赤野井グループ



研究概要

赤野井グループでは、ノンポイント負荷源のひとつに挙げられる農地(水田)を対象としています。

農繁期には、代掻き・田植え、施肥といった人為的要因により水田から大量の負荷が流出すると言われています。 しかしその一方で、浸透や土壌への吸着、稲による栄養塩の吸収などの理由により、浄化作用があるということも報告されており、 水田内における栄養塩の動きは明らかにされていないといった状況です。   

そこで赤野井グループでは、水田へ流入する水、水田から流出する水の両方を採り、その水質を分析しています。   
  

研究テーマ

・農地由来流出負荷算定モデルを用いた水田由来流出負荷量の推定
・水田由来流出負荷量の実測調査

詳細内容


(1)農地由来流出負荷算定モデルを用いた水田由来流出負荷量の推定

琵琶湖で最も汚濁の進んだ水域と言われている赤野井湾を研究対象とし、 その集水域(赤野井湾集水域=野洲川左岸)から琵琶湖へ流出する負荷量について推定を行いました。 この集水域は60%を水田が占めており、水田からの流出負荷の影響が大きいと考えられます。 負荷量の推定には、過年度において赤野井グループが構築したモデルを用いました。 2003年度は、野洲川右岸にもこのモデルを適用させ、左岸と右岸からの流出負荷量に関して比較を行いました。 両岸は、土地利用が類似しており、農業用水を野洲川から取水していることから、 この比較結果を赤野井湾における水質汚濁の要因解明に繋げたいと考えています。   
 

(2)水田由来流出負荷量の実測調査

近年の圃場整備により用水路と排水路の分離がなされ、どの水田へも用水供給は滞りなく行われるようになりました。 しかし同時に、循環利用システムの破壊に伴い、自然の浄化機能が生かされなくなったという欠点が生じています。 そこで2004年度は、用排水路の分離されて水田の用排水と、循環利用された水とを採水し、水質を分析しています。
調査対象水田

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