ヒューマンインターフェイス中間試験問題2010年度

1.インターフェイスにおける対応付けの重要性を「車のハンドル」を具体例にあげて説明せよ。
2.インターフェイスとヒューマンエラーの関係について例を挙げて説明せよ。


解説

1.
「対応付けが適切でないと事故が起きやすくなる」という表現をする人は多かったが適切ではない。「エラーが起きやすくなる」結果として「事故が起きやすくなる」かもしれないが、ヒューマンエラーについて触れずに「事故が起きやすくなる」だけでは、ヒューマンインターフェイスの試験の解答としては表現があいまいで不正確である。また、対応付けが適切だとどういう点でよいのか(逆でも可)を明確に書いていない解答が目立った。また、相変わらず「ミス」と表記する人が多く、減点している。
平均点は14.7点。まったくできていない人はほとんどおらず、6点が2名、9点が8名。その一方満点は12名のみ。あまり大きな差がつかなかった。


2.去年に引き続き出題。「人は必ずと言っていいほどエラーをする」と書いている人がいたが、これは不正確で、「必ずエラーをする」が正しい。正しい理解をしていないのか、理解しているけれども日本語表現が不正確なのかはわからないが、減点している。「エラーを生じない機械は存在しない」というのもおかしい。ヒューマンエラーは機械の問題ではなく、人間の問題なのだから。基本的に多少文章がおかしい程度であれば減点はしないが、内容において重要な部分で表現がおかしいものは減点している。「例を挙げて」というところも、単にヒューマンエラーの例を挙げただけでは不十分である。「インターフェイスととヒューマンエラーの関係」に関する例を挙げるようにというのが問題なのだから。当然機器操作ではない例も不適切。また漢字の間違いはたくさん見られるが、通常は減点していない。しかし、「論理的」と書くべきところを「倫理的」と書いている答案は1点減点した。単なる漢字間違いなのか、本当に「倫理的」だと思っているのかの区別がつかなかったからである。
過去の解説でも述べているように、2つのミステイクと1つのスリップは単に「ヒューマンエラーが論理的である」ことの具体的な事例として挙げているだけであり,こればかり長々と具体例を挙げて説明しても良い点はつけられない。何度も強調するが、出題は「インターフェイスととヒューマンエラーの関係」についてであるのだから、インターフェイスと無関係なヒューマンエラーの話は採点にはあまり反映されない(つまり多少は加点しているが、加点の最大値は小さい)。どこが重要な点なのかを理解せず、レジュメや講義の内容を暗記して書こうとすると、そういう解答になってしまうのだろう。
平均点は12.8点/20点満点.少し甘めに採点したのだが、それでもこの低い平均点は問題。満点は25%の一方10点未満も29%と、できている人とできていない人の差が大きい。ヤマをかけてはずして、全く違う内容の解答が1名。もちろん0点です。ヤマをかけて、他の問題を勉強しないという時点でもうダメでしょう。その他、2点が2名、4点が2名。


なお,どうしても中間試験を受けられなかった人にはレポートを課した.

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Last modified: Tue Aug 3 2010