2003年4月30日(水)
<<面倒臭い>>
本日午後一番で工学部の線形代数の講義。今日はすこしもたついて3ページ程 度。連立一次方程式の解の(一意)存在性と拡大係数行列の階数の関係を終え、 逆行列の定義に入る。次回は行列の簡約化による逆行列の計算などをやり、で きれば行列式に突入したい。夜は、ゲーテで開かれる「古楽器によるバロック 音楽と現代音楽の夕べ」なるコンサートへ。

研究室のパソコン環境の変更作業をしなければならないのだが、面倒臭い のでのびのびになっている。現在のところFreeBSDを使っているのだが、そろ そろFreeBSD離れをしなければならないと考えている。FreeBSDはフリーソフト がネットワークで簡単にダウンロードできて便利という触れ込みだが、但しそ れは約3ヵ月毎の気まぐれなバージョンアップとインストール方法の変更を全 てフォローしている閑人であることという条件付きである。計算機に単なる道 具以上の愛着を持たない私にとっては、誰もが使っているようなソフトを自分 も使ってみようとする度にOSの再インストールが必要になるというのでは、馬 鹿馬鹿しくてつき合い切れないのである。

2003年4月29日(火)
<<幸せそうな顔>>
本日祭日なり。松村英之「可換環論」(共立)と Bruns and Herzog "Cohen-Macaulay ring"(Cambridge Univ. Pres) をあちこちひっくり返してハシゴしつつ、昼寝をしたり散歩をしたり。 散歩は近場の山科駅前満員御礼SBUX, および、これまた満員御礼のラクト山科。 夜はドイツ語の宿題や予習など。

ラクト山科地下の大丸デパートのスーパー(所謂「デパ地下」)は、 通勤途中や散歩のついでに必ず一度は通過するけれど、ああいろん なものが売ってるなあなどと思いながらただ通り過ぎるだけで幸せな 気分にさせてくれるところは、流石デパートの面目躍如というか底力 だと思う。 こう思うのは私だけではないようで、夢見るN木先生もちょくちょく幸せ そうな顔をしてこのスーパーを漂っているな。

2003年4月28日(月)
<<さくさく>>
本日午前中は自家養成サクラI君の院ゼミ。今日は多項式写像のところ。就職 活動の疲れが出たのか、彼らしいボケを随所にかましつつ、とろーりとろりと 進行する。午後は卒研ゼミ。全商環、商体、局所環と局所化、ネーター環と その特徴付け、その勢いでヒルベルトの基底定理!とさくさく進む。

今日は卒研生T君の「私、多項式がわかりません」発言にひっくり返る。2 変数以上の多項式の計算は、高校でも大学の基幹カリキュラムでもほとんど教 えないけれども、私は「そんな簡単なものは中学校で習っているはずだ」と思 い込んでいた。しかし、現実は「中学校でもやってません」。

たぶん、昨今の数学科1回生に入学早々から線形代数だの微分積分を教えるの は間違いであって、まず集合({x}とxの区別がつくようにすること)、3次元空 間(例えば「円柱を平面で切った断面は楕円になるでしょ」と言われて パニックにならないようにすること)、 論理(「『全ての...について成り立つ』の否定は『 全ての...について成り立たない』ではない!」と言われても 頭の中が真っ白にならないようにすること)、 そして願わくば2変数以上の多項式を一通り教えないといけないのであろう。

2003年4月27日(日)
<<憑き物が落ちる>>
桜はとうの昔に何処かに消えてしまったので目に楽しいものは既に無く、さり とて天気は良いし、昨日のスポーツ・クラブでちと張り切り過ぎてくたびれた し。ということで、山のようなドイツ語の宿題といくばくかの野暮用の合間に 気持ち良く昼寝など。夜は山科駅前SBUXなどでBruns and Herzog "Cohen-Macaulay rings"のある部分を読んだりして過ごす。

理論計算機屋時代は、計算機科学としての価値観を通して見ると 結構(どころか、とても!)面白いことをやっていて、夢中になっていた。 しかし、計算機科学の世界を「降りた」今となっては、数学として見れば 要するに1940年代あたりに発見されたアイディアを手を変え品を変え 焼き直すという面白くも何ともない事をやってただけで、よくあんな事に 夢中になれたものだと、かつての自分を結構冷ややかに見ているので ある。これは要するに、計算機科学としての価値観が、憑き物が落ちる ように無くなってしまったために物の見方ががらりと変わってしまったの である。

