[ 2012年11月 ] の記事一覧

2012.11.10

新しい実験のスタート

本日からまた新しい実験が始まりました。コンプレッションウェア(Compression Garment)と呼ばれる、適度な着圧が身体にかかるよう設計されたウェアを運動終了後のリカバリー中に着用することで、筋力や筋パワーなどの回復過程に変化がみられるかを検討する実験で、修士課程1年のMoriさんが担当します。被験者さんは午前と午後の2回、それぞれ1時間の激しいトレーニングを実施しますのでとても大変です。また、測定に関わる験者もたくさん必要で、まさに研究室の総力をあげての実験になります。


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4月から時間をかけて何度も何度も研究計画を練り、予備実験を行ってきてようやく今回の本実験に至りました(写真は実験前夜の打ち合わせ時と今朝の実験時に撮影した1枚です)。これから12月末までの間慌ただしくなりますが(いつも慌ただしいですが)、研究結果が今からとても楽しみです。ちなみに現在、並行して、スプリントトレーニングを用いたトレーニング実験も進行していますので、本当に実験実験の毎日ですが、大学院生、学部生ともに良く頑張っています。

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最後の写真は、水曜日に台湾の陽明大学を訪問した際に撮った1枚です。今回本当に良い交流ができました。またhospitality溢れる対応に感激しました。大学院生や学部生を連れて、ぜひまた訪問したいと思います。

GOTO

2012.11.09

CG講師に行って

 私事ですが、7日に前任校の附属中等教育学校のCareer Guidanceに行ってきました。十数年前併任校長時代にAcademic GuidanceAGと共に、進路指導の一環として導入したものでした。AGでは中高一貫制を導入した最初の中等教育学校で、3、4年生(中三・高一)の中だるみ(普通でしたら高校入試で勉強するのですが)予防として、今学んでいることが将来にどのようにつながるのか、自分の将来の進路を様々な視点から見つめ、考える機会を提供することにしたものです。1週間午前中、大学の教員による専門的な研究に関する講義・実験・施設見学などを通して様々な学問(2025講座が提供されています)のすばらしさを学び、興味や適性などの発見に結びつくことを願って始めました(今は大学教員のFDの一貫と位置づけられています)。附属なんか全く関心がない、不要だと言っていた教員が多くいるなか、協力を得るため各学部の研究室を訪ね、協力を懇請したのを昨日のように想い出されます。

 CGでは5年生を対象に、生徒が自分の興味ある分野を選び、AGよりも高いレベルの専門的な講義を聴き、大学・学部・学科など、具体的に進学すべき分野へのイメージ作りをサポートすることを目的としたものでした。昨日は医・薬・文・理・工・歯・栄養等々いろいろな大学、学部から講師が見えてましたが、小生の"スポーツ健康科学""スポーツ科学"には出席生徒20名(対象生徒の9%強)と20講座中の13位でした。心理学が54人と最も多く、教育(教員養成)、国際関係、工学(建築・電子・土木)の順となっており、今の高校生の関心の傾向を示しているのでしょうか?講義の最後に、この分野に、本学部に進み、頑張ってくれる人が出てきてくれることを願い、Who among you will be the vanguard of sport and health science ? を残して来ました。(老ブロガー・ハル

2012.11.08

歴史的謎の解明(理系バージョン)?

Hamaです。
先日予告してました通り、「読書の秋」を皆さんと分かち合う、理系バージョンです。

ことの発端は、フランス、ブルボン家ルイ17世の時代です。
マリー・テレザのDNA二重らせんが、マリー・ アントワネットに引き継がれ、ルイ17世に届けられたものの、1789年に起こったフランス革命の歴史のいたずらにより、彼の命は、1795年失意の獄中で生き絶えた。


しかし、獄中で息耐えた若きプリンスは、実は、替え玉であるとの噂が広がった。。。
ここまでは、先週と同じです!


