2004年2月15(日)
<<気分がよろしい>>
久しぶりの平和な日曜日である。午前中は採点の疲れだか眠気だかが抜けずに ぼんやり過ごし、昼頃からおもむろに動き始め野暮用など。野暮用の途中でマ ツヤスーパー山科店の前でK川先生にばったり出会う。思わず、最近常時携帯 しているデジタルカメラで記念撮影でもして,「おそらく散歩がてらに西友山科 店へ向っていたと思われる、昨日”採点お八つ”を半分私に巻き上げられたK 川先生の晴れ晴れとした(?)日曜日の顔」などと称してこの日誌に掲載しよ うかと思ったが、何とか思いとどまる。

昼過ぎから夕方にかけて、少し数学。一応形になってきたけど、論文とし て発表するにはいまひとつ「面白さ」に欠ける。もうちょっと何とかならんも のか。

夜はドイツ留学準備と称して、 フランクフルト空港のHP を見つけて色々調査。こういうところのドイツ語って、 ニュースの記事なんかよりうんと読みやすく書かれているので、 読んでいて気分がよろしい。

2004年2月14(土)
<<屁理屈>>
本日採点最終日。やはり仕事は少なく、昼過ぎには全作業が終了。通算採点答 案枚数は、わずか4551枚に終わった。所詮、立命館の数学の入試の採点な んて、国立大学様にくらべれば「ぬるい」のかも知れない。打ちひしがれた気分で、 今年度最後の採点食をじみじみと味わう。
2月12日の日誌で示した3種類のメニューのうち、 豚肉生姜焼きセットと中華セットが一日おきに交代で出される。 今日は中華セットと麺類セットの日だった。右上に見えるのが、 シナ竹が大量に入っている春巻きで、断面を見ると 光ファイバー・ケーブルのように見える。

そういえば、前回ドイツに滞在したとき、エッセン大学のメンザ(学生食 堂)で、もやし入りの巨大春巻きが出たことがある。どのぐらい巨大かという と、メインディッシュが春巻き1本だけで、あとジャガイモの付け合せと簡単 なサラダでお腹一杯、というぐらいであった。巨大であることと、もやし入り であること、ドイツ風の(?)ソースが掛かっていることから、食べ終わるま でそれとは気づかなかったのだが、一緒に昼食を取ったM. Brodmann先生の指 摘によって初めて春巻きとわかった。春巻きは奥が深いようである。

作業は昼過ぎで終わったのだが、お八つも出た。 お八つが何時に配給されるのかは一定しておらず、配給作業が始まった 時にたまたま席を外していたりすると、もらい損ねることもある。 通常はみかん2個とお菓子2品なのだが、今日はもらい損ねた。 悔し紛れにK川先生の分を半分巻き上げた。あとみかんもう1個と 田舎饅頭というのが付いていたようである。

たかがお八つ、されどお八つである。かつては経費削減の一貫として、採 点お八つがみかんだけになった年がある。勿論我々は抗議したのだが、当局は 我々の抗議を却下するための完璧な論理を準備していた。一般に理工学部の教 員は論理に弱い。つまり、論理的に詰められて反論の余地が無くなったときに 議論も交渉も終わると考え、大人しく引き下がるのである。

この状況を打開し正しいお八つを復活させたのは、おそらく文系学部の教 員だと私は信じている。私は彼らが抗議している現場を実際に目撃した。彼ら は理系の人間とは違って、論理的に煮詰まって議論に勝負が着いたところが、 交渉のスタート地点だと考えるようである。まさに理屈と膏薬はどこにでも着 くという感じで、猛然と屁理屈を並べ欲しいものを手に入れようとする。こい つらを敵に回したらとても勝てないな、と痛感したものである。

午後は、自家養成サクラI君の修論のほぼ最終チェックにかかりっきり。 夕方遅くやっと終了。

2004年2月13(金)
<<物色>>
本日午後一番から大学院春季入試の面接、引き続き判定会議など。その後、部 屋で例の公式の件で気になる部分を考える。その公式を使えば、私が本当に欲 しい公式に近いものが得られるはずなのだが、公式の長い長い証明で一箇所ど うしてもわからない部分があるのだ。証明が理解できない公式を使うわけには 行かないので、この数日ウジウジしていたのである。

色々考えてもわからないので、関係しそうな文献をMathSciNetでいくつか 検索して、図書館で物色しているうちに、偶然「私が本当に欲しい公式」その ものずばりが書かれていると思われる文献が見つかる。何と26年前、私が大 学に入学した年に刊行された有名な論文に出ていた。

