4月21日(金)
体調回復。ゆうべは[以下敬称略]志村五郎のギャル風の娘に「え?高山先生携 帯電話持ってないの?カッコワルーイ!」と言われて「馬鹿もん!カッコイイ とかカッコワルイという問題ではなかろうが!大体、おとうさんの五郎先生が 携帯なんか持つとるか!?数学者に携帯は不要じゃ!」と憤慨したところ、彌 永昌吉風の老紳士が出て来て「ま、父親と娘は別物ってことですな。」なんて わかった風な事を言うので、ますます憤慨する夢をみた。[以上敬称略] とこ ろで、志村五郎大先生にギャル風の娘がいるかどうか、私は知らない。また数 学者と携帯電話の関係は、微妙であろう。エルデス大先生が携帯電話を持って いたら、きっと時と場所を選ばずあちこちの数学者に電話を掛けまくって「君 の頭は営業中かね。ところで、pを素数として....」てな調子で共同研究した 事であろう。

若い先生の中には、優秀な学生を見つけ出して、個人的に指導している人 もいるようだ。数学は自分で問題意識を持って、独自に勉強する事が大事だか ら、力のある学生にとっては良い事であると思う。そうやってして、将来の数 学者が育てばなによりである。その先生自身も、学生から刺激を受けて自分の 励みになるらしい。しかし、学生時代に先生に目を付けられるほど目立ってな かった人でも、いつの間にか物凄く偉くなったりするところが、数学の世界の奥 深いところでもある。

私は、と言えば、表向きには「学生を自分の趣味で変な方向に導いて、結 果的に本人の才能をゆがめるような事があってはならない」というもっともら しい理由から、そして本当のところは「学生と自分は全く違う世界の住人であ る」という情報学科時代の気分が未だ抜けないため、講義や卒研ゼミ等の公的 な場所以外で、学生諸君と学問的つき合いをしたいという一般的な欲望は持っ ていない。(別につき合いたくない、とも思っていないが。)妙なもので、数学 科で優秀な学生を見ても情報学科の学生と錯覚してしまい、反射的かつ無意識 に「ああ、この人は将来画像処理か通信関係という、私とは無縁な世界に進む んだな。よって縁無き衆生(エルデス大先生風に言えば『凡庸な生き物』)である。」 と思う癖がついている。立命館情報学科の優等生は、画像か通信をや ると決まっているのである。この情報学科後遺症は、しばらく抜けそうにない。

夕方、こないだ卒業した元学生が、会社紹介だと言って、私の研究室に来 る。顔は覚えているが、名前は覚えていない。で「ところで、去年の卒研に○ ○君っていたよね」「はい、それが私です。」「ああ、そうでしたか。」なん て間抜けな会話をした。卒業式からまだ1ヵ月しか経ってないのだけどなあ。

朝一番で初等組合せ論、午後から中等組合せ論の講義。今日までの数学科 の学生達の総合的印象は、「何人かは本当に数学を楽しんでいる。うち何人か はかなり優秀。まるで何もわかっていない学生も少なくない。」といったとこ ろ。「まるで何も...」組の諸君は、文字通り何もわからないようだ。パソコ ンが少しいじれれば、何とかゴマカシが効いて勉強した気になれる情報学科と 比べて、かなり厳しい現実があるように思う。

講義の合間は、 Stanley-Reisner環でGolod環になっているものの例について、シコシコ計算を 進める。

4月22日(土)
昼前に京大へ。ルネで昼食後、中央図書館でGolod環のresolutionをいくつか 計算。その後Goethe-Institutでドイツ語のビデオを借り替える。 夜はそのビデオと録画しておいた「ショムニ」を見る。

寝る前の読書。「ファイナンスのための確率微分方程式」は著者があらかじめ 断っている通り、まったく数学書の書き方をしていない。読んでいるうちに気持ち悪 く なってきて、最近ちょっと持て余し気味である。数学的にきちんと書けば、たぶん数 倍 の厚さの本になるだろうが、分厚くて気持ちの良い本を読むか、薄くて気持ち悪い本 を 読むかは迷うところである。