1795年獄中で亡くなった少年の心臓は、剖検を担当したある医師により、運び去られていたのでした。 それから科学の進歩により、遺伝情報、つまりDNAの塩基配列の決定法が1977年に確立されることになります。


この業績により、1980年にノーベル科学賞を受賞したサンガー博士は、「ダイデオキシ法」を開発したことで有名です。

この方法は、DNAの断片から実験室でDNAを合成することにより、元のDNAの塩基配列を決めるものです。


DNAの部品は、ヌクレオチドと呼ばれるA(アデニン), T(チミン), G(グアニン), C(シトシン) 4種類でこの鎖二本が対になっています。
 そのDNA1本鎖にして、対となる新しいDNAを合成します。ATGCが水素結合しますから、これを利用すれば元のDNAの塩基配列を特定することができます。


現在では、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法(PCR法)を用いて、DNAを何千万倍に増幅することにより、DNAの塩基配列を決めています。

 

 この方法を用いて、獄中の少年は、マリー・テレザ、マリー・アントワネットと同じミトコンドリア遺伝子をもつことが分かり、ルイ17世であることがほぼ確実になったのでした。

 

科学の力は不思議ですね!!

Hama

2012.11.07

「自分にとって必然性のある課題」の重要性

こんにちは。ma34です。

十一月は「師走」ではないけれど、なんだかんだでとても忙しい今日この頃です。
これが本物の「師走」になったらどうなってしまうのでしょう。

さて、今日は基礎演習の日。
11月28日の論文提出に向けて、各班がアンケートの実施・集計、論文の読みこみ作業、原稿作成を進めています。
グループによっては進んでいるところもあれば、そうでないところもあり、
教員としてはドキドキハラハラしつつも、手を貸すべき部分の見定めは難しいと
今日もまた感じておりました。

一つ思うのは、作業がどんどんと進む班は、
それぞれのメンバーが「自分の問い」としてテーマを捉え、
調べ作業、まとめ作業をしているということ。

それを調べることが単純に「面白い」でもよいし、
自分自身が疑問に思っていたことが少しずつ解決していき、
それとともにまた疑問がわいてくる、という学びの面白さを体感するのでもよい。

何にしても、自分にとって必然性のある課題になっていることが
重要なことであると改めて思います。

ちょうど、昨日、彦根市の小学校で外国語活動の授業を参観し、
事後検討会にてALT(外国人指導助手)の先生や担任の先生、校長先生とともに話していたことと結び付きます。






参観した授業は、時刻の読み方についてのレッスンで、
その中でビンゴゲームの活動をしていました。

ゲームの前半部分は、ALTが時刻を言っていき、子どもたちは自分のワークシートに同じ時刻があれば○をつけていきます。
ある程度過ぎたところで、数名の子が、一つもリーチになっていない状況となりました。
そこで、先生は、特別ルールとして、時刻を言う役目をその数人に回したのです。

その中には、日ごろ発表が大の苦手で、人前では声がでなくなってしまう子もいたのです。
けれども、その子を含め、一つもリーチになっていない子は、リーチになりたいという目的があるので
自分の書いた時刻をみんなに「必然性をもって」発表します。
もちろん、今日のターゲットである英語の表現を使ってです。(It's seven forty.など)

事後検討会で、実はそのうちの一人は、普段一回も発表ができなくて、
今回も大丈夫かな~と思っていた、と担任の先生。
あとで振り返ってみれば、先生はその子にさりげなく、どれを言うの?と言い方を確認していましたが、
しかしながら、私はその時には普段のそんな様子に気付くことができないほど、
その子は自然に、そして堂々と、みんなに自分の伝えたい「時刻」を表現していました。

やはり、自分自身にとって明確な目標のため、必然的な課題となっていることが
重要なことなのだと先生方とともに再確認したエピソードでした。

大学の学びにおいて、どれほど「自分自身の問い」や「自分自身にとって必然性のある学び」になっているのでしょうか。
もちろん、教員側が環境を整えることも重要だと思います。

けれども、是非、大学では学生のみなさん自身が問いを持つことを意識して
授業を受け、引き出しを増やし、考えを深めていってほしいと思います。

1回生のみなさんはとても大変だと思いますが、
どんな論文・発表が出てくるのか、非常に楽しみなma34でした。

ma34.