2004年2月12(木)
<<語り部>>
嗚呼、今日も朝10時からエンジン全開で臨んだのに、仕事が少なかった。通 算採点枚数は4376枚どまり。午後の比較的早い時間に失業し、「明後日ま で来なくていいよ」とまで言われてしまった。そして明後日が入試採点の最終 日である。

「そういえば昔は入試の採点と言えば、全教員総出、かつ、日曜祭日返上 で朝から夕方までやったものさ。採点会場の熱気は相当なものだったし、せっ せと採点に励む先生達の側らで、採点基準だの問題の講評だのを熱く熱く語る、 というよりも吠えている先生も居たりして、「気分はもう軍艦マーチ!」って 感じだったさ。昼にはちゃんと採点食という、普段食べている昼食よりもちょっ と豪華で猛烈にボリュームが多いのが支給されたし、疲労が溜まってくる午後 には3時のおやつも出て、糖分を補給して一息入れて、さあ頑張ろうって感じ だったものだよ。そんな調子で、毎年採点期間が終わると2キロは太ったもの さ。勿論宗教上の理由で、採点食を拒否して自家製梅干弁当を食べている人も 居たし、甘い物が食べられない人も居たけれど、多くの人は採点食とおやつを 楽しみ、というよりは、心の支えにして採点に励んでいたね。入試の採点が半 日で終わってしまう今じゃあ、そんなの考えられないし、皆さんは 採点食って言ったって何のことだか分からないでしょうね。」と 昔を知らない若い先生達に語る古老、というのが近い将来の私の姿なの かも知れないな。いい時代を知っている私は、これからも「軍艦マーチの 時代」の語り部として、ひたむきに生きていこうとおもう。

採点後は自家養成サクラI君の修論のチェックを少し。しかし途中で、私 がやっているのは、内容のチェックばかりではなく校正まで含まれている事に 気づく。そして作業を中断してI君のもとに行き、「自分の原稿の校正ぐらい 自分でやれ!他人にやらせるとは何事か!」と一喝。


麺類セット:饂飩と蕎麦が選べる。今日は鯖の生姜醤油煮だが、鯖味噌煮と一日交代 させて小技をきかせるところが憎い。

えびフライ&豚生姜焼きセット:豚生姜焼きは注文してから焼き始めるので時間が掛かるが、うまさを考えると待つだけの甲斐はある。


ちらし寿司セット:刺身セットと一日交代。色々入っていて楽しい。

2004年2月11(水)
<<繁盛>>
建国記念日だそうである。恐らく多くの私立大学関係者がそうであるように、 私は立命館の教師になって以来、建国記念日が休みだった事は(ドイツ滞在時 を含めても)一度も無い。本日も入試採点。とは言え、今日もあまり仕事が無 く薄商い気味。通算採点枚数は3600枚にとどまったし、景気付けのために 入試に命を賭ける”真空放電する数学者”のすぐ近くで採点していたのに、異 様に静かで拍子抜け。どうも盛り上がりに欠けるなあ。

今日は近所の京都薬大の入試らしく、朝出勤するときは山科駅から鉄砲水 のように押し寄せる受験生の流れに逆らって鯉の滝登り気分で出勤し、帰りは 山科駅で切符を買うために長蛇の列に並んだりホームで溢れかえりながら電車 を待ったりしている受験生を押しのけ、やっとの思いで山科駅から出ることが できた。うーむ、京都薬大は繁盛しているな。まさに建国記念日というのは、 神社にとっての正月と同じで、「私大の興亡この一戦にあり」の書き入れ時だ な。ほんと、ご同慶の至りである。

夜は先日買ってきたデジタル・カメラを開封し、少し試し撮りなどを してみる。

2004年2月10(火)
<<宗教>>
朝から入試の採点。本日で通算2900枚採点したことになるが、1万枚には まだほど遠い。昼休みは、暇々に読んでいる某公式についての文献の勉強ノー トを書き進めたり、生協で4月のドイツへのフライトを予約したり。夕方以降 は、自家養成サクラI君の修士論文の原稿の添削。ちょんまげ天国のK川先生 が、I君の修論の進み具合を偵察に来たけれど、かなりページ数も増えてきて、 添削するのに結構時間がかかる。

