福祉機械論試験問題2007年度

1.講義の行われたP105教室において、障害を持った学生が講義を受ける場合にどういう問題点があるか、および、どういう配慮があれば問題ないのかを、1)肢体不自由学生、2)視覚障害学生、3)聴覚・言語障害学生についてそれぞれ簡単に述べよ。 ただし、制度や人的補助は除き、機器・制度に関する内容に限定するものとする。

2.手動車いすはその使用者にあわせて各部の寸法を変えたり,取り付け位置を変えたり,パーツを選んだりすることが望ましい. その理由を説明せよ.

3.次の福祉機器から1つを選び,知っていることをできるだけ詳しく書け.

(1)移乗機器 (2)意思伝達装置 (3)補聴器 (4)入浴機器 (5)ベッド (6)電動義手


解説

1.講義では話していないが、講義の成果を応用して自らの周囲の問題点に気がついてほしいというのが出題意図であり、ときどきこの類の出題をしている。 総合的な理解を知識をもとめているが、すべてを書くととんでもない量になるので、「簡単に」としている。 問題点及び配慮に関して、その重要性に応じて1〜6点のポイントをつけ、その項目を挙げていれば加点する採点方式にしている。 「講義」を前提にしているので、講義に無関係な内容はやや配点を低く、講義に関係するものは配点を高くしている。 全体に見ると大多数の人が気が付いている内容と、ほとんどの人が書いていない内容が偏っているのは不思議だった。 たとえば聴覚・言語障害学生で、「チャイムが聞こえない」ことを書く人は多いが、「講義の話が聞こえない」点を書く人が極端に少なかったのが奇妙だった。 チャイムは聞こえなくてもそれほど困らないが、講義の内容が聞こえないのは困るだろうに。 同様に視覚障害学生では移動のことばかり書いた解答が多かったが、一番問題なのはレジュメや液晶モニタ、黒板などの視覚情報なのは明白である。
だいたい何かは書いているために極端に悪い点数の学生はおらず(解答していない1名を除く)、30点満点で最低点が11点。 17%の人が満点。 平均点は19.5点/30点満点.

2.2001年度にも出した問題であり、この講義を理解しているかどうかを見るのに最も適した問題の一つだと思っている。 車いすの講義で話したほかにも、最後の時間に見せたビデオにもこの点が説明されていたこともあったのか大変成績が良く、うれしい限りである。 特に2001年度の際には移乗における重要性に関して書いてくれている人は少なかったのが、今年は半分近い人が書いていた。 ただ、モジュール車いすの利点をだらだら書いている人が何人かあったが、質問はそれについて聞いていないので採点対象外にした。 質問と異なることをいくら書いても無駄である。 29%の人が満点の一方、10点未満の人も10%いたのは残念。 平均点は23.4点/30点満点.

3.例年だしている知識を問う問題。例年とは違って「入浴機器」を選ぶ人が多かった。 最終回の講義のビデオの中に入浴機器が入っていたが、それが印象になった人が多かったのだろうか? 全般にできが良いが、移乗機器として移動機器について書いている人が一人いた。 まあ、これも毎年のようにいるので驚きはしないが。

A+:11% A:25% B:22% C:20% F:22%
成績は全般に大変良かった.今年は問題が易しすぎたのだろうか?満点者も多かった。


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Last modified: Fri July 27 2007