一度こういう体験をすると、何事にも冷めた見方をしてしまうもので、 今面白くやっている可換環論や代数幾何学の勉強や研究、そして何だか よくわからないままにやっているドイツ語の勉強なども、何かの拍子に 「憑き物が落ち」てしまったら、何でこんなどうでも良いような事に血道を上 げていたのだろうと白けてしまうかもしれない、という思いがどこかにある。 ま、その時はその時の事だけどね。

2003年4月26日(土)
<<応答せよ!応答せよ!!>>
ゲーテとスポーツクラブの日である。少し早めに家を出て独独辞典を買いに 河原町丸善に立ち寄ったのだが空振り。独独辞典よりも、仏独辞典か独仏辞典を使えば、 フランス語の復習にもなっていいな、などという馬鹿気た考えがかなり以前から くすぶり続けており、いまだにエッセンの書店で見付けた仏独・独仏辞典を買わな かったことを少し後悔している。日本では独仏辞典なんてまず売ってないからね。 (そうか、Amazonで買えばいいのか。でも現物見てから買いたいしね。)

そういばエッセン時代、毎週日曜日の朝にテレビで初級フランス語会話講座みたいなの (勿論ドイツ人向け)をやっていて、結構面白がって見てたのだが、ああいうのはドイツ語 とフランス語が一遍に勉強できて便利だと思う。

ゲーテの方は、中級の後半のクラスにもなってくると、いつまでも独和辞典じゃあダメです。 独独辞典を使いなさいとか、「一週間も時間があるのだから」という理由で膨大な宿題が出たりして、 色々要求がきつくなってきている。今日は、GWをはさんで二週間も時間があるのだか らという事で普段の倍ぐらいの宿題をもらってその重きに泣きて三歩歩めず、ふらふらと 千鳥足で帰ってきた。

さて本日の「物理的均衡」はどうか。狭義単調増加はようやくおさまり、受講生は 19名で打ち止めとなった模様。松下巨漢社員は今日も休み。どうした巨漢社員!? 大丈夫か?応答せよ!応答せよ!!さらに、立命館哲学女史2人組も休み。 清少納言も休み。 しかし、 数学者になりたかったエンジニア、 私の丸刈がいたくお気に入りのロートレック嬢、 謎の主婦その1、 ドイツ秘書、 S太郎の同業者、 心の冷たそうなドラえもん、 さてはまたぞろ京都市立芸大音楽系出身者か?ウイ-ン在住歴有りと判明した謎の主婦その2、 ドイツ仕込み硝子職人、 お美人さん、 光輝くフリーター氏 ハンサムくん、 殴り込み通訳、 ベルリン主婦、そして 印哲は全て出席。皆出席の私を含めて15名という、かろうじて適正規模を保つ。

夜はスポーツ・クラブでくたびれ果てる。

2003年4月25日(金)
<<忌まわしい過去>>
曇りがちで少し蒸し暑い日。今日も会議の疲れが少し残っているが、午前は山 科駅前SBUXにて、そして午後は大学の自分の部屋にて静かに"Monomial Algebra"を読み 耽る。

途中、事務所でお茶を汲んできた帰りにI先生に捕まり、先日の会議での" 50倍発言"に関して立ち話。要するに、数理科学科における"数理情報分野" をどう位置付けるかという事である。こういう話題は極力避けて静かに余生を 全うしたいと思っていたのだが、そういう訳にも行かないものらしい。

私の理論計算機科学者時代というのは、(特に前半から中盤にかけては) 優れた良い人々との出会いや愉快な事も一杯あったけれど、"終り悪けりゃ全て ダメ"みたいな感じで、総括すれば忘れてしまいたい「忌まわしい過去」である。 さりとて私のちっぽけな半生の中では大き過ぎる程の位置を占めており、逃れ たくても逃れ切れないというのも現実である。そして、計算機屋からきれいに 足を洗って7年が経とうとしている今でも、まだあの世界を冷静に見つめることは 難しい。