ところで、ゲーテに行けば私のようなドイツかぶれは沢山居る。彼らはド イツに旅行する時は当然の如くルフトハンザ航空を使う。私もそうである。私 はイタリアに行った時も、ルフトハンザを使った。こうなるともう宗教である。 しかし、ゲーテの先生をはじめとして、Herzog先生なんかも、ルフトハンザは 使わないようだ。理由は「あまり安くないし、サービスもそれほどではないか ら」だそうである。そういえば、昔フランスかぶれの計算機屋やってた頃に乗っ たエール・フランス航空では、フランスワイン飲み放題だったけど、ルフトハ ンザではドイツビール飲み放題かというと、そうでもない。でも、ルフトハン ザは我々の宗教だから、乗らないわけには行かないんだな、これが。

それにしても、やっぱり忙しいなあ。昨日買ったデジタルカメラは、まだ 開封もしていない状態。

2004年2月9(月)
<<再雇用>>
入試採点予定日だったのだが、大学全入時代の前触れなのか、本日失業。野暮 用、文献読み、京都駅界隈にデジタル・カメラを買いに行き、久々のホテル京 阪ラウンジ、歯医者等々。

それにしても大学教師というのは何だかんだ言っても、時間の融通が利く 良い職業である。(入試の採点みたいに)朝から夕方まで缶詰になる毎日というのは、普 通のサラリーマンなら日々のありふれた風景でしかないのだろうが、大学教師 にとっては年に一度の異常事態である。講義の時間は厳密に拘束されるが、そ れ以外の自由な時間がいくらかある。その自由時間は、研究を完全に放棄して しまえば「あり余るほどたっぷりある」と感じられるだろうし、研究をやろう と思っていれば「いくらあっても足りない」のである。

「失業」万歳!でも明日は再雇用される予定。

2004年2月8(日)
<<軍艦マーチ>>
今日も朝から入試採点であったが、何故か仕事が少なく昼過ぎに終了。今日で 通算採点枚数2200枚。採点3日目なのに意外と枚数が伸びない。 「目指せ!一万枚プロジェクト」は既に見直しを迫られている。

ところで、入試に命を賭けている某同僚の、10年ほど前の真空放電ぶり には鬼気迫るものがあった。太西洋の南の無人島の地下にある、サンダーバー ドで知られている国際救助隊の秘密基地の跡地を借り受けて採点会場としてい たのだが(*1)、その同僚は、昔サンダーバード2号が格納されていた という(*2)だだっ広い採点会場の端から端まで響き渡る キンキン声で、問題の講評や採点基準に関する厳しい意見を、饅頭をエネルギー 源として毎日数時間に渡って吠え続けていたのを覚えている。立命館の入試問 題の質とレベルを支え続けて10数年。しかし、そのキンキン声も今はずいぶ ん小さくなってしまい、 少し離れているとあまり聞こえなくなった。 さらに、私の一万枚プロジェクトの先行きも危ぶまれている。さてはいよい よ受験生激減の大学全入時代の到来かと、心の隅に冷たい風が吹きすさぶ今日 このごろなのである。

やはりこういうものは勢いが大事である。私は大学卒業を前にして就職活 動をしていた頃、今や超一流企業となってしまった某ベンチャー企業に応募し ようとしたことがある。そこの創業者社長(当時)は、今でこそ好々爺然とし た感じになってしまっているが、当時はイケイケどんどん!の急先鋒で、社員 を集めてのパーティーのBGMとして、必ず軍艦マーチをガンガン鳴らし たそうである。軍艦マーチだと!?当時まだ若くて愚かだった私は、軍艦マー チなんてパチンコ屋(*3)以外では聞くものではない!と固く信 じていたため、この会社へ応募するのをやめたのである。

採点会場に轟きわたるキンキン声を失い、かつてのような膨大な答案の山 を失った今、採点会場に必要なものは軍艦マーチではなかろうか。。。んな訳 ないか。

さっさと帰って文献読みを続行。勿論、京都市長選挙の投票も行う。

*1:勿論ウソである。
*2:くどいようだが勿論ウソである。
*3: 当時パチンコ屋のBGMは日本全国どこでも軍艦マーチと決 まっていた。これは本当である。

2004年2月7(土)
<<賛辞>>
目指せ採点一万枚!と意気込み、昨日は1000枚、今日は950枚採点した ものの、どうも昨日比50枚減が気になるところ。何だか今日は仕事が少なく て比較的早い時間に開放された。この調子では目標達成が危ぶまれるな。さっ さと大学を去り、山科駅前Sbuxにて文献読みなど。