で、数日前から口直しにDavid Hilbert "Theory of Algebraic Invariants" に手を出している。以前「若者よ、古典を読め!」と書いた時に、勢いと思いつきだ けで(!) 挙げた本である。実は不変式論は永田雅宜大先生のヒルベルト14問題の反例の話な どから、学生の頃より興味を持っていて、もし大学院に進学したらやってみたいと 思っ ていた分野である。しかし、古典的な不変式論の本を覗いてみると、鬼のような 計算が延々と展開されていてちょっと引いてしまうし、不変式論の現代的展開 とされているD. Mumfordの"Geometric Invariant Theory"はScheme論をまだ 勉強してなかったので手が出せず、という状態が今日まで続いてきた。

しかし、歳を取ると古典的な不変式論も悪くない気がしてくる。計算ゴリゴリ、 おおいに結構!今なら鬼のような計算の意味するところがわかるし、代数幾何学 との関連も何となく見える。Hilbertの講義録は割合丁寧に書かれているので、 複雑そうな計算も実は暗算で十分追え、電車の中や、寝っころがって読むのには ちょうどよい。それに私が今やっているイデアルの自由分解やコホモロジ―の計算に 関連する、Hilbertのシチジー定理やHilbertの基底定理などのルーツは全てHilbert の不変式論にあるそうだから、その辺の興味もある、というわけである。

4月23日(日)
朝から昼まで町内会のドブ掃除。町内会は、数年前に町内会長に無理矢利 祭り上げられてヒドイ目に会って以来、情報学科と並び(あるいはそれ以上に) 不条理極まりない世界として忌み嫌っているのだが、ドブ掃除は別である。

小学2、3年生ぐらいの頃、掃除の時間のドブ掃除を最大の楽しみとして 学校に通っていた時期があった。「ドブ掃除の高山」の令名は小学校中に 響き渡り、全ての教師は「この子は将来きっと立派なドブ掃除人になるに 違いない」と目を細めていたのであった。かような経歴の私としては、ドブ掃除 と聞いて血が騒がないはずがないのである。しかし、ちとくたびれた。 長期休み明けの最初の1日に講義4連発!ぐらいくたびれた。

夕方、野暮用にて衣笠キャンパスに行く。92,93年の2年間居ただけだが、 なつかしの衣笠キャンパスである。当時の私の研究室は、現在の洋洋館の6階 にあった。今は改装されて女子トイレ(!)になっている。

4月24日(月)
昼前に大学へ。今日も静かな、あまりにも静かな一日であった。昼食時、情報 学科Y先生と途中まで一緒になり、「数理科学科はどうですか?」と聞かれた ので、「天国です」と答えておいた。昔会社から立命館の情報工学科に移った 当初、元会社の上司と会って「大学はどうですか?」と聞かれたことがある。 このときも「天国です」と答えた。 当時は、後に情報学科が私にとっての 生き地獄になるとは、想像もしていなかったのである。数理科学科が 地獄にならない事を祈るばかりである。

土曜日にやっていた計算を続行。Golod環のEagon resolutionはやってみる と案外簡単とわかる。trivial Massay operationの意味もわかってくる。同じ 例をDG-algebra/module resolutionの方法で計算し始める。「ファイナンスの ための確率微分方程式」は放置され、通勤時など「空いた時間」はもっぱら "Theory of Algebraic Invariants"を読み耽る。この本は面白い!

