[ 2017年06月 ] の記事一覧

2017.06.10

地域の中の大学

先日、OICのフユーチャープラザ1階のレストラン(Garden Terrace Lion)でアイスホッケー部OB/OG総会があり、少し早めに行き久しぶりにキャンパス内を見て回りました。国際試合の開催予定があるスタンド付のホッケー場、将来の建設予定地として広場では地域の人たちがサッカーを楽しんでおりました。“里山”の大切さを学ぶ教育施設?としての“山“はまだまだ時間がかかるかと思われる状況でした。また、岩倉公園では休日の為か家族連れだって、ジョギングやボール遊びをはじめ、さまざまな遊具(安全を配慮して地面は柔らかなゴムブロックが敷き詰められています)で思い思いの活動をされていました。さながら遊園地のような賑わいで、まるで外国のように大学から町(茨木市)が発展したような感を抱かせる様子でした。



 OICの近隣に住んでいる前の大学の教え子からの年賀状に、「立命館での運動遊びが子供との愛着形成に大変役立っています。先生とここでお会いできるのを楽しみにしています。」とも書いてあり、ここでも運動(遊び)の効用と大学の評価に、こちらも嬉しくなって幸せな気分になりました。幼児心理を学んだせいか、愛情とか、絆とは言わず、愛着形成を使っている点は、まだ忘れていないなとも思ったりしました。愛着によって人間は人から愛されること、他人を愛すること、他人を信じること、自分に自信を持つことを学び取ることができると言われており、孫の年齢にあたるその子の健やかな成長と近い将来本学に入学してくれることを期待したいと思います。(老ブロガー・ハル)

2017.06.09

真に怖いのは弱さを攻撃に変えた者なのだ。

1回生の付き添いで、京都衣笠キャンパス隣の平和ミュージアムに行ってきました。
去年も2回ほど訪れたのでこれで3回目になりますが、改めて常設展の資料の多さや充実した企画展の内容に驚かされます。
被害者の視点だけでなく、加害者としての立場からも多くの説明がなされており、バランスのとれた展示だなぁと毎回同じように感心してしまいます。



残酷な現実を目の当たりにするとついつい人ごとのように思えてしまいがちですが、すべて同じ“人”が行った行為だと思うと、いついかなる時代にも起こり得ることのだと身につまされる思いです。

実は、こうした人が他者を攻撃するメカニズムについては多くの研究が行われていますが、他集団への攻撃行動は実験状況ではほとんど再現されていません(例えばMummendey & Otten, 1998)。
私も研究で様々な状況を設定して他集団への攻撃行動を測定していますが、「匿名性が守られている(誰が攻撃したかわからない)こと」「反撃される可能性がないこと」「コストがかからないこと」といった限定的な状況下で、やっと些細なレベルの攻撃行動(相手の課題を邪魔する、等)が出る、といった感じです。それくらい、「他者を攻撃してはいけない」という社会的な規範や倫理観は強いのです。

研究者の立場としては研究ができないので困りますが(苦笑)、これは社会的にはとても明るい話です。そもそも攻撃なんてしなくていいのが一番ですからね。
しかし、その一方で、現実の社会では、国家をはじめとした多くの集団間で問題が生じています。これはなぜなのでしょうか?

もちろん社会システムや政治的な立場も大きな影響を及ぼしているはずですが、それらを構築する“人の心”のレベルを考えた時、その動機は恐怖(fear)と搾取(greed)の2種類があるだろうと言われています。特に恐怖は厄介です。相手の攻撃を予測して先に攻撃をしてやろうということですが、その「相手の攻撃の予測」にもバイアスがかかってしまう(「攻撃してくるに違いない」と思い込んでしまう)からです。

