2012.02.10
[ 2012年02月 ] の記事一覧
2012.02.09
目指すべき方向性。
今週火曜日、高大連携偉業の1つとして乙訓高校の研究発表会に行ってきました。高校に向かう途中、歩きながら自分が研究に興味を持ち始めた時のことを思い出しました。目に見える事象や経験から入って行ったこと、まず、走フォームやエネルギー効率、こんなことにまず興味を持ち始めた頃、「あなたたちが考えつくようなことは、だいたいのことはみんな考えてるんだよ」と先生から助言頂いたことなどを思い出します。でもそこからがスタートで、どうやって謎が解明しているのかを調べて行く事から始まります。かならず、解明されていない方向が見つかります。スポーツや健康というキーワードに結びつけられることは我々の特徴でもあるので、方向性は無限に!?(言い過ぎですみません)広がると思っています。
発表の対象は高校2年生。みなさん夏休み前から一生懸命準備し、研究発表にこぎ着けました。スライドの作り方には非常に驚きました。動作分析の実験は伸先生、光O先生を中心にご指導頂きました。スタートダッシュ、バッティング、バドミントンのスマッシュ...パフォーマンス室で実験を行った結果を発表してくれました。
お二人の力はすごい!とても良い発表になっていましたよ!ご苦労さまでした!ただ、パワポのアレンジに圧倒されて、内容を聞くのがおろそかになってしまった部分がありましたが(笑)やっぱり、高校生らしいな、と思った瞬間でもありました(^ ^)きっと、「うわ!こんなこともできるんや!」とか、言いながらグループで作成したのでしょう。。。
野球部さんが多かったのでデータ分析のグループもあり、私の方はそちらを担当させて頂きました。およそ490試合の得点、打率などなど、コールドゲーム以外、全て調べあげ、「硬式野球の試合において流れは存在するのか!?」というテーマで発表しました。私自身が不思議に感じていた「ラッキー7」。このキーワードと生徒さんと一致する部分があり、「試合に流れってあるの?」という彼らの疑問を調べていきました。全身疲労も含め、生理・生化学的に「ラッキー7」の原因がわかれば対処法を考えることができ、現場貢献に少しでも繋がるのでは!?と安易に思ったりしているのでとても興味があります。
発表会場に入った瞬間、生徒さんと目が合い、とても嬉しそうに「あっ、先生や!」と言って隣の生徒さんと楽しそうにしていた姿がとても印象的でした。私も嬉しくて思わず笑顔。。。やっぱり、自分たちの成果を見もらうことは生徒さんたちにとって、一番嬉しいことなのかもしれません。
さて、現在、卒論生を担当させて頂いています。生命科学部から里子に出されたHaruhiさん。昨日は論文要旨も無事提出。学生さんがいると実験室も楽しいです。来年度、再来年...実験室はもっと活気が出てくるでしょう。それとともに、私の任期も近づくので、たくさん経験を積ませていただき、次への生命をつなげようと思っています。香
2012.02.08
「妙薬、身に果報」?!
2月6日のNHKテレビ「あさイチ」が「がんワクチン」を取り上げていた。実は、私の身近な人が、昨年6月と7月に相次いで亡くなっていたのだ。1人は、大学院時代からの学友で62歳。「脳梗塞」で倒れたということを聞かされたのが5月の連休中。実際は「スキルス性胃がん」で、5人の仲間と見舞った2週間後だった。もう1人は国会図書館勤務だった女性。ご夫婦揃って、退職後も忙しくしていて、「さあ、これからのんびりと」と思っていた矢先だったという。2月の健康診断では異常が無かったが、3月に「すい臓がん」が発見されたという。ついつい、見入ってしまった。
「余命二ヶ月」と言われた方が、既に一年半も元気に普通の生活を続けている。肺がんに侵されて、抗がん剤での治療を行ったが、呼吸困難を引き起こすなど、手の施しようがなかった方の紹介がされていた。もうお1人は、出産直後に、すい臓がんが発見され肝臓にも転移して既に末期状態。生まれたばかりのお子さんと残されるご主人への思いで、絶望的な状態だったとのこと。その方も、元気に家庭生活を営んでいる。一体、どういうことなのだろうか。
「がんワクチン」が、直接がん細胞のペプチドに働きかけて、結局、からだの免疫力の増大を引き起こすメカニズムだという。現在は「臨床試験」の段階で、誰にでも効果が認められるというものでもないようだ。また、この治療を受けるためにクリアしなければならない条件もあって、誰にでも適用できるというものでもないようだ。しかし、全国で数十ヶ所の病院で地道なテストが繰り返されて効果も蓄積されているようだ。