いずれは過去との正しいつき合い方を学んでいかないといけないと思うけ れど、それは数学の方でもうひと頑張りしてからでないと難しいだろうと踏ん でいる。

2003年4月24日(木)
<<会議健康法>>
昨日はずいぶん疲れた。疲れの主原因は、日頃は小羊のように大人しい私が、 何故か昨日の教室会議でいつもの50倍ぐらい発言したことである。別に意見 が対立して激しくやり合ったというわけではないし、情報学科時代みたいに 「物言えど唇寒し」という状態でもない。しかし、とにかく会議で発言すると いうそれだけで結構精神的に荒てしまうものである。

誰でも同じなのだろうかというとそうでもないようだ。毎回会議の間じゅう2 時間でも3時間でも元気一杯大声で発言し続ける人も居る。私などは、あんな に会議で吠え続ければ一気に5年分ぐらい老け込むんじゃないかと思うのだが、 こういう人は私と逆で、一度会議に出でわめき続けると2週間ぐらい若返るよ うである。会議健康法ってやつだな。会議はだいたい2週間に一度だから、 単純計算で考えるとこの先生は永遠の命を手に入れていることになるが、夏休 みなどで長い間会議が開かれなかったり、その先生自身が所用で会議に出られ なかったり、あるいは会議の時なのに何らかの理由で珍しく元気が無かったり することもあるので、なかなか理論通りには行かないようである。

逆に、会議ではとにかく座っているだけで決して何も言うまいと決心して いる(ように見える)人も居る。では、会議の内容はうわの空かとい うとそれも色々で、名指しで発言を求められると実に的確な意見を述べたり する場合もあるし、そうでもない場合もある。

本日心の静養日。午前中は山科駅前SBUXで、午後も引続き大学の自分の部 屋で"Monomial Algebra"を読み耽る。途中座敷童S太郎が現れたので、Vine LinuxとFreeBSDの違いについて少しレクチャーを受ける。 夜はドイツ語かな。

2003年4月23日(水)
<<びゅんびゅん進む>>
本日午後一番は工学部線形代数の講義。連立一次方程式の掃き出し法。2年前 のノロノロ講義と違ってびゅんびゅん進み、この調子だと5月頭から行列式に 入れる見込み。(ちなみに2年前は6月中旬だったと思う。)

講義の前後はコロキウムのOHPを作ったり、情報処理のレポートの整理して 次回の「とりとめもない講義」の作戦を練ったり。「何でもいいから疑問に思っ た事を書け」というレポートも2週分眺めてみると、連中が一体どのあたりで ウロウロしているのか何となくわかってくる。

夕方から教室会議。実に重い議題の目白押し(嘆息)で3時間ぐらい続く。

2003年4月22日(火)
<<とりとめもない話>>
本日午後一番より2回生「離散数学」の講義。重複組合せについて。あと、母 関数の話をほんの少し。数学を教えている限り、その気になれば色々なことを話して 10分で説明できる事を80分ぐらいに引き伸ばすのは得意中の得意で ある。

ひきつづき1回生「情報処理」。UNIXがどうのWindowsがどうの、OSがこう の、2進数と8進数と10進数の関係がどうの、プロセスの概念がどうのとい うとりとめもない話をして終わる。計算機の話では、上記のような「10分を 80分に引き伸ばし」なんて芸当はできないな。教えてみてつくづく分かるけ ど、ほとほと下らない学問だと思う。

講義の前後はレジュメとOHP原稿作り。今日で両方とも脱稿。あとは、 OHPを作って、レジュメを数学研究会の連中に渡すだけ。 これで"Monomial Algebras"に戻れるぞ。  

2003年4月21日(月)
<<院ゼミ再開>>
午前中から3ヵ月半ぶりに再開の院ゼミ。とろーりとろりと代数的集合の座標 環について。自家養成サクラI君は過去3ヵ月半の間就職関係の講座だのセミ ナーだのに忙殺されてばかりかと思いきや、数学の勉強の方も何とか続けてい たらしく、久々のゼミのわりにはまずまずの調子。少し間を置いて卒研ゼミ。 準素イデアルの残り、商環の定義および普遍性の証明など。発表者T君は 一見危うげな雰囲気を漂わせながらも粛々着々と進行する。

夢見るスキンヘッドの反響はどうかというと、自家養成サクラI君は無反応。 夢見るN木先生、(いらんこと言いの)S屋先生、悪太郎サングラス越しに目が合っ た院生H場君は、ちょっと驚いたのか一瞬目をぎろりとさせて終り。卒研T君は それよりももうちょっとだけ驚いたような表情。S藤先生は大笑いしてくれたが、 一番笑ってくれたのは事務のF木さん。「先生、出家されるんですか?」 ちゃうわい!ま、ウケを狙ってやってるわけじゃないんですけどね。