2012.11.06

大学生のこの頃

ちょうどこの頃学園祭です。
BKCでは、11月3日、4日、
衣笠では、11月10日、11日に開催されます。
http://www.rits-fes-by-e2.net/

BKCの11月4日には花火も上がる。。。

そんなこんなで落ち着きのない時期でもあり、
少し寒くなりつつもある時期です。

さて、ここのところ感動のない生活をしているので、
なかなかネタに困ってきましたが、読んだ本でも紹介しようと思います。

みなさんは、佐野眞一はご存知でしょうか?
あまり有名でないかもしれないですね。
この方はノンフィクションライターとして、非常に有名な人で、
ダイエーの倒産や東電OL事件(冤罪が確定しました)など、
多くの事を取り上げています。




そんな中で、今日取り上げるのは、
『あんぽん』と『沖縄 誰にも書かれたくなかった戦後史』です。

『あんぽん』は、ソフトバンクの孫正義を取り上げたもの、
『沖縄・・・』は名前の通り、沖縄の話です。
特に『沖縄・・・:』は下手な小説より面白いので、
ぜひ読んで欲しいのですが。。。

両方とも特徴として、丹念なインタビューを通じて、
また関係者のネットワークを通じて、
過去の事実を、しかもあまり書かれない事実を丁寧に拾い上げ、
それによって、対象の表に出てこない基盤となる部分をうまく描き出している、
というのが特徴でしょうか。

『あんぽん』では、孫正義のルーツに焦点があてられ、
なぜ孫正義は孫正義となれたのか、について書かれていきます。
特に特徴的な父親が、うまく描かれています。

また、『沖縄・・・』は、アメリカ軍政下の沖縄の状況も含め、
多くの沖縄に関係してきた人物を通じて、沖縄とはどんなものなのか、
を描こうとします。
沖縄の暴力団に始まり、経済界、芸能との関係など、
描きつつ、沖縄と日本の関係を描き出しています。
結局、日本本土との同化政策によって、沖縄らしさ、
が失われつつ同化した姿で生きている、というのが結論と読みましたが、
非常に面白いものでした。

基地問題にしても、基地の存在と軍用地主の問題など、
あまり本土で見ない内容についてもきちんと触れられ、
佐野眞一のノンフィクションライターとしての強い思い、についても、
色々と感じました。

そんなこんなで、ネタに少し困った時の読書ネタ、でした。
そういえばそうそう、過去を振り返って、続きもの連載するんだったっけ。。。

来週こそは忘れずにしようっと。
ではでは。

PS:AMAZONのKINDLE、予約しました。家にAndroidタブレットは一つあるのですが、安さ、に惹かれてしまいました。。。ただのおもちゃになりそうな予感がしています。。。

2012.11.05

教員紹介 その5

先週のスポーツ健康科学セミナーで研究紹介とキャリアとの関連を話してもらったのは、分子生物学・生化学的アプローチで研究を進めている【hassy】先生とプロスポーツビジネス、スポーツ組織を研究している【joe】先生です。

 

20121105-1.jpghassy】先生は、運動も環境もストレス。そのストレスによる適応反応によって、ヒトは機能を高めたり、減退したりする。そのような事例を細胞・組織レベルでの応答から、個体としての人の「健康」「スポーツ」への応用までを分かりやすく解説しながら、現在、一番興味をもっている「脂肪」の研究について紹介。脂肪燃焼には、骨格筋やミトコンドリアが関与しており、「運動」とそこからもたらされる「乳酸」が鍵となる。このことを利用し、効果を高める方法を検証中。このところを①シーズ(種、宝)を探す、②どこにシーズを活かす場所があるか、③シーズを花開かせる、という観点でまとめてもらいました。細身ですが、良く通る声で、教室中をくまなく歩いて、学生に種を植え付けるような講義で、分子生物学の魅力とこの分野のキャリアを語ってもらいました。