TVで紹介されていたお二人は、「天啓」にも似た思いを抱いたことだろう。初期の段階ではあれ「がん」と宣告されて手術に及んだ私には、その思いはよく伝わる。私の場合は、自分なりに気付いた段階で、何となく「覚悟」めいたものを決めていて手術に際しては「俎板の鯉」よろしく、不思議なほど不安も抱かなかった。しかし、やはり「がん」の響は重かった。ましてや、「末期」であるとか「余命幾許も無い」の宣告は、途轍もなく重いものがある。
この「がんワクチン」は、多くのがん患者やその家族に朗報をもたらしてくれる。身近で逝った2人も「もしかしたら?!」、と残念さが込み上げてくる。「臨床試験」を経て一刻も早く治療薬としての認定にまで至ってほしいと願うばかりだ。 mm生
2012.02.07
ラグビークリニック。
先週木曜日夕方、RecOには、スポーツ雑誌、ラグビークリニック(ベースボールマガジン社)の編集者とカメラマンがご来訪。同誌の連載「ラグビー食」取材のためです。
今回のテーマは「ラグビー選手のための冬の増量」。体に無理なく、なるべく脂肪をつけずに増量するための食生活と具体的なレシピを考案します。
今回、レシピを担当したのは、【ab】研、M1の管理栄養士3人組、【Yamo】さん【Abe】さん【Koni】さんです。
一人暮らしのラグビー選手が、無理なくできる、納豆を使った簡単アレンジレシピをそれぞれが考案しました。
雑誌の発売前なので、レシピについてはまだ詳しくはご紹介できませんが、身近な素材で簡単にできるレシピをそれぞれが発表。
メニューの名前と作り方、栄養的なポイントなど、各人、ちょっと緊張した面持ちで、カメラで写真を撮られながら、記者さんに説明していました。
撮影後の試食では記者さん、カメラマンさんから
「何よりおいしい! 癖になりそう。絶対、自分でも作ります」など、それぞれ大好評。
3人もホッとした様子でした。
理想的な栄養素をただ言葉にしてみても、選手の食生活はなかなか変わりません。
これからも それぞれの人(選手)の環境(生活等)を考え
「これならできそう、美味しそう」
と感じ、実際の食生活に取り入れてもらえる食事のメニューやレシピを、院生や学部生と一緒にいっぱい考え、それを色々な形でそれぞれの現場に伝える方法を考えていきます。
紙面が届いたら、またここでご紹介します。
次号のラグビークリニック、是非ご期待ください【abc.】
2012.02.06
修士課程 最終試験(口頭試問)がはじまりました
先週の金曜日から、修士課程の最終試験が行われています。修士課程2年間の学びの集大成である修士論文の口頭試問です。修士2回生の院生は、この間の講義、演習ならびに各研究室での研究成果を「修士論文」としてまとめて提出しました。その修士論文に基づいて、審査を行います。
スポーツ健康科学研究科は、「スポーツ健康科学に関わる専門的で高度な『実践力』と『研究力』を持つとともに、研究成果を社会に発信することで、社会への還元活動を行える専門職業人ならびに研究者を育成すること」を目標としています。そのために、学位授与基準(ディプロマポリシー)として、修了時に院生が身に付けるべき能力・力量を次のように定めています。
1.専門的で高度な「実践力」と「研究力」を持ち、研究成果を社会に発信できる。
2.「リーダーシップ」と「コーチング力」を備えている。
3.修士課程教育における確かな専門知識を備え、より質の高い研究を自主的に設計できる。
最終試験では、これらの能力を身につけたかどうかを確認します。最終試験を通過した、一期生の院先たちの公聴会は、2/20午前、2/21午前・午後に開催されます。公聴会は、だれでも自由に参加できます。是非とも、このスポーツ健康科学分野に関心のある方、ならびに一期生の院生の関係者は、ご参集ください。
そして、3月21日が、修士修了生一期生を送り出す、学位授与式です。
修士2回生のみなさん、最後の最後まで、スポーツ健康科学研究科の人材像に相応しく力をつけてください。3月21日の学位授与式まで、修士の院生として、力をつけて、次のステージへ向かってください。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