以前から、来年度の卒研ゼミのテーマを何にしようかと色々迷っていて、 方向が決まらない。今すぐ決める必要はないが、あと数ヵ月以内に決めなけれ ばならない時が来るだろう。

大学院まで射程に入れて、まともに数学を指導するとなると、私の専門か らすれば、当然可換環論か可換環寄りの代数幾何学の入門書から始めることに なる。しかし、卒研ゼミでイデアルの定義だの、準素イデアル分解だの、 Hilbertの基底定理や零点定理などをチマチマやって、代数多様体の定義や、 次元論や双有理変換や曲線の特異点のブローアップなどウダウダやるのは退屈 である。学生が大学院に進み、話が面白くなるところまで進むのなら我慢でき るが、結果的に誰も進学者がいなければ、私としては「踏んだり蹴ったり」と いうのは言いすぎだが、あまり楽しくない。この意味でリスクの大きい路線で ある。

卒研生が全員外に出ると踏んで、可換環論や代数幾何なんてやらずに、組 合せ論の中から、超平面配置だの、ヤング図式だの、凸多面体の組合せ幾何だ のといった一品料理を選んで、(私にとっての)趣味と実益の世界に走るという 手も考えられる。この路線は私にとって魅力的である。しかし、もし大学院進 学者が出た場合は、ちと厄介である。学生が組合せ論でも可換環論との関連分 野に進んでくれれば大いに結構だが、組合せ論プロパーを目指されると、ちょっ と私の手には負えなくなる可能性がある。これもまたリスクが大きい路線であ る。

リスクをヘッジするためには、卒研のテーマは組合せ論としておいて、進 学希望者がもし居れば「可換環論か代数幾何をやらないのなら他に行け」と言 い、それでも良いなら進学決定後に別途その方面のゼミをやる、という手もあ る。あるいは卒研では一応代数幾何、可換環論の面白いトピック(モジュライ 理論や代数多様体のさまざまな具体例など)を中心とした完備ではないがコン パクトな入門書を使い、大学院進学者が現れたらコンパクトではないかも知れ ないが完備な教科書で別途ゼミを開く、という手も考えられる。

いずれにせよ、来年度の卒研配属を決める時に日本に居ないのだから、 やりにくい。

4月25日(火)
昼間前に大学へ。昨日の計算の続きを行う。昨日までの計算で、Eagon resolutionは定式化はとても不思議な形に見えるが、実際はすっきりしたもの であるとわかった。しかし、S. IyengarによるChange of Ringsによる DG-algebra/module resolutionは、話はすっきりしたように見えてとても良 い方法に思えたが、実際のところはかなりミステリアスである。 S. Iyengarの原論文を見てみることにする。

16時前から「人身御供殺人会議」。これは、殺人会議で毎回大量殺戮を 行うのはちょっとひど過ぎるという事で、半分ぐらいの会議は各教室から1〜 2名程度の人身御供を出して、それで済まそうという制度である。今年の前期 はこの人身御供の役になっいる。幸い今日は1時間ちょっとで終った。

今日も静かな一日であった。大学において静かな日々は長くは続かない、 というのが経験則である。今のうちにできる事をやっておこう。

4月26日(水)
昼前に大学へ。計算はひと休みしてS. Iyengarの論文を読み始める。Avramov を読んでいて私が見出した問題、というか疑問に思った事の大半は、既にこの 論文で扱われているようだ。嬉しいやら悲しいやら。

午後から外書購読、大学院推薦入試面接と合格判定会議および教室会議。 数学教室の院試面接では、学生が思い詰めたように「私は研究者になりたいで す」と言い、教員が厳しい表情で「研究者への道は極めて厳しい。よほどの事 が無い限り無理だと思ってください。」なんてやり取りがあると聞いていたが、 そういう事もなかったので拍子抜けである。もっとも今年は志願者多数満員御礼で数学 コースと応用数理コースに分かれて面接を行い、私は応用数理コースで面接を したからかもしれない。数学コースの方ではどうだったのかしら。

そろそろP先生とのHartshorn "Algebraic Geometry"のゼミを再開しなけれ ばならない。代数多様体は昨年度終ったので、今年度はスキーム論をやる予定。 代数多様体の部分だけでも、イデアル論と関係が深いから可換環論の具体例を 考える時にずいぶん役に立つ。でも、スキーム論を層のコホモロジー論までや れば、局所コホモロジーなど現代的な可換環論の理論そのものとの深いつなが りが出て来ると思う。例えば、可換環論の言葉で書かれた局所コホモロジーや 標準加群(canonical module)は知っているが、それを代数幾何の言葉で言うと どうなるのか?つまりそれらは幾何学的にはどういうものなのか?がわかると思 う。

