サンプルデータを使ってみよう


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それでは,早速サンプルデータを使ってみよう.教材フォルダを開き,その中の「k-nozaka」というフォルダを開く.その中の「waste.xls」というファイルを,授業で配付されたCD-RWまたはUSBメモリにコピーしよう.

コピーした「waste」のアイコンをダブルクリックしてみる.Excelが起動し,縦横マス目にぎっしり数字が記入された表が画面に表示される.紙で使う「縦横の集計表」をイメージしてみよう.ひとつひとつのマス目のことを「セル」と呼び,マウスでクリックして選択したセルのことをアクティブセルと呼ぶ.マウスでクリックしてセルを選択する(アクティブセルにする)ことで,セルの中に文字や数字や数式を入力できる状態になる.Excelでは,最大で「縦方向65,536行×横方法256列」のセルの集まりが1枚のシートになっている.このシートのことを正式にはワークシートと言い,ワークシートは必要に応じて追加できる.ワークシートを何枚か綴じたものを「ブック」よ呼び,ひとつのブックがひとつのファイルとなっている.ちなみに,左上の「ファイル」メニューから「新規作成」を選び,OKボタンをクリックすると,白紙のワークシート3枚が綴られた新しいブックが出てくる.既存のExcelファイルをダブルクリックしないで,Excelアプリケーション・アイコンをダブルクリックしても,同様に新しいブック(白紙のワークシート3枚入り)が出てくる.白紙のワークシートには,「Sheet1」,「Sheet2」,「Sheet3」という名前が自動的につけられている.画面左下の見出し(シート左下端から少し出っぱっているところ)をクリックすると,それぞれのシートが表に出てくる.

さて,改めて,「waste」というサンプルデータ(はじめに呼び出したExcelファイル=ブック)をながめてみよう.新しいブックを新規作成して白紙のシートが見えているときは,「ウィンドウ」メニューから「waste」を選べば再び縦横マス目にぎっしり数字が記入された表が再び出てくる.この「waste」というブックには,2枚のワークシートが綴じられている.左下端の「1994年度」や「1991年度」と記された見出しをクリックすることで,異なるデータが見えるようになっている.いずれのシートも1行目が変数名,2行目が単位となっており,3行目から数値(データ)が記入されている.1行が1サンプル(標本)のデータの集まりであり,このファイルにおけるサンプル(標本)とは「日本全国の市制自治体」である.対象標本数は657,すなわち,この「waste」というExcelファイルには,日本全国の657の市制自治体における様々な地域特性がデータとして集計されている.3行目の「札幌市」から659行目の「沖縄市」までびっしりデータが入っていることを,右側のスライドバー(縦方向)をマウスでドラッグしながら確認してみよう.右下のスライドバー(横方向)をマウスでドラッグすると画面が横に動くが,データの入っている列数(行と直角に並ぶ縦の列の数)が少ないので,少ししか見えない.これからいろいろな計算を進めてデータの入る列数が増えると,右下のスライドバー(横方向)が活躍するようになる.

このような地域データは,様々な社会調査によって集計された結果を誰か(多くの場合,公的機関もしくはそこから委託されたコンサルタント会社等のスタッフ)がコンピュータに入力したものである.入力された元データ(生データとも言う)を解析することにより,新たな地域計画やそれに基づく公共事業が企画されることになる.かつては,ごく簡単なデータ処理についても専門家によるコンピュータ・プログラミングを必要としていたが,現在ではあらゆる分野でExcelのような表計算ソフトが普及しており,専門的なプログラミングを知らなくても様々なデータ解析手法を駆使することができる.このExcel演習はまさに「専門的なプログラミングを知らなくても様々なデータ解析手法を駆使する」ための実践的なトレーニングである.扱うデータ(今見ている「waste」というファイル)は,本物である.地域(日本全国の市制自治体)ごとの社会経済特性の違いや環境側面(例えば,廃棄物の排出量など)について「本物の」データをあれこれ分析しながら,それぞれの地域における建設環境分野の将来を考えてみよう.


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