スポーツ・健康産業研究センターシンポジウム in 東京 を東京駅横のサピアタワーで、2月3日金曜日の午後6時から8時半まで行われました。プログラムは下記の通りです。150名を越える来場者に、この研究センターならびに、スポーツ健康科学部・同研究科のアピールができました。なお、この研究センターは、今年4月から「スポーツ健康科学研究センター」へと発展的に移行し、さらにバージョンアップしていきます。こちらにも注目ください。
【忠】
18:00 講演「立命館大学の産学官連携活動の仕組みと
スポーツ・健康分野での事例紹介」
立命館大学総合理工学研究機構
機構長 牧川 方昭
18:30 講演「立命館大学が目指すスポーツ健康科学」
立命館大学スポーツ・健康産業研究センター
副センター長 伊坂 忠夫
18:40 講演「Tabata protocol-その科学的基礎と発展-」
立命館大学スポーツ健康科学部
学部長 田畑 泉
19:00 発表「筋活動の効果と筋代謝の非侵襲的測定」
立命館大学スポーツ健康科学部 教授 浜岡隆文
「サルコペニア予防を目的とした栄養と運動介入の検討」
同 教授 藤田 聡
「ジオスゲニンを活用した糖尿病新規治療開発」
同 准教授 家光素行
「代謝、内分泌反応からみた各種運動の特性」
同 准教授 後藤一成
「高齢者転倒事故防止のための移動能力評価システム」
同 准教授 塩澤成弘
2012.02.05
入試が始まりました
みなさん、いかがお過ごしですか。
立命館大学では、2/1 から、一般入試 が、
全国の受験会場で、始まりました。
スポーツ健康科学部のある 「びわこ・くさつキャンパス」 でも、
大勢の受験生を見かけて、心の中で、
「頑張ってね!」 と声を掛けています。
自分自身の受験は、遙か昔 (^ ^;;) となりましたが、
あの緊張感は忘れられません。
今、振り返ってみても大変でしたが、
受験という行為を通過することで、
自らも成長できたと思います。
今回、受験してくれている皆さんが、
全力を出し切れることを願ってやみません。
それでは、また。失礼致します。
敦
2012.02.04
母校へ恩返し
毎日寒い日が続きます。手袋をはめたくなるけど、息で手を温めながら練習している仲間が多いのではないでしょうか。今回は、そんな仲間の一人、横山勇大君(2回生、硬式野球部)にお話を聞きました。
横山君の夢は、当然甲子園監督。特に母校(西南学院高校)へ恩返しをしたいそうです。野球を通じて、母校の先生方から様々なことを教わり、楽しい野球を経験できたと。その喜びを後輩たちに伝えることが、自分の役割だと熱く語ってくれます。
中学、高校と指導方針が変わるのではなく、一貫教育の中で野球を教えてもらったことが財産だそうです。自信を持って独自の教育論を語ってくれた横山君に感心しました。
「野球の魅力は何?」と尋ねると、「バットの芯にボ-ルが当たった瞬間の音、振動、すなわち感覚だ」と話してくれました。また内野の守備においては、深い所に飛ぶボ-ルやボテボテのボ-ルをキャッチし、ランナ-をぎりぎりのところでアウトにする自分を褒めたくなると言います。だから、厳しい練習にも耐えれるのですね。
ただ選手数が多くなると、その感動を得るための様々な工夫が必要だといいます。
毎日「選手の能力を伸ばす、生かす指導者になりたい」という課題を持って練習に取り組んでいます。
全国から能力の高い選手が集まる硬式野球部で、仲間から多くのことを教わり、ベンチ入り、レギュラ-を目指して頑張りますと語ってくれました。
多くの仲間は、この寒い冬、洗濯という大変な苦労をしています。特に野球部は、黒土での練習。
真っ黒になったユニフォ-ムを洗濯板も使いながら洗っているのだそうです。
これも下宿をしている厳しさでもあり、生活力ですね。
【shine】
2012.02.03
大勢に打勝つ
2012.02.02
修士論文中間報告会!
M1のみなさん、昨日はお疲れさまでした!
M1のみなさんを見ていて、自身が大学院に入学したての頃を思い出しました。恩師である大体大の豊岡先生の研究室にいた頃...今の院生さんたちのように自分の机はなく、先生の部屋の隣にある部屋(本当は生化学実験室)で朝から晩までみんなと過ごしていました。みんなと言っても私と同期の2人。研究室は当時、先輩も陸上出身者ばかりでした。修了された先輩が時々来られ、先輩の実験の手伝いをしたり、研究計画の話をして、指摘を受けたり、朝から番まで研究づくしでした。研究室が先生の部屋と直結していたこともあり、日々、かなりの緊張感。。。先生が授業や教授会、出張時以外、ほとんど一緒で監視下にさらされているような緊張感で過ごしていました。そんな良い緊張感を感じている院生もいるのではないでしょうか???
