福祉インターフェイス論中間試験問題2019年度

1. ヒューマンインターフェイスにおける概念モデルの重要性に関して説明せよ
2.インターフェイスにおける対応付けの重要性を「電灯のスイッチ配置」を具体例に挙げて説明せよ


解説

1.以前よりこの問題はあまり出来が良くない傾向にあるが、その傾向は今年もあった。あいかわらず日本語が不明瞭な解答が多い。はっきり書いてくれれば加点できるのだが、あいまいにごまかすような書き方をされてしまうと、どうしても加点しづらくなってしまう。ちゃんと理解していないのかなと思ってしまう。それとあいかわらず三つの概念モデルのことしか書かない人も多い。以前の解説でも三つの概念モデルの説明だけでは十分でないことは書いているのだが、読んでいないのだねえ。
 以前と違う点では、対応付けや可視化、アフォーダンスの例を書いて説明している人が相当数いた。講義で使用していない例を挙げるのはもちろんよいが、正しくない例を挙げられて、ほかの項目との区別がつかない説明が書かれていると、ちゃんと理解していないのだと思ってしまい、一般論の文章ところでもやや厳し目に判定してしまったかもしれない。
 「概念モデルと機器の操作方法が一致していれば、ユーザーは説明書を読まなくても操作することが可能となる」という解答があった。厳密には、説明書は概念モデルのひとつであるシステムイメージに含まれるので、やや表現が不正確ではあるが、講義の中で手嶋がこのような説明をしたのは事実なので、「不正確だ」とは言えないので、これはきちんと加点した。

 平均点11.1点/20点満点と成績はよくない。満点は9名のみ。10点未満が26名。0点は5名。事前に問題を公開しているのに、この人たちは何をしているのでしょう。


2.過去に何度も出している問題であり、解説も何度も書いているのだから、できて当たり前なんだが、できていない人が多くて驚いた。特に適切な用語を使えていないために長々と書いてはいても大した点につながっていない人が多い。自分ではわかったつもりなんでしょうが、相手にきちんと伝わる文章ではない人が多く、学生の国語力の低下を実感した。
 スイッチ配置の例を説明しているのは良いが、いくら具体例を長々と説明していても、それを一般化して説明できないと点にはなりにくい。特に「対応付けの重要性」を説明する問題なのだから、「〜ならば対応付けが良い」で終わっては重要性を説明していることにはならない。対応付けが良かったらどういう使いやすさにつながるのか、対応付けが悪かったらどう問題があるのかまで論理的に説明してもらえれば加点できるのだが。過去の解説にも何度も書いているが、単に「使いやすい」「わかりやすい」「混乱する」では加点できない。その原因となっている部分を明確に説明しているところがなければ加点できない。
「特定の原則に従って」と書いている人がいたが、どのような原則かが書いていないので正しい用語を使ってほしい。「自然な対応付け」とか、「物理的アナロジー」といった用語を正しく使ってくれればもう少し加点するのだが、これでは甘めにしても2点しか加点できない。「直感的」は「自然な」とほぼ同義なので問題ない。
 ちなみに「物理的アンソニー」「物理的イデオロギー」と書いている人たちがいましたが、まあ大まけにまけて「物理的アナロジー」と書いた場合と同じ加点をしました。丸暗記をするなと言っていますからね、用語のこの程度の間違いはこの講義ではOKです。この場合はどういう間違いかがわかるからですね。

平均点は12.9点/20点満点とこちらもあまりよくない。満点は12名。10点未満が17名。0点は2名。


 なお、学籍番号・氏名に該当者がいない答案が一枚ありました。2回生と書かれているけれども学籍番号は6回生になり、そのような氏名の学生は本学には在籍していません。不正行為と思われますのでこのような行為をした学生が誰なのか明らかになった場合には厳しく対処します。

 

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Last modified: July 11 2019