慣性の法則みたいなものがあって、可換環論をやっている時はなかなか代数幾 何をやる気が起こらず、つい先送りしてしまう。逆に代数幾何をやっている時 は、なかなか可換環論に戻る気が起こらない。今日から代数幾何ゼミの準備を しようと思っていたが、結局逃避してしまった。

4月27日(木)
午前中に大学へ。講義ノートをちょっと見直して昼から微積分の講義。そして 夕方には情報学科4回生配当の暗号の講義。間もなくゴールデンウイークであ る。この期間には代数幾何ゼミの予習として、層とスキームの演習問題を解く つもりである。そういえば、数理科学科に移ってからは数学一色の生活になり、 周りの雰囲気もそれに合ったものであると思う。大変よろしい。

微積分の講義の後、質問に来た学生が数名。3回生も居るらしい。そうい えば、3回生の外書購読で見掛ける学生もいた。何だかよくわからん質問であっ たが、明らかに情報学科の学生と雰囲気が違う。よろしい。こういう事の積み 重ねによって、情報学科における8年間ですっかり学生に対してとざされていた私の心が、少しずつ開かれていくのであろうか。

暗号の講義は、毎回一番前でノートを取っている数学科の●□君だけが わかればそれでいいやと思って、余計な説明はせずに淡々かつ粛粛と講義して いる。

ところで、そろそろ数学科の学生向け談話会で話をしなさい、というお達 しが来ている。数学科2回生レベルでもわかり、かつ、面白さが伝わる話を準 備するとなると、結構大変である。素人向けの局所的なトピック -- それは組 合せ論の問題だったりする --- で誤魔化す手もあるが、それでは可換代数的、 あるいは代数幾何学的背景が伝わらない。つまり、私が何故そういうことを面 白がってやっているかが伝わらない。しかし、背景も含めた全容を話すとなる と、自分のやってきた、やっている、やろうとしている事を総括しないといけ ない。実際計算機から数学に転向して数年、無我夢中でやってきたという感じ で、「私は何処から来て、何処に居て、何処に向かっているのか?」が整理さ れていないのだ。まあ、この機会に一度整理してみるか。

4月28日(金)
早朝から大学へ。今日は朝一番で情報学科の初等組合せ論の講義、そして午後 から数理科学科の中等組合せ論の講義。今日は初めて朝一番の講義で雷を落す。 小さいのを2つばかりと、大きいのを1つである。理由は私語。

連休の仕事は沢山ある。代数幾何ゼミのための演習問題解き、微積分の講 義の準備、そして談話会を機会にまとめ始めた私がやっている数学の解説ノー トの作成。D. Hilbertの"Algebraic Theory of Invariants"を読むこと。3分 の1ぐらい読んだし、途中で放り出すとわからなくなるので、中断したくない。 そしてS. Iyengarの論文読みやドイツ語の勉強。こんなに沢山の事が1週間ちょっ との連休中にできるとは思えないけど、やむおえない。やむおけなければ、仕 方がない。

講義の合間は談話会のための解説資料作りに励む。

4月29日(土)
昼前に大学へ。生協が休みなので、山科駅前ラクトで昼食を買う。このラクト の大丸は明るく賑やかで色々珍しい物も売っていて、大変華やかな雰囲気なの で大好きである。こういう事を言うと20年ぐらい前だったら「資本主義の豚!」 (これは「権力の走狗」と並んで私が好きな言葉の一つである)と罵られたかも 知れないが、「資本主義の勝利」というのはこういう所に具現化されていると 思う。用が無くても、開店時間中に近くを通るときは必ず店の中に入り、あちこ ち眺めながら通り過ぎることにしている。散歩の折でも、わざわさラクトまで 行って、何も買わずに帰ってくることもある。

ラクトのファンは私だけではないようだ。何故か大学の帰りに数学教室の 某先生が山科で途中下車して、食料品売場あたりをぼーっとしながら怪しい雰 囲気を漂わせながら歩いているのを目撃する事がある。