 

20121105-2.jpgjoe】先生は、「スポーツビジネス」に関わる領域について、①カテゴリー(プロスポーツビジネス、スポーツイベントビジネス、フィットネスビジネス、スポーツブランドビジネス)、②様態(サービスビジネス、「する」、「見る」)、またそれぞれのビジネスの特性について解説してもらいました。プロスポーツビジネスは、時間消費型でありコアの商品は試合であり、エンターテイメントビジネス。とりわけコアな商品である試合が、レベルが高く、迫力があり、拮抗していることが一番重要である。そのための仕組みは、アメリカ型、ヨーロッパ型があるが、基本は「魅力ある試合づくり」に向けたシステムがプロスポーツビジネスに根底になければ発展20121105-3.jpgはないと、プロスポーツビジネスの概要を示してもらいました。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

オリンピック・マラソンで活躍したエリック・ワイナイナさんの講演とランニング教室が地元の小学生対象に行われ、娘と参加してきました。Never give up!の講演タイトルにあるように、夢・志をしっかり見据え日々の生活、トレーニングを情熱をもって着実に積み上げること、続けることを優しい語り口でこどもたちに伝えてくれました。彼の次の目標は、100kmマラソンの世界記録更新。必ず実現すると確信できる情熱と信念のランナーです。

【忠】

 

 

 

 

 

 

 

 

2012.11.04

私、プロレスの味方です

11月3、4の両日はBKC学園祭です。2日金曜の遅い午後から、テント、舞台、建物内部展示場等の設営準備がなされていました。セントラル・サーカスの噴水横辺りがメイン舞台となる様子。建物アドセミとアクロスの間にもロックバンド用の演奏舞台。セントラルアーク中央の通り沿いとメイン舞台を大きく取り囲むように、出店が多く並ぶと予想されます。

 理工学部のコア・ステーションへ向かう途中、メイン舞台を通り過ぎたメディア・センター正面やや右手に、もう1つの小さな舞台が目に入りました。高さ1m弱の舞台表面には白いマット、4スミには白い縦棒状マットとコーナーポストがあり、4段ロープで1m数十cmの高さまで、舞台上は周囲をぐるりと囲まれていました。知る人ぞ知る、それはプロレス・リングマットでした。

明日からの「興行」に向けて設営が完了したらしく、関係する学生達が何名か残っていました。そのうちの一人がこちらに向かって手を振ります。足を止めてその光景を見ているのは、私以外には誰もいません。私への合図だと確信して目を凝らすと、何と教養科目を受講している学生の一人でした。彼はプロレス同好会に所属する2回生です。方法実習「エクササイズ・トレーニング」の時間に会話を交わし、彼が所属サークルを紹介してくれたことがありました。その時とっさに私は、「村松友視著『私、プロレスの味方です』角川文庫、1981年と、同『当然、プロレスの味方です』同、1982年、を読みましたか?」と聞きました。著者も文庫本も古いので、彼はすぐには何のことなのかさっぱり、という表情でした。ひと月ぐらい前に彼に内容紹介し、珍しくも力を込めて勧めたことを、今回のリング発見で、私は鮮明に思い出しました。そういえば十数年以上も前から、学生の間にはこの種の同好会があり、学園祭の時には大学間を越えて交流興行を行っていました。(写真は準備完了のプロレスリングと村松文庫本2冊の表紙です。)

 

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プロレスは、家にテレビが入ってきたのと並行して私に接近接触するようになりました。力道山の名前は子どもの間で有名でした。銀髪鬼F.ブラッシーの噛みつき反則や覆面男Mr.アトミックの凶器頭突きに耐え忍んだ後に力道が空手チョップによる猛反撃を行い、人びとが溜飲を下げる光景は、大人と子供の区別なく大拍手が起こりました。子ども時代を通り大学生の頃には、アントニオ猪木やジャイアント馬場のような有名な選手が数々の興行や大会を行い、私も時折その報道に注目し、実際試合場にも行きました。

