福祉インターフェイス論期末試験問題2019年度

1.DVD内蔵型テレビの操作性についてヒューマンインターフェイスの観点から論ぜよ。なお、DVD内蔵型テレビとは、HDDとブルーレイ/DVD/CDドライブを内蔵しているテレビで、ブルーレイ等の再生、番組の録画等ができるものとします。
2.障害者や高齢者のための福祉機器を製作したり選定したりする際には、機能(すなわち、できなかったことができるようになること)を基準にするのではなく、QOL(Quality of Life)向上を基準にすべきである。具体例を1つ以上挙げて、この点を詳しく説明せよ。


解説

1.ほぼ同じ問題を2004年度に出題していて、その解説も公開していたので、古い時期まで過去問を見てしっかり勉強した人には簡単だったはずの問題である。しかし、それにしては2004年度の解説に書いておいた、最大の特徴である「配線がいらないこと」に関して書いている人は3割弱と少なかったので、大多数の人は読んでいないのかねえ。それでは十分に試験勉強をしたとは思えません。折角解答のヒントになるだろうからと毎年解説を書いて公開しているのにねえ。参考にしてくれていないのでは悲しいねえ。まあ、予想していたことではありましたので、2004年度の解説を消さずに公開したままにしておいたのですけどね。
 全体に、可視化と制約に関して正しく指摘できている人がたいへん多くて安心した。機能が多すぎるという問題を可視化と制約の観点から正しくもれなく指摘していれば、最大で19点加点したのだが、ちょっと加点を甘くしすぎたかと後悔している。その反面、対応付けに関して書いている人も多かったが、この問題では対応付けの重要度は低いので、たとえ正しいことが書かれていても加点はしていない。フィードバックは最大3点しか加点していない。
 この問題はイメージしやすいのか、例年に比べて突拍子もない誤答はほとんどなかった。

平均点17.7点/30点満点。満点は3人のみと意外と少ない。可視化や制約については書けていても、それ以外のところの加点をあまりもらえていない人が多く、このことが満点が少なかった理由だろう。0点はゼロ。10点未満は9名のみ。

2.過去に出した問題とほぼ同じ問題を出すよ、と言ったからなのか、やけに「高齢者用車いすと障害者用車いすの違い」や「手動車いすの使用者に合わせてサイズを変えたり、パーツを変えたりすべき理由」に関して書いている人が多い。これらの話は主として機能がどうあるべきか、という話ですから、これらを書いてどんなにそれが事実として正しくても1点も加点できません。これだけ出題のヒントを挙げているのに山をかけて外れたんなら単位が取れなくたって仕方がないよねえ。なぜ公開している過去問をすべて見て準備しないのでしょうね。山をかけてそれしか勉強しない程度の勉強量で単位を得ようとすることこそが間違っています。
 今回は2014年度及び2013年度に出した問題ですね。ですから、その時の解説を参考にしてもらえばいいですし、講義中も何度も強調してこの話をしたのですけどねえ。この問題を作った後に講義をしていたので、特に何度も強調したつもりです。聞いてなかったのでしょうかね。まあ、講義中に寝ていたりスマホをいじっている人も結構多かったので、できなくても仕方がないのでしょうか。1)何度も強調していたこと、2)過去出した問題とほぼ同じ、3)2014年度に出ている、という3つを考えれば、山をかけるにしたってこの問題が出題されると考えるのが一番自然だと思うのですけどね。講義を聞いてなければ意味がないですね。
 

平均点13.7点/30点満点はひどすぎる。実は一度採点したらあまりに成績がひどく、採点基準を見直して再度採点した結果がこれである。満点が6名いるのに対して、10点未満の人は25人もいたが、そのほぼ全員が、設問とは違うことを一生懸命に書いている人です。


A+:10% A:10% B:16% C:27% F:37%。中間テストと期末試験との結果を単純に合計して評価すると、合格者が36%しかいなくなってしまったので、すこし下駄を履かせた結果がこの通りです。驚くほどできていないねえ。


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Last modified: Aug 2 2019