福祉機械論試験問題2011年度

1.BKCキャンパス内において障害者・高齢者に配慮している又は配慮が欠けている設備・機器についてできる限り多く箇条書きし,それぞれについて簡潔に説明せよ.ただし、制度等は除く。またBKCキャンパスへのアクセスも除く。

2.車いすを選択する際に、@長時間座るいすとして重要なポイント、A移乗する際に重要なポイント、のそれぞれについて詳細に述べよ。

3.次の福祉機器から1つを選び,知っていることをできるだけ詳しく書け.

(1)補聴器 (2)聴覚障害者用の警報音への対応機器 (3)入浴機器 (4)意思伝達装置 (5)環境制御装置 (6)装具


解説

1.2004年度とほぼ同じ問題。ときどきこの手の問題を出しているので、予想しているのではないかと思う。出題意図は、丸暗記しても現実に応用できない知識など意味がない、ということ。授業を受けながら、普段の生活の際に意識して気を付けていれば、どこに何があるか気が付いているはず。一番多くの項目を挙げている人は17項目挙げていました。拍手!すばらしいです。そこまで挙げる人がいるとは想定していませんでした。前回もそうだが、「アクセシブルなトイレはどこにも無い」「点字ブロックが存在しない」「点字はエレベータのボタン以外にない」など、設置されているのに気が付いていない場合には、その項目を挙げていても加点はできない。また「授業で手話の対応がなされていない」「レジュメに点字が付いていない」など、設備・機器ではないものも加点していない。
前回の出題時はできが悪かったが、今回は予想以上に出来が良くて当方もうれしい。ただし、レポートへの置き換えをこの1番にしている人も予想以上にいた。平均点は24.2点/30点満点。半分以上の人が満点だった。

2.2009年度にも出した問題。2009年と同じで@を配点20点、Aを配点10点とした。この2番をレポートに置き換えている人が一番多かった。
@で意外と多かった間違いは、「座幅が狭いと窮屈なので余裕を持たせた方が良い」というものである。座幅が狭いとよくないのはその通りだが、広すぎてもよくないということが、ここからは読み取れないので、これでは座幅に関して言及していても、加点できない。全般に前回よりもよく書けている解答が多く、平均点は14.0点/20点満点。満点は13%。0点はさすがにいなかったが、10点未満が2割いた。
A前回と異なり、今回は車いすとベッドの高さの問題を挙げている人が多かった。しかし、車いすの高さは@の要因で決めるべきで、移乗で必要ならばベッド側で高さを合わせることとなる。なので、この問題では車いす高さに関しては加点要素にはならない。あとは前回の解説の通り。前回の解説を読んで理解していた人が多いようで、前回よりも少しできがよいが、できている人とそうでない人の差が激しい。平均点は5.6点/10点満点.26%が満点の一方、16%が0点。

3.例年だしている知識を問う問題。一番人気は意思伝達装置だった。しかし、意思伝達ができない人にとっての意思伝達装置の重要性について書いている人は少数だったのは残念。2、3行しか書いていない人は2人のみ。これらの人には最高5点しかつかない。あいかわらず装具といって義肢について書く人が二人いた。講義でも何度も強調しているし、この解説でも何度もでてきているのにねえ。


A+:5% A:52% B:16% C:9% F:18%。任意のレポート提出者が過去最高の65%であり、試験成績もよく、過去最高の成績ではないかと思う。


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Last modified: Fri July 29 2011