 二人組同士で戦うタッグ・マッチでは、日本組の一人が相手コーナー近くで孤立し二人掛りの攻めを受け続ける(反則が横行する)場面に観客も腹を立て、ヒーローも堪忍袋の緒を切る、というテレビ・映画のストーリーと同様のことが継承されていました。他方では、決め技・痛め技が多彩、派手、パワーアップすることが顕著でした。リングの4段ロープも跳ね返しだけでなく、飛び降り攻撃の威力を倍増するために使われ、「空中殺法」という呼び名が、翌朝スポーツ新聞の三面を飾ったこともしばしばでした。

 それでも、伝統的なスポーツに関係する人達からは、「あんな八百長、本気でやったらそんなのでは済まんぜ!!」と、胡散臭さが常に付きまとっていました。あれは「ショー」で、平等なルールの下で公正に競争して勝敗を決する真のスポーツとは、反対の極にある、という人もいました。けれども他方では、相手の技や攻撃を受けるために肉体を鍛えて準備することや、決め技、攻め技を繰り出すために筋肉系と呼吸循環系、それに神経系を鍛錬することは、プロスポーツ選手と同等以上のものを実感させました。

 

 さすがに学生時代を過ぎてプロレス熱は冷めましたが、教員になってからしばらくして先の村松氏の文庫本が出版されました。彼は力道山とシャープ兄弟の対決から始まる我が国プロレス界の変遷を振り返り、それが全体としては「興行」「ショー・ビジネス」であることを認めながらも、そのコンテンツの捉え方、築き方のなかにこそプロレスの真髄を見出そうとしていました。教えられたことは沢山あります。プロレスの真髄は自分の強さや凄さをみせることです。攻める技や決め技は重要ですが、最重要は「受け」にある、と彼は言います。相手の凄い技を受ける、相手の凄さや強さを引き出すことで、その凄くて強い者をさらに打ち負かして、自分の凄さを逆にアッピールする。これが、ストロング・スタイルのプロレスのストーリーの根底にある、と彼は分析的に述べています。

悪玉と善玉の対決、不平等とエコ贔屓それにしたい放題に対する堪忍袋の緒を切るスタイルは古いタイプの1つです。それに加えたストロング・スタイルで胡散臭さを数歩乗り越え、「スポーツ・ショー」としての楽しみ方が開発されたのか否かは、まだ明確ではありません。様々な意味で身体および身体運動を加工・開発する人びとの営みが、観る人びとの間に多様な解釈を生み出す過程が「スポーツにおける文化的認識」にとっては重要です。これらを他の分野(村松は作家、エッセイイスト)の人々がいかに考察、描いているかを参考にすることが1つのポイントだ、と私は感じています。

 

【善】

 

 

2012.11.03

台湾に来ています

昨日より、高地・低酸素トレーニング関連の国際学会に参加するため台湾に来ています。毎年国際学会には最低でも1回は参加していますが、私が関連する学会はおもにアメリカとヨーロッパで開催されることもあり、今回始めて台湾を訪れました。昨晩は、一緒に来ている大学院生のM嶋くんと一緒に(彼はポスター発表を行います)、地元の食堂で台湾料理を楽しみました。餃子が美味しかったです。


台湾は始めてということもあり空港からの移動など不安もあったのですが、学会を主催しているNational Yang-Ming Universityの大学院生の方々に空港までお越しいただき大変助かりました。また、ホテルに到着してロビーで少し休んでいると、筑波大学の大学院生だった頃に他の研究室に在籍していたJuliaさん(本名ではありません。English nameです)が立っているではありませんか!いやいや、驚きました。彼女は大学院で博士号を取得した後に台湾に戻り、現在は准教授として立派に学生を指導しています。今回台北を訪問することを伝えていたのですが、授業の合間に会いに来てくれました。昔の話で盛り上がり、非常に楽しかったです。ちなみに、学会期間中には昨年度大学院を修了した林(リン)くんが合流し、台湾の街を案内してくれる予定です。学会で訪れた異国の地で、かつて同じ場所・環境で共に時間を過ごした仲間と再会できる、、、これも学会の一つの魅了かもしれません。


さあ、本日からいよいよ学会スタートです。スポーツ健康科学部でこれまでに行って来た低酸素関連の研究をアピールしてきます!