さらに、これらの動機が先ほども言ったような社会的な規範や倫理観によって抑制されている間はよいのですが、正当化されることで行動に移されてしまいます。
個人的にもこの正当化の過程は興味があって博論の実験の一部になっているのですが、自己肯定感が他の集団によって脅威にさらされたとき、攻撃を正当化するようなイデオロギーに触れると攻撃行動が表出しやすくなることが示されました(杉浦・清水・坂田,2014)。
“攻撃を正当化するイデオロギー”というのは、例えば立場の高い集団なら「自分たちはこんなに相手の集団のためにしてあげているのに」、立場の低い集団なら「平等の実現のためにはいかなる手段も仕方ない」といった信念や価値観のことです。
短い文章を読ませただけでも行動に違いが出たくらいなので、新聞、テレビ、インターネットを介せば正当化の材料は山ほど出てくるでしょう。一つの実験の結果なのでまだまだ検討の余地がありますが、「正当化」は攻撃を抑制するうえで重要な過程だと思っています。

こうやって書くと絶望的な気持ちになりますが、もちろん集団間での良好な関係を保つためにはどうしたらいいのかという研究もたくさんされています。
また、「暴力の人類史(上下巻)」という2015年のスティーブン・ピンカーの本では、古代から現代にかけて暴力は減り続けているということが圧倒的な量のデータで示されています。

個人的には、自分の意見を持ち、その意見が本当に正しいのかどうかを考え続けることが必要なのかなと思います。自分の考えは本当に正しいのか、物事をバイアスをかけてみていないか…、こうした疑問はおそらく他者への興味や理解へとつながるでしょう。

1回生のみなさん、全クラス平和ミュージアムの見学が終わったこの機会に一度立ち止まって、自分にできることを考えてみてはいかがでしょうか?


あかん、つい自分の研究に関連することなので長々と話してしまいました。
重い話で終わるのはこのblogらしくないので、衣笠キャンパス近くのおすすめのお店情報で締めようと思います!(笑)

フルーツパーラー&カフェの「クリケット」さんです。
フルーツサンドが絶品です。平和ミュージアムから徒歩5,6分で行けますよ!



向かいにおいしいパン屋さん(ブランジェリー ブリアン)もあるので、ぜひ一度行ってみてください。

2017.06.08

CadaverTraining

こんにちは、shinoです。

今週水曜日から梅雨入りしましたね。
しばらくうっとおしい天気が続くかも知れませんが、元気を出していきましょう。



先週、私はシンガポールに行ってきました。

何をするために行ってきたかというと、CadaverTraining(キャダバートレーニング)に参加するためでした。

CadaverTraining(キャダバートレーニング)って何だ??、何のトレーニングだ??って、思われるかもしれませんね。

Cadaverとは、一言でいえば、御遺体のことです。
つまり、提供していただいた御遺体を解剖しながら勉強することを、CadaverTraining(キャダバートレーニング)と言います。

なぜ、シンガポールまで行って解剖の勉強をするのかというと、
ホルマリンでの固定(防腐処理)をされていないcadaverを、勉強のために解剖することは、日本ではかなり難しいからです。

日本の大学の医学部などで解剖の授業はもちろんありますが、
その時に使用するcadaverは、全てホルマリンでの固定(防腐処理)が行われた後のものです。
もちろん、ホルマリン固定後のcadaverでも十分勉強することはできますが、
やはり、実際の身体とは、質感(硬さや柔らかさなどの触感)が全く異なります。
つまり、どれだけたくさんホルマリン固定後のcadaverで勉強しても、
ホルマリン固定がされていないcadaverで勉強することとは、得られるものがまた違います。

日本ではホルマリン固定がされていないcadaverを使って、解剖しながら勉強できる場所(大学)は、
現在のところ限られており、そのような勉強会に参加すること自体なかなか難しいです。

したがって、ホルマリン固定がされていないcadaverを解剖しながら勉強しようと思ったら、
海外に行かないといけません。

ということで、臨床と解剖の勉強をするために、シンガポールへ行ってきました。


2日間でしたが、朝から夕方まで昼ご飯を食べる以外は休憩もなく、非常にタイトなスケジュールでしたが、その分、みっちり勉強することができました。

これまでの知識の確認だけでなく、新しいことを教えてもらうことができ、
内容の濃い、大変有意義なセミナーでした。

実際の状況が分かる写真などを載せた方が、皆さんにはよく伝わるとは思うのですが、
いろいろな制約もありますし、
なんせ、CadaverTrainingなので、その写真もあまり気分のいいものではない写真になる可能性があるかと思いますので載せることができません・・・すいません。


