HWグループ


研究概要

HW(ハイウェイ)グループは都市域ノンポイント負荷の中でも自動車交通に着目し、研究を進めています。自動車より排出される排ガスには、人や生態系への影響が懸念される重金属類や多環芳香族炭化水素(PAHs)が含まれています。さらに、これらには難分解性であるものが多く、難分解性物質はその化学的安定性から環境中に長く残留する ため、環境に与えるインパクトは大きいと考えられています。これらの物質が自動車から排出され、大気浮遊、大気降下、路面堆積、降雨による流出という過程で環境に対して影響をおよぼす可能性があると考えられ、それぞれの過程における調査・分析・挙動解析を行っています。
2003年度までは高速道路を中心に活動していましたが、2004年度より高速道路に加え、市街地を対象地域として活動しています。

研究テーマ

・都市域における汚濁物質・微量有害物質の流出特性に関する研究
・都市活動に由来する大気汚染物質の現存−挙動特性に関する研究
・都市域における微量有害化学物質の生態系に与えるインパクトに関する研究


詳細内容


(1)都市域における汚濁物質・微量有害物質の流出特性に関する研究

工場・自動車といった都市活動から排出されるばい塵・ばい煙は晴天時に屋根・道路面等に堆積し降雨時に雨とともに流出します。また、これらの中には重金属類や多環芳香族炭化水素(PAHs)といった微量でも人や生態系に悪影響を及ぼす物質が含まれており、受水域の水環境への影響が懸念されます。降雨によるノンポイント負荷の挙動特性とその定量化を行うために高速道路排出水とそこから琵琶湖への流下過程にある草津市市街地の伊佐々川の河川水を採取します。
HW流出水採水地点 伊佐々川採水地点

(2)都市活動に由来する大気汚染物質の現存−挙動特性に関する研究

自動車排ガス中には数多くの有害汚染物質が含まれています。自動車から環境中へ排気ガスとして放出された汚染物質はまず大気中に浮遊し、その後乾性降下や湿性降下し、水環境へ流出していきます。このように水質汚濁のメカニズムの解明や、生態系のリスク評価を行う場合は重要な発生源である大気環境中の汚染実態を把握する必要があります。そこで、大気環境中の有害汚染物質の実態や特性を把握することと、大気から地表面や水面への降下現象による負荷量を定性定量的に把握することを目的とし、最終的には河川や湖への流入負荷削減の施策につなげていこうと考えています。
また、2003年度までは名神高速道路で調査を行っていましたが、2004年度より交通量の多さと自動車の走行状態から汚染濃度が高いと考えられる国道1号線でも調査を行っています。
大気浮遊物調査風景 大気降下物調査風景

(3)都市域における微量有害化学物質の生態系に与えるインパクトに関する研究

2004年度より、新たにこの研究活動を開始しました。私たちの研究は河川の河床堆積物(底質)を環境中より採取してきます。底質には生物、しいては生態系に影響を与える可能性が高い毒性の強い化学物質が多く存在しています。野外から採取してきた試料を重金属類やPAHsといった化学物質の定量化を行います。それに加えて、同じ試料を用いて、飼育している生物に暴露(さらす)させ、生物がどのような反応を示すか試験します。これをバイオアッセイと言います。これらの結果より生物、生態系への影響をリスク評価することが本研究の目的です。

すみません(>_<)写真は出来次第upします。

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