2003年4月20日(日)
<<夢見るスキンヘッド>>
連日の夜なべ仕事の疲れが出たのか、昼前までぐっすり眠る。野暮用を済ませ た後、午後は床屋、その後また野暮用。独作文を少しやって夜はレジュメ校正 作業など。

ドイツに滞在してた頃、現地にスキンヘッドや丸刈りの(主に)若者が比 較的沢山いて、その頃からああいう髪型もいいものだなと思っていた。スキン・ ヘッドや丸刈りはネオナチだと思ってたが、そうとも限らないようだ。グロタ ンディエックもスキン・ヘッドだしね。あと、昔見た「タクシードライバー」 という映画で、冴えないタクシー・ドライバーを演じる(若き日の)ロバート・ デニ-ロがだんだんオカシクなってきて、最後は完全武装のスキン・ヘッドに なって出て来たのがとてもカッコ良かったし。よし、私もスキン・ヘッドにす るぞ!と少し前から家族に宣言していたのだ。しかし、(私には何だかよくわ からない理由で)とにかくそれだけはやめてくれと言い出すので、この計画は 延び延びになっていた。

今日は家族の態度もやや軟化したことだし --- スキン・ヘッドはだめだが 丸刈りは認める ---、床屋の兄さんも、スキン・ヘッドは毎日手入れしない といけなくて大変ですよと言うので、結局「2週間ばかり手入れせずにほった らかしにしておいたスキン・ヘッド」(つまり丸刈り)にすることにした。

うーむ、何だかネオナチの斬り込み隊長みたいな感じになっちまったな。

2003年4月19日(土)
<<危い均衡>>
今日はゲーテの日。ここ数日の暑さがすこし和らいで、さて桜はと荒神橋を渡っ て鴨川べりへ。と、無い!桜が全部無くなっている!暑いな桜どころではない な、などと言っているうちに、桜はそっと姿を消したのである。日本人が桜を 好むのは、その散り際が美しいからと言われている。ああ、やっぱりそうなん だ。こいつらタダモノじゃないんだ、そうやってまた来年の春まで知らん顔し てるんだろう、などと思いながらパンク寸前の教室へ。

それにしても今回の講座は何だか様子が変だ。受講生の数が狭義単調増加 しているのだ。今日もまた新しく2名増えた。ちょっと前までNHKの夜10時 のニュースで不幸そうな顔でキャスターをやっていて、その後それが彼女本来 の仕事なのか、9・11のニューヨークだのタリバーンのアフガンだのサダムの イラクだのを飛び回って元気一杯嬉しそうに現地報告などをやっている海外特 派員が居るが、彼女とよく似た感じの英語の通訳・翻訳者がドイツ語にも殴り 込みをかけてきたのである。もう一人は、京大の大学院で印度哲学を勉強して いるお兄さん。印哲ですぞ、印哲!めちゃめちゃカッコいいではないか。こう いう兄さんはウルドゥー語とかパーリ語なんかもべらべらで、年中ブラフマン がどうのアートマンがこうのソーマ神酒がどうしたこうしたなんてことを考え てるんだぜ、きっと。彼は、以前ゲーテのクラスで私と一緒でその後オースト リアに留学した、やはり印哲専攻のS氏の事もよく知っているらしい。

これで受講生はおそらく20名になっている。教室の収容定員はせいぜい 17,8名。今日も私のお気に入り松下巨漢社員氏は欠席し、立命館哲学女史 その一もたぶん就職活動のため欠席。ついでに光輝くフリータ氏もドイツ語を 忘れてしまいそうなベルリン主婦も休み。しかし、ドイツというよりパリの香 り往年のロートレック嬢も数学者になりたかったエンジニア氏も、心の冷たそ うなドラえもんも、謎の主婦その1その2も、座敷童S太郎よろしく毎日働く 数学の塾屋も、ドイツ仕込みの若き硝子職人も、清少納言似の(と言っても清 少納言を見たことは無いのだが)謎のフラワーデザイナーも、休暇はたっぷり ドイツ系企業の秘書(株式会社立命館もドイツ系企業だったら月曜の祭日はちゃ んと休めるのかしら)もみーんな来ていて、今日も危うい物理的均衡を保って いた。先週も書いたけど、全員出席したらどうすんだよ、一体。

