樋口 能士・教授HIGUCHI Takashi

所属学科
環境システム工学科
研究室名
大気環境工学研究室
専門分野
微生物を用いた大気汚染物質・悪臭物質の処理(バイオフィルトレーション)、
臭気・微量大気汚染の官能試験(嗅覚測定法)
連絡先
所在地
トリシアI 5階
Webサイト
http://www.ritsumei.ac.jp/se/rv/higuchi/

大気環境工学研究室

研究概要
「持続可能な地域づくりのための景観の計画」
大気の質や不快なにおいについて、特にヒトの嗅覚(鼻)を用いた新しい客観的な評価方法の研究をしている。日本では、悪臭の評価に「嗅覚測定法」という方法の利用が法律で定められているが、これを広く大気の質の評価に適用するための応用方法を検討している。また、大気汚染物質でもあり悪臭物質でもある気体状の有機化合物(VOC、揮発性有機化合物)を、微生物を用いて処理する装置を開発している。この装置は一般に「生物脱臭装置」あるいは「バイオフィルター」と呼ばれているが、その実用化のために、汚染物質の高い処理効率と微生物の活性や増殖のきめ細かい制御を目指している。
研究室紹介

大気環境工学研究室では,悪臭を中心とした大気質の評価と制御について研究しています。悪臭は騒音・振動と同様、感覚公害として生活に密着した問題です。またガス状揮発性有機化合物(VOC)は悪臭物質であるとともに、光化学汚染などを引き起こす大気汚染物質として近年、規制が強化されました。現在私達の研究室ではガス状VOCの生物処理(バイオフィルトレーション)、官能試験(嗅覚測定法)を利用した大気質の評価方法の開発、介護環境における室内臭気の制御という3つのグループに分かれて活動しています。
研究テーマ
  • 微生物を用いた大気汚染物質・悪臭物質の処理(バイオフィルトレーション)
  • 官能試験(嗅覚測定法)を利用した大気質の評価方法の開発
  • 介護環境における室内臭気の制御
  • 大気汚染物質の自然浄化機能の検索とその工学的応用に関する研究
  • 嗅覚測定法による悪臭および大気質の評価方法の開発
  • 実用化を想定した生物脱臭装置試験機。ガスの流れやフィルター素材に独自の構造を有している(特許申請済)

  • 道路沿道空気の捕集、ヒトの鼻と機械の双方を使って道路空気の汚染の程度を評価している

メッセージ
「大気汚染物質の生物処理」
現代の地球規模での環境問題に対応するため、大気汚染や悪臭の対策には、より低負荷、高効率、高費用効果な方法が求められています。その中で、微生物を用いてガス状物質を処理するバイオフィルターは、一部で既に適用されていますが、現状ではその処理効率の低さが欠点となっています。そこで研究室の主要な課題として、微生物がガス状物質を吸収し分解する過程を様々な条件で観察し、その能力を最大限に活用する装置の開発を行っています。また環境中では、逆に微生物反応により多くのガスが発生しています。そこで、土壌からのガス発生のモニタリングも行っています。におい(臭気)の観点から大気質の評価を行う方法についても検討を行っています。においの測定では、人間の嗅覚を用いた方法(官能評価)がよく用いられます。そこで、この測定方法の精度を高め、人間が感じる最低限のレベルまでを評価の対象とすることによって、快適性の面から新たな大気質の指標を提案することを考えています。