深尾 浩次教授 FUKAO Koji
- 所属学科
- 物理科学科
- 研究室
- ソフトマター物理学研究室
- 学位
- 博士
経歴概要
1984年3月 京都大学理学部 卒業 1986年3月 京都大学大学院理学研究科物理学第一専攻修士課程 修了
研究について
- 研究分野・テーマ
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ソフトマターの構造形成とダイナミクス
- 研究キーワード
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ソフトマター、ガラス転移
- 研究概要
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ソフトマターとはマクロなスケールとミクロなスケールの中間的なスケールに独自の構造とダイナミクスを持つ系であり、ミクロからマクロに渡る広いスケールに豊富な時空の階層構造を持つものをいいます。たとえば、高分子、コロイド、液晶、エマルジョン、粉体などがソフトマターに属します。それぞれの物質についての研究は古くから行われてきたのですが、近年、これらの物質をまとめて、ソフトマターと呼び、これらの示す多彩な物理現象を統一的に理解しようとする試みがなされています。このなかでも、私たちは高分子を対象としたガラス転移、結晶化による構造形成、ガラスダイナミクス、dewetting現象、イオン液体のダイナミクスなどに興味を持って研究を進めています。
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誘電緩和スペクトロスコピー法に用いるインピーダンスアナライザー。広い時間領域のダイナミクス測定が可能。
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インタビュー
研究者になったきっかけ
大学に入学した時には、数学や素粒子論に興味がありましたが、卒業後は高校の先生か、公務員になろうと考えていました。私の入学した学部には当時200名くらいのOD(博士号を取得したが定職のない研究者のこと)が在籍しており、とても生き残れるとは思えなかったからです。卒研の研究室を選ぶ際には、民間企業への就職も視野に入れて、現在の私の研究分野である「高分子物理」(現在のソフトマター物理に含まれる)の研究室を選びました。そして、修士2回生の春にそろそろ就活を開始しようとするタイミングで、ある国立大学の助手(現在の助教)の話が当時の指導教員からあり、何となくそのまま決まってしまいました。当初の興味のまま突っ走っていたなら、全く違った人生を歩んでいたと思います。なんとなく選んだ研究分野ですが、今ではとても気に入っています。研究者になるには強い信念がいるように思われがちですが、必ずしもそうではないと私は思っています。