夜は例によってスポーツ・クラブ。

2003年4月18日(金)
<<やがて悲しき>>
昨夜もいつものように日課の独作文を済ませてからコロキウムのレジュメ書き をやったのだが、興が乗ってしまい夜更し。今朝は眠い。眠いし暑いし、桜 どころじゃないな。午前中は山科駅前 SBUXにて"Monomial Algebras"を読み、午後から出勤。研究室でレジュメ書き に興じる。

「面白うてやがて悲しきレジュメ書きかな。」色々細かい事を書き過ぎた3年 前のレジュメの反省から、今回は話題を絞り込んだ上で、ごく簡単な例を中心 に、技術的な内容よりも考え方や思想に重点を置いて書いている。しかし、数 理科学科での3年近くの経験から、技術的な内容は学生にとって理解しやすい が、考え方や思想はどれだけ丁寧に説明しても理解されにくい、ということが わかっている。

どうも人間というのは、昨日と同じように今日も考えたがる習性があるよ うで、新しい考え方にはおいそれと馴染みたくない、馴染んでたまるものか、 という風に出来ているようである。この点では若い人の方が頭が柔軟だと言わ れるが、私の見るところでは個人差は結構大きいし、同じ人でも場合によって 石頭になったり軟らか頭になったりするようである。

一般的に言って、技術的な事は教えていてもあまり面白くないのだが、 丁寧にやればそれなりに教育効果が上るので何とか救われる。それに対して、 考え方とか思想を教えるのは楽しいけれど、往々にして後で「あんなに丁寧に 説明したつもりなのに、誰一人何も理解してくれなかった」という事実を突き 付けられて顎然とする事も少なくない。 今回のレジュメ作りも、あまり入れ込み過ぎると、後で顎然とした時のギャップ の大きさにしばらく立ち直れなくならないとも限らない。 ほどほどにしておかないといけないのかな。

2003年4月17日(木)
<<楽しく計算>>
今日もまた暑い。暑いと頭がぼんやりしてしまって桜を忘れてしまう。 桜は少し肌寒くて頭がはっきりしている時期でないと楽しめない。

午前中は山科駅前SBUXにて"Monomial algebras"を読み、昼頃出勤。研究室 でMacaulay2を使ってコロキウムの原稿のための具体例を計算をしたり、計算 結果を整理したりして楽しく過ごす。色々具体例を計算していると、どうして こんな現象が起こるのだろうかとか、この計算とあの計算の間に何か深い関係 でもあるのかしらとか、こういうふうにならないような場合ってあるのかしら とか、色々な疑問がわいて来る。そういう事が数学の研究につながっていくの だけど、その事が学生達に何とか伝わる講演にしたいものだと思う。

2003年4月16日(水)
<<紀元前の昔>>
4月に入ってから学内ネットワークの調子が悪く、この日誌を更新してさて Webサーバのあるマシンに転送しようした時に限って ftp が繋がらない事が多 い。ここんところ日誌の更新が不規則なのはそのせいもある、と弁明しておく。 平日は大体夕方頃に更新しているのだけど、夜8時を過ぎても更新されない場 合は出勤してない日かネットワークの不調かのどちらかで、いずれにせよ翌日以降で ないと更新されないと思ってよい。

さて、昨夜は5月の数学コロキウムの講演レジュメを少し書き始めた。3 年前に -- というと高山歴では紀元前の昔である -- 同様の講演をしたときに は無闇に力が入って無駄に分厚いレジュメを作ってしまい、結局空回りしただ けで終った。今回はそのレジュメの簡略版みたいなのになりそうである。

今日は桜どころではない暑い日だったが、講義があるので昼前に出勤。私 の出勤時間をどこで察知したのか、いつものようにお伴の手下だか保護者だか を引き連れた卒研生T君が絶妙のタイミングで質問に現れたり、あっぷあっぷ のドイツ語の予習をしたりしているうちに講義の時間になる。2年前に同じ講 義をやったときは、ずいぶんモタモタしてしまって酷い目にあったけど、その 後数理科学科でも線形代数を教えたりして経験を積んだので、今年は割合良い ペースで進行していると思う。

講義の後、事務的な用事などをいくつか片付けてから、"Monomial Algebras"を読む。