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ゆでていないスパゲティを使って、美しい橋の模型をつくり、その出来映えを競うものです。
- 主催:
- 立命館大学 建設会 学生部会(環境都市学系OB会の学生部門です)
- 審査日:
- 2011年11月24日(木)18:00~19:30
- 場所:
- 防災システムリサーチセンター3階 都市システム工学科会議室
- 使用材料:
- スパゲティ、瞬間接着剤
- 提出物:
-
- 作品
- 概要説明書(どのような場所にかかる、どのような目的の橋で、何に注意して設計したか)
- 設計条件:
-
- 形式:指定無し。
- 支間:40cm以上。連続橋の場合、最大支間40cm以上。
- 幅員:車道として想定する幅員6cm以上。
- 荷重:約8Nを移動荷重として載荷することに耐えること。
- 審査員:
- 伊津野和行、大窪健之、野阪克義
- 審査項目:
- 機能性(想定した目的に適した構造か)、構造特性(力の流れに無理がないか)、景観への配慮(想定した状況との関連で)、新規性(オリジナリティ)、模型の完成度(きれいな模型か)、設計書の完成度(計算の正しさ等)
- 審査概要:
-
まず計測が行われ、次に載荷を行った。
いずれも、設計条件は満たしていたが、8Nの載荷に耐えられなかった橋もあった。
なお、8Nという荷重は、スパゲティを横に並べただけの単純梁の崩壊荷重を元に
設定された値である。
各チームからプレゼンテーションがあり、続いて伊津野先生からの構造力学的評価、大窪先生からのデザイン的評価があった。
- 審査結果:
- 6項目各5点満点で採点し、3人の審査員の点数を合計した。採点結果は次のようになり、表彰式が執り行われた。
- 全体講評:
-
今回は橋梁形式に指定が無かったため,アーチ橋,斜張橋,トラス橋,それらを組み合わせたもの,といろいろな形式の橋が製作された.
形式に指定が無いため,自由な発想で構造形式を決定できるが,そのかわりにその構造形式としての必要性,妥当性が求められる.
発想の自由さ・柔軟さについてはどの橋梁も見受けられ,模型の出来栄えについても問題なかったため,
あと一歩アピールできる(する)点を考えて製作すればさらに良くなるのではないかと思われる.
項目
| 耐震工学研
| 橋梁工学研
| 3回生グループ
| 2回生グループ
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重量 (gf)
| 120
| 280
| 500
| 210
|
スパン (mm)
| 480
| 420
| 400
| 600
|
幅員 (mm)
| 60
| 60
| 75
| 100
|
機能性
| 10
| 11
| 11
| 12
|
構造特性
| 14
| 9
| 9
| 10
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景観への配慮
| 13
| 9
| 12
| 8
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新規性
| 8
| 13
| 14
| 8
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模型の完成度
| 11
| 13
| 12
| 11
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設計書
| 14
| 10
| 10
| 6
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合計
| 70
| 65
| 68
| 55
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順位
| 1位
| 3位
| 2位
| 4位
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優勝:耐震工学研究室 「T-Bridge」
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瀬戸内海の島をつなぐ自動車道を想定したゲルバートラス.デザインは周辺の景色を意識した波の高さやプロポーションなどになっており,センスよくまとめられている.ただしゲルバーは形式的に古く,現実的とは言えない.トラスの間隔も,もう少し広くてよいであろう.また,桁端部は断面をもっとしぼってよい.名前にもこだわり(意味づけ)がほしい.
第2位:3回生グループ 「鴨橋」
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京都,三条大橋の隣に架ける歩道橋.木造とし,歴史的景観にまで配慮した点は評価できる.ひじ木けた橋(持ち送りアーチ)の採用はおもしろいが,橋台との取り付け部が不自然.端部に木造トラスを採用しているが,必要性に疑問がある.木造トラスは明治から昭和にかけて日本でもよく作られたが,耐久性と耐荷力に問題があって消滅した.メンテナンスや更新方法も提案できればもっとよかった.
第3位:橋梁工学研究室 「Aブリッジ」
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駅前で,建物と駅をつなぐ歩道用の斜張橋.きれいな模型であり,軽やかなイメージがある.具体的な現場を想定した方が理解しやすかった.橋脚はAの字のイメージを貫いた方が,構造的にも有利.ケーブルで吊るのであれば,もっと床版を薄くできるであろうし,それにしてもケーブルが多すぎる.スケール感覚を大切に.
第4位:2回生グループ 「無名橋」
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アーチとトラスの組み合わせ.自転車および歩道部と,自動車道との2階建て構造.トラス部分ががっしりしすぎて,交通のための橋というより,配管橋のイメージ.アーチをもっと太くして,トラスを軽やかにすると,よりすっきりする.架橋場所を具体的に設定し,明確なイメージを作ることが重要.
- 来年度の予定
- 2012年11月に開催予定。テーマは未定。興味のある研究室はぜひ参加を。
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