昼休みに生協で、立命館が誇る世界的漢字学者白川静大先生の「常用字解」 (平凡社)を購入。私は特に漢字が好きなわけでもないので、有名な三部作 「字通」「字統」「字訓」は(高価で大部なこともあって)パスしてきた。し かし、「常用字解」はコンパクトでお手頃価格というのともあって思わず買っ てしまい、採点現場の休憩時間に他の先生達に見せびらかす。それを眺めた先 生のひとりから、「退屈で苦痛な会議の時にパラパラと眺めて心のオアシスに するには最適の本」という賛辞があった。

2004年2月6(金)
<<前頭前野>>
言わずと知れた入試の採点である。立命館大学の数学の入試は穴埋め問題であ る。採点マシーンと化して仕事をしているうちに、ふと、これは何となく、 (老人性)痴呆の診断に使われる「かな拾いテスト」に似ているな、と気づい た。

「かな拾いテスト」とは、全文平仮名で書かれた簡単な物語のテキストを 与えられて、そのテキストに何が書かれているかに注意しながら、例えば「あ」 「い」「う」「え」「お」の文字が出てきたら全てチェックする作業を2分間 で行えというもの。いっぽう、数学の穴埋め問題の採点は、受験生の答案の束 を与えられ、答案に数学的に無意味な事や、誤りや、誤りに見えるけれど実は 正しい答が書かれていないか注意しながら、正答が出てきたらマルをつける作 業を1答案1問あたり数秒から10数秒で行えというもの。ほら、そっくりでしょ う。

「かな拾いテスト」は、大脳前頭葉の前頭前野とよばれる部位の働きを調 べるテストらしく、この成績は20代をピークに加齢とともに単調減少すると いう。脳は難しい事をうーんと考えている時は、案外ごく一部しか働いておら ず、割合簡単な計算(や音読)などをやっている時の方が脳全体が活性化して いるという研究結果もあるそうである。ということで、我々は年に一回缶詰に されて穴埋め問題の採点に励むことにより、老人性痴呆の予防も同時にやって いるのである。

それからもう一つ。国立大学の友人と時々、私立大の教師と国立大の教師 とどちらが忙しいか?の言い争いをする。勿論忙しい方が勝ちというルールで ある。その時どうも旗色が悪いのは入試の採点である。国立大の友人は、ウチ の入試は論述式で採点に手間がかかるし、論述式の採点が出来るのは数学者だ けだし、数学者は何人居て、受験者が何人だから、割り算すれば俺は今期ン千 枚の答案を採点したことになるんだぞ!と来る。こちらは穴埋め問題で個々の 採点は論述式よりも格段に楽だし、数学者以外の先生も狩り出して総出で採点 だし、さらに悪いことには、ウチの大学は矢鱈沢山入試をやって五月雨式に採 点しているから、結局一体自分が何枚採点したのかよほど注意していないとわ からない。これでは勝負にならないのである。何か言い返してやらないと、示 しがつかない。

そこで今年は自分が何枚の答案を採点したか、記録をつけることにした。 今度友人に会った時は、「俺は今期ン万枚(予想)の答案を採点したんだぞ。 それに、穴埋め問題とはいえ、大脳前頭葉の前頭前野をはじめとして脳全体が フル回転するんだ。お前らよりもよっぽど頭使ってんだぞ。参ったか!」と言っ てやろうかと考えている。

2004年2月5(木)
<<能天気>>
野暮用にて朝早くから京都を離れ、夜帰宅。近鉄特急の中で少し文献を読んだ り、居眠りをしたり。

昨夜布団の中でよく考えてみたら、2月は通常よりも日が少ない上に、入 試の採点等での拘束時間は、通常の開講期間の講義等による拘束時間よりも5 割程度多い。さらに入試の判定会議や修士論文の指導、公聴会などが加わる。 情報学科時代に比べて、入試採点の仕事が格段に重くなったが、それ以外の仕 事(卒論、修士論文の指導や公聴会)が少し楽になった。いずれにせよ、いつ もの月よりもうんと忙しいのである。この状態を指して同僚教師達は受難の月 だと言っているのであろう。

私などは毎年、「一週間程入試の採点で缶詰になるのを我慢すれば、それ 以外は自由な研究時間が確保できるし、2月はいい月だな。他の先生達は何で あんなにブツクサ言ってるんだろう?」などと思いながら、あれ?!もう3月 になっちまった、おかしいなーって感じでやってきた。思えばずいぶん能天気 だったわけである。