山科駅で突然赤ん坊連れの若い母親に「湖西線はここで待ってればいいので すか?」と聞かれ、デタラメ答えてしまう。近くのオバチゃんが訂正してくれ て事無きを得る。少なくとも駅のホームで待っている私は大抵放心状態か何か 考えているかのどちらかだから、いきなりモノを尋ねるのは間違いである。背 中に「今、私にモノを尋ねるな!」と紙でも貼って歩こうかしら。

談話会の資料作りと称してでしばらく「逃避行動」した後、代数幾何のいくつかの 教科書を眺めて代数幾何モード気分を高め、意を決してHartshorn "Algebraic Geometry"の演習問題に取り組む。エイヤッ!と入り込んでしまえば、すぐに 「代数幾何以外はやりたくない気分」にはまってしまうのだから、ほとんど二 重人格のようなものである。今度可換代数プロパーの話に戻る時がまた大変だろう。

S先生はゴールデン・ウイーク第1日目なのに、大学に来てシステム管理を やっていた。よほど計算機いじりが好きなのだろう。例によってメイルサーバ がどうの、NISの設定がどうの、という話をひとしきりしてきたが、私は代数 幾何演習問題解きモードなので気の無い顔して聞いていたら、「(俺の話に)全 然興味が無いみたいだな。」と寂しい微笑を浮かべて帰って行った。S先生の 話し相手として、今やWindowsの鬼にしてパソコンおじさんと化しているN先生 が居るが、UNIXに詳しい誰かほかの人もあてがわないといけないような気がす る。

公認サークル「数学研究会」は盛り上がっているようだ。ちょっと覗いて 見てみたいような、みたくないような。一応A先生の話とHPを通して「内偵」 は続けているが。でも、自分は単に飲み会に行く口実を作りたいだけなのかも 知れない、という気もする。数学教室は年に一度、入試採点の打ち上げの時し か飲み会をしないようだ。これはちと少な過ぎる。

4月30日(日)
昼前まで寝る。また変な夢を見た。Hilbert "Algebraic Theory of Invariants"を読 んでいる うちに、ある問題を見つけ、それが案外きれいに解けてしまったので、 すぐに論文にまとめて割合有名な雑誌に投稿してしまった。ところが、投稿直後に考 え直 してみると、自分の解いた問題は、古典的な不変式論に属するもので、今の文献には 出てないかも知れないが、19世紀あたりに誰かが必ず考えて解いているはずのもの だ という気がしてきた。きっと古い文献をひっくり返せば、どこかの教科書の例題に 出ているに違いない!ああ、何だか馬鹿な論文を書いてしまった!とあわてているう ちに、 自分の証明は、誰だってちょっと考えればすぐわかる、演習問題レベルのトリビアル なもの であることがはっきりしてきた。あんな有名な雑誌に投稿するなんて、何て馬鹿な事 をしてしまったんだろう!といよいよ肝を潰しそうになって!... 目を覚ました。 こういう時に、悪夢を笑い飛ばしてくれるような青空だといいのだが、生憎 今日は曇天。気分の悪い目覚めであった。

昼は訳あって膳所の西武百貨店のロフトで買物。その後、ドイツ語のテープを 少し聞き、 夕方は訳あって、またぞろ衣笠キャンパスへ。図書館のパソコンコーナーでは、大勢 の 学生達がパタパタとキーボードをたたいていた。おいおい、GWなのに何でこんなところでパタパタ とお勉強じみた事をやってるんだ?BKCはメディアセンターも閉館になって、 カラスと野良猫が留守番しているのに!上記一連の活動の合間(主にバスや電車を 待っていたり、 乗っていたり、歩いていたりする間)にHartshorneの演習問題のいくつかを考える。

夜は、Eisenbud & Harris "The Geometry of Schemes"のFlat familiesのところ を少し眺める。Groebner基底を計算して、イデアルに対して原始イデアル(initial ideal) を取ることは、代数幾何学的にはファイバー空間のある種の幾何学的操作に対応 しているらしい。