ヒューマンインターフェイス中間試験問題2012年度

1.ヒューマンインターフェイスにおける概念モデルの重要性に関して説明せよ。
2.インターフェイスにおける対応付けの重要性を「電灯のスイッチ配置」を具体例に挙げて説明せよ。


解説

1.予想よりできがよかった。その中でも表現が正確ではない解答が見られた。たとえば、「概念モデルとは・・・その機器の操作方法を頭の中でイメージするものである」という解答があったが、操作方法だけをイメージすることではなく、操作方法と結果との関係をイメージすることであり、表現が正確でない。また、「概念モデルは、どのような操作をすれば、どのような動きをするということである」という解答もあったが、「頭の中で作ったモデル」「シミュレーション」であることが明確に書かれていないと、正確に理解していないように判断せざるを得ず、加点がしにくい。
また、毎回のことだが、解答の大半を「3つの概念モデル」について書いている人がいるが、「概念モデルの重要性」という質問からすると、それだけで満点にはできない。講義で学んだことのどこが重要なポイントかを理解していないようである。同様に、長々と冷蔵庫の例を書いている人もいたが、これも一部だけ加点しているが、その大部分は加点対象外である。最も的確に解答している人は、7行程度の解答で満点になっていた。どこが最も重要なポイントであるかをきちんと理解した上で、そのポイントを的確に書くことを覚えてほしい。このことは実は、就職等での面接にも全く同じことが言える。質問に対して、短く的確に答えられれば評価が高いが、正解であったとしても長々とした回答では評価が低くなる傾向にある。今回の試験では、加点式採点をしており、あまり重要でないことを長く書いてもらっても減点はしていないが、ぜひ重要なポイントを的確に回答することを覚えてほしいと思った。
ヒューマンモデルとの混同が1名、アフォーダンスについて書いている人が1名。この両名が0点。また、日本語の文章を書かずに、体言止めなどのメモ書きを、矢印や括弧でまとめたようなものは、テストでもレポートでも解答としては不適切であることを、3回生になってもまだ理解していない人(1名)がいるのは驚きです。述語のないメモ書きなどは全部減点です。日本語の文章を書いてください。この人の解答は、キーワードはきちんと書かれているので、日本語文章で書いていれば19点であったが、メモでしかないので10点しかつけていない。なお、すでに書いたところに、あとで加えるべきことを思いついた場合に、文章の途中に単語や文章を挿入するようなやり方は、例外的に認めている。時間がないので、消して書き直せなどと言うのは無理だから。
平均点は14.8点/20点満点。近年のなかでは今年はよくできていた方だと思う。特に満点が23名いるのはよい。その一方10点未満は13名。


2.例についての説明ができているだけでは、「対応付けの重要性」を説明したことにはならない。この講義のキーワードを使いながら、どういう側面で使いやすくなるのかを正確に書いてほしい。「対応付けができていない場合に、レベル・印等をつければよい」という解答が複数あった。一部だけ加点したが、それではよい答えではない。「対応付けがうまくできれば、レベル・印等は不要である」ならばよいのだが。対応付けが悪かった場合に、「エラーをしやすくなる」と答えられている人は多かったが、それ以外の面での問題点をきちんと回答できている人は意外と少なかった。
平均点は14.4点/20点満点。0点は3名、満点は17名。10点未満は13名。


なお,どうしても中間試験を受けられなかった人にはレポートを課したが、指定した期日までに提出がなされなかった。

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Last modified: Thu July 5 2012