2004年2月4(水)
<<指が覚えている>>
たっぷりあるようで案外少ない2月の研究日その1である。午前中は野暮用の 後、Webでドイツ語ニュース漁り。午後は文献読み。文献に書かれている結果 を使って自分の欲しい公式を導いてみたけれど、あんまり綺麗な形にはならな い事、つまり、類似のコホモロジーでは成り立つ公式が、別のコホモロジーで は成り立たない事情がよく分かった。ついでに、以前から証明を知りたかった 別の公式についても、分かってしまった。分かったからどうだと聞かれると、 まあそれだけの事さとしか言いようがないのだけどね。

私は勉強するときTeXで英文でノートを書く。手書きノートだと汚い字で読 み返す気が起こらないし、日本語と数式で仮名漢字変換をONしたりOFFし たりする操作を繰り返すのが面倒だからである。いつかこのノートをドイツ語 で書けるようになりたいものだ。それと、ワープロばかり使っていると漢字を 忘れるというけど、英語の単語はキーボードを叩く指が覚えているから、案外 忘れないような気がするな。ついでに、私は漢字を絵として覚えているから、 ワープロを使ってても漢字は忘れないでいる(つもり)。(でも、ボロが出る といけないから、英単語と漢字の書き取りテストは当然拒否します。)

2004年2月3(火)
<<全力疾走>>
自家養成サクラI君の修論の添削と、先日の4回生配当可換環論・代数幾何学 入門講義(正式名称は「計算機数学続論II]および「数理モデル論」)の試 験の採点のため、昼過ぎに出勤。

採点結果はA+判定1名、A判定1名、B判定3名、C判定3名、不合格 5名。不合格者のうち4名は正真正銘の零点。残る1名は限りなく零点。私は 割合採点が甘いほうだけど、零点は絶対通しません。

2月は(O坂先生のように)全力疾走で駆け抜ける。金曜日から入試採点 で缶詰。やっと開放されて一息ついた時は、もう2月は終わろうとしているこ とだろう。気をしっかり持って臨まないといけないな。

2004年2月2(月)
<<建物の風格>>
本日午後は野暮用の一貫として、同志社大学今出川キャンパスに潜入し、隠密 調査活動に励む。別に子供が同志社を受験するとかいう話ではないし、立命館 の上層部から「ライバル同志社の動向を探ってくるべし」という特命を受けた わけでもないんだけどね。

京都御所を前にした今出川キャンパスの美しさと立地の良さは、学生時代 からいいなあと思っていたけど、赤レンガの建物にも風格があって、いいです ねえ。

そういえば自宅の近くに京都薬科大学がある。学生時代の私はこの薬大の 隣に下宿していたので、薬大生の生態についてはちょっとだけ詳しいのである。 この大学は最近新しい建物を建てたのだけど、それがとても重厚にして優雅な デザインで気に入っている。

私は建物の風格を大切にするという発想はとても大事な事だと思っていて、 別に深い根拠があるわけでもないのだが、キャンパスに立ち並ぶ建物の有様に その大学が学問をどれだけ大切に思っているかが表れるのだと信じている。そ う思うと、特にウチの大学の琵琶湖キャンパスの安っぽい建物には気 が滅入るものが無きにしもあらず。

最先端だ!新取りの気風だ!新展開だ!そして、ダイナミック・アカデミッ クだ!というのは手前味噌ながら本当だと思うし、立命館は学問を大切にする 大学であることも確かだと思う。しかし、そこはかとなく漂うあざとさや落ち 着きの無さは、キャンパスに次々と作られる機能一辺倒の味気無いデザインの 建物によく表れているような気がするのだ。建物の風格を大切にしないという ことは、学問の風格もないがしろにしているということではないか、 という気もしてくる。

てなことで、今日はほとんど数学はさぼり。

2004年2月1(日)
<<役立たず?>>
晴天の冬の日。午前中はドイツ語Webで少し遊んで、午後はまだ開放さ れない歯医者へ。その後は数理研でコピーしてきた文献の精読。

日本の企業では「55歳以上の人間は役立たず」という固定概念が あるらしく、私ぐらいの年代の人はそろそろ10年後を睨んで独立の 道を模索するそうである。事務系の人達なら司法書士、税理士等の資格 試験を受けたり、法科大学院に社会人入学して弁護士を狙ったり、技術 系の人達だと博士号を取って大学教授への”華麗なる転進”を図ったり するそうである。

さすがに大学が「55歳以上の人間は役立たず」という固定概念に 縛られる事は無く、むしろそういう世代の人達が日日元気一杯になに やかやと活躍されている。でも、大学も会社と同じで潰れることもあ るわけだし、そういう時のために何か備えておこうかと思っても。。 。やはり研究に励む以外に何もする事が無いな。