天野 耕二・教授AMANO Koji

所属学科
環境システム工学科
研究室名
環境システム研究室
専門分野
環境システム分析
連絡先
所在地
トリシア4階
Webサイト
http://amano.rits-ese.jp/

環境システム研究室

研究概要
「環境問題と社会経済の関わりを分析する研究」
 環境問題と社会・経済の関わりを総合的に評価する仕組みや枠組みについて様々な視点から研究しています。近年の環境問題は、ただやみくもに「水をきれい にしよう!」「ごみをリサイクルしよう!」という単純な問題ではありません。この地球で人間が生きているかぎり、水は汚染されるし、ごみも排出されます。 大切なのは、どうやってバランスを取っていくのかを考えることです。いろいろな問題について、ライフサイクル(いわば、ゆりかごから墓場まで)全体を考え て評価するライフサイクルアセスメント(LCA)という重要な考え方があります。環境問題は複雑で、「あちらを立てればこちらが立たず」ということがよく あります。研究室のキャッチフレーズは「環境問題のコンビニ」。専門性にとらわれず、研究に必要な学問分野は全て取り込んで、社会や経済の現実をとらえな がら文理融合型の研究を試みているのが特徴です。
研究室紹介
「学生の自主性を尊重する研究室」

所属学生が基本的に各自でテーマを設定し、研究を進めていくスタイルをとっているため、そのテーマは多岐にわたり、学科の専門分野に近い水環境、都市・土 木工学に関連するもののほか、農業・廃棄物・運輸交通・消費行動・エネルギー・環境意識など、各自が専門分野にとらわれずに、幅広いテーマで研究を行って います。現在のように社会・経済がどんどん複雑化していく時代に求められている現実的な環境マネジメントを意識しながら、浅くてもいいから、幅広い分野で 積極的に議論することをとおして、全体を見渡して最適な方向性を探る考え方を身につけることができる研究室です。
研究テーマ

    ○食料問題研究グループ
     食料自給率の改善と環境負荷の低減を同時に実現するシステムの構築を目指し、食と農の6次産業化・地産地消・食品循環資源のリサイクルなどに関する分野で、ライフサイクルアセスメント(LCA)やアンケート調査などの手法を使って研究を行います。

    ○電力・エネルギー問題研究グループ
     再生可能エネルギー(太陽光や風力など)の導入に関わる政策評価や電力取引システムなどのテーマについて、GIS(地理情報システム)による分析や行動ゲーム理論などの手法を使って研究を行います。グループ内で協力しながら研究を進めます。

    ○水資源・水環境問題研究グループ
     水資源問題の解決に寄与する技術(再生水利用システム)や水処理技術について、環境負荷・コスト・利便性など、多様な視点から評価する手法を研究します。建物・地域などを対象にして技術要件を満たしつつ環境負荷を最小化する水循環・社会システムの設計手法を検討します。

    ○グローバル生物資源循環研究グループ
     食料問題と水資源問題が切っても切れない関係にあるように、世界規模での資源の循環はさまざまな環境問題との接点を有しています。生物資源を中心とした資 源循環と環境問題の関連性を、統計データやGISを用いて分析し、循環利用を促進し環境負荷を低減する政策の提案を目指します。

    その他、各人の提案と教員との相談により、ごみとリサイクル・住宅・都市・交通・産業・環境意識など、環境に関わる幅広い分野で、環境システム分析の手法を使った様々な研究に取り組んでいます。
  • 国産青果物の需要およびその消費に伴う温室効果ガス(GHG)排出量

メッセージ
「環境問題に関するデ-タのシステム分析を通した環境教育」
 環境データの解析と評価に関する研究成果の対社会的貢献に関しては、学会等を通したいわゆる「学術ルート」だけではなく、大学での講義や演習を通して、 最新の環境研究知見を理解した多くの卒業生が社会で活躍することによる効果が大きいと考えています。特に、環境関連の仕事に従事することになる学生だけで はなく、直接には環境問題に関わらない一般ビジネス分野に進む学生への環境教育が重要です。個別の汚染・汚濁防止技術だけでなく、現場の環境動態をシステ ムとして理解した上で的確な施策立案を支援し得るだけの能力を持った人材の養成が最優先目標です。  

担当講義

  • 環境評価システム
  • ライフサイクルアセスメント(LCA)の概念