ソフトウエアサイエンスは何処に行くのか?
 
僕は数年前までソフトウエアサイエンスをやっていた。「ソフトウエアサイエンス」ってのは かなり新しい名前のようで、昔はプログラム理論だのソフトウエア基礎論だのと呼ばれていたと思う。 1980年代に大きく発展して、それ以前のプログラムの検証や自動合成を中心に研究されていた 「プログラム理論」とはどうも感じが違うという事で、「ソフトウエア基礎論」っていう言葉が使われる ようになったと思う。「ソフトウエア基礎論」は、数学基礎論に対応するものとして考えられた 言葉ではないかと思うが、机の上で基礎理論だけを論じるばかりでなく、かなり実践的な応用も含めて 研究されるようになってきて、「基礎論」のままではまずかろうという事になり、「ソフトウエアサイエンス」 という名前が生まれたのだと想像している。僕自身は、つい最近「ソフトウエアサイエンス分野の 研究者募集」という某大学の教員公募で始めて知った名前である。
名前はまあカッコ良く(?)なったのだけど、この分野から足を洗う直前には、 この学問が一体何を目指しているのか、どこへ向かって行けば良いのか よくわからなくなっていた。