- 研究概要
- 「鋼構造物の強度、鋼橋の維持・管理」
鋼橋の設計・維持管理に関する研究を行っています。鋼橋を経済的に製作するための設計法に必要なデータとして、鋼橋を構成する部材の強度を実験や解析によって明らかにしています。実験では、鋼材の強さを目の当たりにでき、皆さんの生活を支えている構造物の強さが実感できます。
また、私たちの周りの多くの構造物は長い間の使用により古くなってきているため、補修や補強を行うことによってより長く安全に使用できるようにしていくための方法を研究しています。ひとつの方法として、炭素繊維強化樹脂(CFRP)板という素材を用いることを検討しています。このCFRP板は、軽量で鋼材よりも強い強度・剛性を持つ製品も開発されており、その使用方法によってはこれからの有効な材料として注目されています。
さらに、身近な構造物を用いて防災・減災に役立てることができないかなどについて研究を行っています。
- 研究室紹介
研究室では、実際の構造物を縮小した模型(供試体と呼びます)を用いて、実際に力を加えてどのように壊れるかなどについて、実験室で実験を行っています。また、実験だけでは分からないことがある場合や、実験ではいろいろな種類の実験を行うことが難しい場合には、コンピューターを用いてシミュレーション(解析)を行っています。実験や解析の計画・準備・実施などを学生が担当し、自分の実験・解析を責任をもって行います。
ゼミでは各自の研究の進捗状況を報告、研究について教員と相談したり、スライドを用いた研究内容の発表を行ったりしてもらいます。
- 研究テーマ
- レンガアーチ橋の強度解析
- 鋼橋の非弾性設計法
- CFRP板接着による鋼構造物の補修・補強
- 曲げ・せん断を受ける鋼桁の耐荷力
- 鋼構造物の耐荷力
鋼桁の載荷試験の様子
載荷後の鋼桁
レンガアーチ橋の解析
鋼桁の挙動を解析で再現
- メッセージ
- 「社会基盤である鋼橋を長く使うためには」
立命館大学理工学部の修士課程を卒業後,アメリカのミネソタ州にあるUniversity of Minnesotaの土木工学科に進学,Ph.Dの学位を取得後,2002年4月から立命館大学理工学部に所属しています.
専門は構造力学,鋼構造,補修・補強です.鋼橋の合理的な設計法の確立を目指し,強度予測,設計法の検討を行うとともに,老朽化した構造物(橋梁)を補修・補強により寿命を伸ばしていく工法などについて研究しています.また,身近な構造物を用いた防災・減災についても検討しています.
安全・安心な生活を実現するための研究を行って行ければと考えています.