「じゃ、お先!」と言う豊岡先生が研究室を出られるまでの緊張感がとても懐かしく感じます。ある日、「お先!」と言って出て行かれ「はぁ〜、帰られた〜!」とホッとした瞬間...バタンと扉があき、行動を読まれているかのごとく、「甘い!!!」と言いながら、忘れ物を取りに戻って来られ、慌ててパソコンに向かったことがありました(笑)
M1の半年間は毎日、ホッとする暇もなく授業や、研究の課題、文献抄読、実験計画...。競技として捉えていた「走ること」が楽しみの時間、息抜きに感じ始めた頃でした。院生2人だったので実験実習の課題と文献抄読の課題がものすごい勢いで毎週、回ってきました。入学して半年間は「出来ないとは言わせない!」というようなものすごいプレッシャーでした。というのも、夏から1年間、南アフリカのケープタウン大学に留学されることが決まっていらっしゃったので、悩む余裕もなく様々な測定方法を教えていただき、自分の研究で使えるよう教育・指導してくださいました。2人で実験実習のデータを仕上げる!ということを徹底してくださっていたこと(私が様々な面で劣っていたからか?)、かならず2人で実習のデータを出す!という指導をしてくださったように感じています。現在、助教部屋でも、のろのろと要領の悪い私を、両サイドにいらっしゃる伸先生、キム哲先生はよくフォローしてくださいます。いつも、お気遣いくださって本当にありがとうございます!(ブログをお借りして、お礼です!)お二人のおかげで、助教3人の仕事は100%?!になっているのかもしれません。。。戦力にならずすみません。。。
Izumi先生のからのご挨拶。そしてキム哲先生の名司会(時間通りの進行、素晴らしかったです!午後から、マネさせていただきました(^ ^)良いショットじゃなくてすみません(左)。そして、M1さんたちの発表(右)!みんなの緊張感が伝わってきました!
最後は忠先生からの総評でした!みんな一生懸命耳を傾けていましたね(^ ^)
M1のみなさん、とても緊張されたことでしょう。(私は発表となると、未だに緊張してばかりですが)。研究は論文にしなければ意味をなさないかもしれませんが、学会等での発表の場は自分の研究をアピールし、多くの研究者と情報交換できるチャンスでもあるので、この発表をきっかけにしってスポ健2期生の誇りを胸に、自分の道を切り開いて行ってほしいと感じています。来年の成果、楽しみにしています!
みなさんが少しずつ成長している様子、とても嬉しかったです(^ ^)香
2012.02.01
「国際平和ミュージアム」のこと!!
先日2011年度最終の国際平和ミュージアム運営委員会があった。この後期から出席していた委員会だ。その報告を火曜日の教授会で行なった。今年5月19日の大学創立記念日に合わせて取り組まれる「国際平和ミュージアム設立20周年記念企画」のことが一つ、もう一つは2011年度の総括についてだった。
1992年に設立されて20年が経過する国際平和ミュージアムは、大学付設の施設としては、立命館大学が唯一のものだ。教学理念として「平和と民主主義」を掲げる立命館であればこそのミュージアムだ。
「学徒出陣」に纏わる「わだつみ」の像が玄関前に建ち、ホールの壁面には大きな「火の鳥」のレリーフが舞っている。地下展示場では、折々の特別展示をしていて、施設全体が「平和」を考えさせてくれる。ミュージアムへの来場者は、この3月で80万人に達しようとしている。全国の小学校の児童や中高校生そして一般の社会人も遣って来た証拠だ。但し、2011年は来場者が少し停滞したという。3月11日以降、主に東北地方の生徒たちの来場が見送られたという。「東日本大震災」の影響が、こんなところにも現れてきている。
20周年記念企画の「目玉」は、衣笠・国際平和ミュージアムで行なわれる「シンポジウム」。3月11日の「津波地震」は、三陸沿岸部に甚大な被害をもたらし、復旧・復興の道筋も不透明だし、原発事故は、拭い去れない深刻な問題を私たちに突きつけている。こうした状況の中で、学問・研究の府としての大学の果たす役割がより大きくなっている。
シンポジウムでは、そんなことも意識して、広い意味での「平和」について考えることになるのだが、この企画での課題の一つが、BKC(びわこくさつキャンパス)で学ぶ学生に如何に積極的に参加してもらえるのかということだ。
2011年度総括の「資料」でも紹介されたが、衣笠の学生に比べれば、地理的な問題が大きく、BKCの学生の来場者が圧倒的に少ない。個々には、講義やゼミの一環で足を運ぶ学生もいるが、それも衣笠の学生の比ではない。
BKCでも、特別展示や写真展などの開催を通じてミュージアムへの関心を向けさせる取り組みはなされているが、「目の前」にないミュージアムへの「臨場感」を沸き立たせるのはなかなか難しいことだ。教学理念としての「平和と民主主義」を本当に大切にしながら、自らの大学・学園の拠って立つ所についてもしっかりと学んでいくという、落ち着いた営みこそが必要かもしれない。そして、スポーツ健康科学部の学生にも、スポーツや健康の底流にある「平和でこそ」の観点から、是非、一度は、国際平和ミュージアムに足を運んで欲しいものだ。 mm生