第13回スパゲティブリッジコンテスト

 
  

 ゆでていないスパゲティを使って、美しい橋の模型をつくり、その出来映えを競うものです。

主催:
立命館大学 建設会 学生部会(環境都市学系OB会の学生部門です)
審査日:
2011年11月24日(木)18:00~19:30
場所:
防災システムリサーチセンター3階 都市システム工学科会議室
使用材料:
スパゲティ、瞬間接着剤
提出物:
  1. 作品
  2. 概要説明書(どのような場所にかかる、どのような目的の橋で、何に注意して設計したか)

設計条件:
  1. 形式:指定無し。
  2. 支間:40cm以上。連続橋の場合、最大支間40cm以上。
  3. 幅員:車道として想定する幅員6cm以上。
  4. 荷重:約8Nを移動荷重として載荷することに耐えること。

審査員:
伊津野和行、大窪健之、野阪克義

審査項目:
機能性(想定した目的に適した構造か)、構造特性(力の流れに無理がないか)、景観への配慮(想定した状況との関連で)、新規性(オリジナリティ)、模型の完成度(きれいな模型か)、設計書の完成度(計算の正しさ等)

審査概要:
まず計測が行われ、次に載荷を行った。 いずれも、設計条件は満たしていたが、8Nの載荷に耐えられなかった橋もあった。 なお、8Nという荷重は、スパゲティを横に並べただけの単純梁の崩壊荷重を元に 設定された値である。

 
 

各チームからプレゼンテーションがあり、続いて伊津野先生からの構造力学的評価、大窪先生からのデザイン的評価があった。

審査結果:
6項目各5点満点で採点し、3人の審査員の点数を合計した。採点結果は次のようになり、表彰式が執り行われた。
全体講評:
今回は橋梁形式に指定が無かったため,アーチ橋,斜張橋,トラス橋,それらを組み合わせたもの,といろいろな形式の橋が製作された. 形式に指定が無いため,自由な発想で構造形式を決定できるが,そのかわりにその構造形式としての必要性,妥当性が求められる. 発想の自由さ・柔軟さについてはどの橋梁も見受けられ,模型の出来栄えについても問題なかったため, あと一歩アピールできる(する)点を考えて製作すればさらに良くなるのではないかと思われる.

項目 耐震工学研 橋梁工学研 3回生グループ 2回生グループ
重量 (gf) 120 280 500 210
スパン (mm) 480 420 400 600
幅員 (mm) 60 60 75 100
機能性 10 11 11 12
構造特性 14 9 9 10
景観への配慮 13 9 12 8
新規性 8 13 14 8
模型の完成度 11 13 12 11
設計書 14 10 10 6
合計 70 65 68 55
順位 1位 3位 2位 4位


優勝:耐震工学研究室 「T-Bridge」

  

瀬戸内海の島をつなぐ自動車道を想定したゲルバートラス.デザインは周辺の景色を意識した波の高さやプロポーションなどになっており,センスよくまとめられている.ただしゲルバーは形式的に古く,現実的とは言えない.トラスの間隔も,もう少し広くてよいであろう.また,桁端部は断面をもっとしぼってよい.名前にもこだわり(意味づけ)がほしい.

第2位:3回生グループ 「鴨橋」

  

京都,三条大橋の隣に架ける歩道橋.木造とし,歴史的景観にまで配慮した点は評価できる.ひじ木けた橋(持ち送りアーチ)の採用はおもしろいが,橋台との取り付け部が不自然.端部に木造トラスを採用しているが,必要性に疑問がある.木造トラスは明治から昭和にかけて日本でもよく作られたが,耐久性と耐荷力に問題があって消滅した.メンテナンスや更新方法も提案できればもっとよかった.

第3位:橋梁工学研究室 「Aブリッジ」

  

駅前で,建物と駅をつなぐ歩道用の斜張橋.きれいな模型であり,軽やかなイメージがある.具体的な現場を想定した方が理解しやすかった.橋脚はAの字のイメージを貫いた方が,構造的にも有利.ケーブルで吊るのであれば,もっと床版を薄くできるであろうし,それにしてもケーブルが多すぎる.スケール感覚を大切に.

第4位:2回生グループ 「無名橋」

  

アーチとトラスの組み合わせ.自転車および歩道部と,自動車道との2階建て構造.トラス部分ががっしりしすぎて,交通のための橋というより,配管橋のイメージ.アーチをもっと太くして,トラスを軽やかにすると,よりすっきりする.架橋場所を具体的に設定し,明確なイメージを作ることが重要.


来年度の予定
2012年11月に開催予定。テーマは未定。興味のある研究室はぜひ参加を。


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