GOTO

2012.11.02

流動性について

 先日、本棚の隅に茶色に変色した文庫本の束(読みもしないのに集めることで読んだ気になっている悪い癖)の中から、"独学のすすめ"(加藤秀俊・・・・好きな著者の一人)を拾い読みしてみました。その中で、『・・・・日本の哲学のなかには、一種の遍歴思想のようなものがあり、人間というものは、あちこちを移動することによって訓練されるのだという信念も存在していたようでもある・・・・』そのことの例として武者修行をあげ、『・・・・およそ剣に生きようという若い侍は、どこかの道場で基本を身につけると、旅装束をつけて旅に出る。そして行く先々の村や町で道場を見つけると、頼もう、と声をかけ、そこの先生に稽古をつけてもらうのであった。ときにはとっちめられることもあったろうし、生命の危険を感じることもないではなかったろう。しかし、こんなふうにして、じぶんがそれまで知らなかった土地で知らなかった人物を相手に剣の上達をめざす・・・・』と武者修行の意義をとらえ、それが意味することあるいは教訓と言っても良いかも流動性について

しれませんが『・・・・ひとつところでながいあいだウジウジしていてもたいした人間にはなれない、若いうちに、ひろく世間をみていろんな場面にぶつかることが人間の成長にはだいじなことなのだ・・・・とりわけ、ひとつの流儀だけに専念して小さく固まるのでなく、むしろ積極的に他流試合というのをやってみて、そのことによってみずからの限界と可能性を発見すべきだ、というみごとな哲学が武者修行物語にふくまれているのである。』と結んでおり、御意のとおり!

今日の経済事情から不本意ながら移動せざるを得ないことがありますが、我が国の労働市場の流動性の乏しさが時々話題になることがあります。しかし、最も乏しいのが大学かもしれません。アメリカ(基本的には契約制)と比較したら教員の流動性の低さは特に国立(大学法人)では顕著ではないかと思っています。もちろんすばらしい生え抜きの方もおられることは事実ですが、異質な場で多様な経験を積むことによる成長を恐れている者がいることも事実です。挑戦!勇気!(老ブロガー・ハル)

2012.11.01

歴史的謎の解明?

 Hamaです。
本日は、「読書の秋」を皆さんと分かち合おうと思います!
と言っても、面白いと思ってもらえるかどうか。。。
 先日、紹介した「化石の分子生物学」第2章を読んでです!

世間的には、文系と理系というステレオタイプ的な分け方がありますが、
それに則って、どちらのタイプの方にも読んでいただけそうな話題とします。

場所は、フランス、ブルボン家ルイ17世の時代です。


マリー・テレザの遺伝子が、マリー・
アントワネットに引き継がれ、ルイ17世に届けら
れたものの、1789年に起こったフランス革命の歴史のいたずらにより、
彼の命は、1795年
失意の獄中で生き絶えるのでした。幼少わずか10歳のことです。

しかし、獄中で息耐えた若きプリンス(実際には1793年に王となっていましたが)は、

実は、
替え玉であったとの噂が広がることとなります。

一族の栄華再盛を願う者たちが、彼が獄中の人となる前に、密かに

逃したのではないかとの憶測が広がったのも不思議ではありません


それから、ほぼ2世紀後、ことの真偽が明らかとなります。


ミトコンドリアにある遺伝子を解析することにより、
獄中で亡くなった彼は、ルイ17世
であることがほぼ確実となったのでした。

少し、最後の部分を除き、文系よりの話となりましたが、来週は、この話を
理系よりの話にしたいと思います!

【Hama】