義しておきます。環境を自然環境と社会環境の2つからなると定義したことで、2種類の環境リスクが定義できます。まず、自然災害による都市施設、各種構造物の被災そのものも環境リスクです。これを"1次環境リスク"と呼びます。次に、都市施設や各種構造物が被災すると、それに起因して副次的に水質汚濁や大気汚染等のいわゆる環境破壊が進行することになります。これを"2次環境リスク"と呼びます。本研究会では、これら1次と2次の自然災害による環境悪化リスクの把握と改善を通して、環境マネジメントを軸とする災害対策の革新を目指します。

Society for Environmental Hazard due to Natural Disasters