9/2に文部科学省へ補正申請書類を提出した翌日に、アメリカ・ジョージア州・アトランタにあるジョージア工科大学に出張している。この大学には、私の知っている先生が2名働いている。一人は、東大助手からアメリカでポスドクをした後に、応用生理学研究室の准教授をしている篠原先生とロボット工学を専門にしていて奈良先端大学から移動された上田先生である。
ジョージア工科大学は、工科系大学としては全米でもトップクラスに常にランクされており、非常に優秀な教員、学生、研究スタッフが揃っている。今回の出張では、篠原先生との共同研究の打ち合わせにいった。それとともに、現在、短期のインターンシップで篠原研究室にお世話になっている本学の大学院生への激励ならびに実験の被験者として参加してきた。実験の詳細は別に譲るとして、ジョージア工科大学の雑感について少し説明したい。
アトランタオリンピックでは、水泳・ダイビング・水球ならびにバスケットボールの会場となったところであり、また選手村(現在は学生の寮)として使われたところである。そのせいか、スポーツ施設は、アメリカのビック大学と同様に充実している。また、工科系大学として研究施設も非常に充実しており、近年では、ライフサイエンス系、ナノテク、生体医用工学関連の巨大研究センターが次々に建設され、これらの分野にも力を入れていることを伺わせる。学生・大学院生は全米のみならず、全世界的規模で集まってきている。特に、日本をのぞくアジア、インド、ロシア、オーストラリアなどの国々からの留学生が熱心に勉強している。
工学系として、企業からの委託研究も多く、研究費の多くを公的資金、委託研究でまかなっている。大学の横には、コカコーラの本社もあり、もちろんコカコーラからの委託研究を行っている。ちなみにコカコーラの「ジョージア」という商品名の缶コーヒーは、ジョージア州からつけられたと思っている。
アメリカ南部としては最大規模のアトランタには、人も企業も研究機関、行政機関も集まりやすくこの好立地を利用した大学づくりも上手に行っている。10年前は、とても汚かった大学最寄りの地下鉄駅周辺は、再開発により大学のエクステンションの場所となり、またおしゃれな店、レストラン、ホテルが並び今では高級住宅地ともなっている。大学という資源の上手な利用と活用により町おこしにも一役買っている。
ただ、南部は暑い。日差しは南国を思わせる。学生たちも写真にあるように涼を求めて、モニュメントの噴水で水遊びに興じていた。このあたりの気分と行動は学生に共通かもしれない。
いずれにしても世界の大学は、つねにアクティブに活動しており、教育・研究の更新・向上のみならず、地域、国、世界へ好影響をもたらすべく貢献の方向性を常に探っていると感じた。
忠