のび太のメタ笑い


この人は笑い声を除いて実に影が薄い。この人の笑い方は「メタ笑い」と呼ば れる。「メタ」とは、Metamathematics とかメタ・プログラミングの「メタ」 である。
なんとなく状況にそぐわない、ちょっと高めのトーンを出すので、遠くから見 ていると全然話の脈絡に関係なくエヘラエヘラと笑っているように思える。そ の辺のところを「ああ。メタやなー」と感じ入ってしまうのである。また面と 向かっていると、なぜかメダカと話しているような気分になる。別に「す くいようが無い」といった高級なレトリックを使っているのではなく、精緻で はあるが限りなく軽い存在を感じてしまうのである。この人は、どういう訳かいくば くかのルサンチマンを胸に抱きつつ、比較的早い時期に静かにICOTを去った。