惣田 訓・教授SODA Satoshi

所属学科
環境システム工学科
研究室名
水環境工学研究室
専門分野
環境工学
連絡先
Email:soda@fc.ritsumei.ac.jp / TEL:077-561-4836
所在地
トリシア5階
Webサイト

水環境工学研究室

研究概要
都市下水や産業廃水、汚染された水環境から有害な有機物や金属を除去・回収することを目的とし、主に微生物や植物を用いた研究を行います。自然界の分解者である微生物の機能は、下水処理場で有機物を除去する活性汚泥プロセスに応用されています。自然界の生産者である植物は、湖沼や内湾の水質汚濁の原因となる窒素やリンを吸収し、そのバイオマスは様々な資源として利用することができます。物理化学反応と比べ、生物反応は、速度が緩やかで、制御も複雑ですが、自然界の自浄作用の基礎であり、エネルギー消費量や環境負荷発生量の少ないプロセスが開発できる可能性を有しています。バイオリアクターやDNAモニタリング、数理モデルなどのアプローチを組み合わせ、水環境の保全を目指した研究を行います。
研究室紹介
水環境に関する科学・工学に加え、環境問題の社会的背景も含めた教育を行い、水環境学に関わる高い知識と技術を有する人材の育成を目指します。水環境に関する知識・技術を習得するだけでなく、さらにアジアを中心として国際的に活躍でき、国内の環境分野を担う将来ビジョンを持った人材を、水処理関連メーカー、ゼネコン、コンサルタント、省庁、自治体など、多様な分野に送り出したいです。特に(1)地球温暖化(温室効果ガス)、(2)国際貢献(アジア)、(3) 環境インフラの再編成(人口減少)、(4)災害対策と復興、に関する議論を積み重ね、水環境とその将来ビジョンに関する教育に取り組みます。
研究テーマ
  • 生物学的廃水処理プロセスにおける微生物群集のデザインと制御
  • 有用な微生物・遺伝子を活性汚泥に導入し、定着させるバイオオーグメンテーションという物学的手法や、沈降性や増殖速度の低い微生物も保持できる膜分離リアクターのような工学的手法を用い、活性汚泥法の処理性能の向上を目指しています。
  • 水生植物を用いた排水処理とバイオマス生産
  • ベトナムやタイの廃棄物埋立地の浸出水処理のための人工湿地の調査や、ラボスケールの人工湿地による排水処理実験を実施します。生長した植物バイオマスをバイオリファイナリー(biorefinery)のビルディングブロックであるエタノールやコハク酸に変換することも試みています。
  • 微生物・植物を用いた金属資源の回収
  • 廃水中の重金属・レアメタルを微生物・植物の力で回収し、再利用を可能にする技術開発を行います。
  • 排水処理プロセスの環境性評価と持続可能なプロセスの構築
  • ライフサイクルアセスメントの考え方を導入し、富栄養化指標、地球温暖化指標、余剰汚泥発生量など、様々な視点から排水処理プロセスを評価する研究をしています。
  • 難分解性有機物の除去を目的とした膜分離活性汚泥リアクター

  • アジアの廃棄物埋立処分場の浸出水処理を目的とした人工湿地の開発

  • 水中からアンチモンを回収する微生物

  • 都市下水の処理プロセスの富栄養化指標と地球温暖化指標

メッセージ
講義は「環境基礎科学」、「水環境工学」、「水処理工学」、「生態工学」などを担当します。「水をきれいにしたい」、「廃水から資源を回収したい」、「微生物や植物に興味がある」、「リアクターや化学分析を学びたい」、「国内・海外の下水処理場や廃棄物処分場に行ってみたい」と思う高校生の皆さん、一緒に学びましょう。卒業研究で面白い成果が得られたら、水環境学会、水処理生物学会、環境技術学会、土木学会、廃棄物資源循環学会などで発表してください。

担当講義

  • 環境基礎科学
  • 水環境工学
  • 水処理工学
  • 生態工学