- 研究概要
- 「環境問題と社会経済の関わりを分析する研究」
環境問題と社会・経済の関わりを総合的に評価する仕組みや枠組みについて様々な視点から研究しています。近年の環境問題は、ただやみくもに「水をきれい
にしよう!」「ごみをリサイクルしよう!」という単純な問題ではありません。この地球で人間が生きているかぎり、水は汚染されるし、ごみも排出されます。
大切なのは、どうやってバランスを取っていくのかを考えることです。いろいろな問題について、ライフサイクル(いわば、ゆりかごから墓場まで)全体を考え
て評価するライフサイクルアセスメント(LCA)という重要な考え方があります。環境問題は複雑で、「あちらを立てればこちらが立たず」ということがよく
あります。研究室のキャッチフレーズは「環境問題のコンビニ」。専門性にとらわれず、研究に必要な学問分野は全て取り込んで、社会や経済の現実をとらえな
がら文理融合型の研究を試みているのが特徴です。
- 研究室紹介
- 「学生の自主性を尊重する研究室」
所属学生が基本的に各自でテーマを設定し、研究を進めていくスタイルをとっているため、そのテーマは多岐にわたり、学科の専門分野に近い水環境、都市・土
木工学に関連するもののほか、農業・廃棄物・運輸交通・消費行動・エネルギー・環境意識など、各自が専門分野にとらわれずに、幅広いテーマで研究を行って
います。現在のように社会・経済がどんどん複雑化していく時代に求められている現実的な環境マネジメントを意識しながら、浅くてもいいから、幅広い分野で
積極的に議論することをとおして、全体を見渡して最適な方向性を探る考え方を身につけることができる研究室です。
- 研究テーマ
- エネルギーと食糧の需給バランスを考慮した包括的地球温暖化緩和施策
- 物質フロー分析に基づいた社会システムの持続性評価
- 下水道処理のライフサイクルアセスメントに基づく環境負荷削減施策の評価
- 衣食住など日常生活に伴う環境負荷の総合評価
- メッセージ
- 「環境問題に関するデ-タのシステム分析を通した環境教育」
環境データの解析と評価に関する研究成果の対社会的貢献に関しては、学会等を通したいわゆる「学術ルート」だけではなく、大学での講義や演習を通して、
最新の環境研究知見を理解した多くの卒業生が社会で活躍することによる効果が大きいと考えています。特に、環境関連の仕事に従事することになる学生だけで
はなく、直接には環境問題に関わらない一般ビジネス分野に進む学生への環境教育が重要です。個別の汚染・汚濁防止技術だけでなく、現場の環境動態をシステ
ムとして理解した上で的確な施策立案を支援し得るだけの能力を持った人材の養成が最優先目標です。