福祉機械論試験問題2006年度

1.,松葉杖やお姫様抱っこが不適切である理由をもとに,右図のようなベルト吊り具が多くの人たちに使いにくい理由を説明せよ.(図省略)

2.車いすなどで代表される福祉機器と共用品との違いをできる限り詳しく説明せよ.

3.次の福祉機器から1つを選び,知っていることをできるだけ詳しく書け.

(1)入浴機器 (2)手動車いす (3)聴覚障害者用の警報音への対応機器 (4)視覚障害者用歩行補助機器 (5)意思伝達装置 (6)能動義手


解説

1.3問の中で一番難しい問題で,レポートで置き換える人はこれにするだろうと想定した問題.とはいえ,基本的には講義で繰り返して強調した内容であり,講義を聴いていた人はわかるはず.実際に全く書けていなかった人はおらず,8割強の人が半分以上の点数を取れていた.ただし,設問にある「多くの人たちに使いにくい」点,すなわち使える人もいるけれども,多くの人はどういう特徴があるから使えないのか,まで明確に書いていないと満点とはしていない.そのため,満点者は3名のみ.平均点は19.9点/30点満点.

2.試験の直前に講義していたところでもあり,多くの人が覚えてくれていたと思う.ひとりだけ全く書けていない人がいたほか,数名2,3行しか書いていない人がいたが,残りは全員きちんと書けていた.しかし,単に使用者が違うことを書いただけでは10点しかつけていない.「できる限り詳しく」としているので,具体例などが間違いなく書かれていれば加点しているが,それだけでも満点にはならない.満点には,福祉機器は「多品種少量生産で高価」であり「新製品開発の頻度も低い」ことなど,福祉機器に比べた共用品の利点を挙げることが必要不可欠とした.なので満点は5名のみ.平均点は19.5点/30点満点.

3.例年出している機器の知識を問う問題.その機器に対してどうしても書かなければならない重要なことは設定せず,どれだけの多くの重要項目を書き記したかで採点している.ただし,各機器で満点に必要な項目数は異なり,6つの中では手動車いすについては詳細に講義で説明したこともあり,満点に必要な項目数が最も多い.しかし,手動車いすを選んだ人でも約7割が満点と大変できが良かった.

 なお,レポートについては,10枚以内とあるのに1,2枚しか書いていない人が若干いた.バリアフリー展を見に行ったらいろいろと考えることはあるはずで,それだけしか書けないはずは無い.なのでそれではいい点はあげにくい.ただし,試験で頑張ってくれたようなのでレポート提出者は全員合格した.

A+:4% A:38% B:9% C:22% F:27%
成績は全般に大変良かった.やや今年は問題が易しかっただろうか?


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Last modified: Wed Aug 2 2006