どの分野でも同じだと思いますけど、
これまで学んできた知識や技術は、常に更新され、新しい情報が入ってきます。

つまり、いつ、どういう立場になっても、日々情報を取り入れ、
自分に活かせるように、バージョンアップしていかないといけません。


我々も、学生の皆さんと同じです。
一緒に頑張って勉強していきましょう。

2017.06.07

大学に結集する智

表紙の写真は、「世界で最も美しい本」と言われるケルズの書があるところ、トリニティ・カレッジ・ダブリン(の博物館)です。
ケルズの書は、8~9世紀ころに制作された聖書の写本だそうです。スコットランドやアイルランドの修道士たちによって装飾されたという、その絵柄、カリグラフィー、色合いなどすばらしい!! の一言につきました。

そこからの旧図書館「ロングルーム 【下の写真:カラー版で】」と最古のアイリッシュ・ハープ(ダブリン生まれのギネスビールもハープをロゴにしていますよね)。興奮しすぎたのか、写真の手振れがこの場所の分だけひどいのですが、なんとか1枚。
ハリーポッターの世界のよう。

先人たちの智が結集したところ、そしてこれから新たに智を深化させていくところが図書館であり、大学でありたいと改めて感じました。

(この土地でみた虹 : この国の民話に、妖精が虹の根元に黄金壺を隠して管理している、という話があるそうですよ。そんな話も生まれそうな雰囲気です。)

ippo

2017.06.06

保健教育について

 今週末から近畿地方も「梅雨」に入るかもしれないと天気予報では言ってましたが、ここ数日は天気が良く、清々しい日が続きます。先週末の近畿地方は、異常気象の影響でしょうか、突風と雷が激しかったようですね。「ようですね」って・・・先週末も高知県に行っておりまして、近畿地方荒天情報は家族から聞きました。玄関戸の隙間から、ものすごい勢いで風が入り込み、ゴーッという音が不気味に響いていたようです。地球温暖化はどこまで環境に影響を及ぼすのでしょうか。世界のリーダーの動きを見るにつけ不安になる今日この頃です。

 5月30日(火)に博士課程後期院生さんの「先端スポーツ健康科学特論Ⅰ」という講義がアカデミックラウンジで開講されました。講師として、スポーツ庁政策課教科調査官の森 良一先生をお迎えして、「保健科教育の考え方」と題してご講義を頂き、私も拝聴させて頂きました。

 森調査官は今回改訂される学習指導要領の作成に深く関わっておられるので、改訂の趣旨等を詳細に説明して頂きました。「何を知っているか・何ができるか」「知っている事・出来る事をどう使うか」「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」について、保健科教育としてどのようにアプローチするべきなのかを具体例を交えて説明して頂きました。日本の保健指導内容は、小学校かから中学校、高等学校と学年が進行するにつれ、質・量ともに増えていますが、これは、人が生涯を通じて自らの健康を適切に管理し改善していく資質や能力を育成する事を目的としています。


 「自らの健康を適切に管理」という文言を見て、冷静に自分の事を振り返ってみると、慢性の肩こりや頭痛、運動不足や暴飲暴食など不摂生な日々を送っている事を猛省しました。
 厳しい夏を乗り切るために、時間を作り出して、ウォーキングをしたり、食を節制する事に真剣に取り組まなければと思いました。・・・がその後、森調査官との懇親会でビールと焼酎が進み、飲みすぎでフラフラしている自分がいて、自己管理する事の難しさを痛感した一日でした。反省・・・(反省だけならサルでもできるって、昔CMであったような)

2017.06.05

Research(研究)

先週の朝食実習は、基礎演習のDクラス(【道】先生担当)でした。
【道】先生が、準備のところから、マメマメしく動かれていました。何せ、料理は非常にお得意の先生です。



朝食実習のときの、『今日のひと言』は、「あいコア」(ICORE)精神の、
4番目 Research (研究)です

あいコア精神については、次のキーワードです。
I   Integrity 高志
C Challenge 挑戦
O Original 創意
R Research 研究
E Effort 全力

 Research を英和辞書で引くと、
〔熱心な〕探求、追求
〔学問的な徹底した〕研究、調査
〔研究者の〕研究

 とでてきます。研究論文は、主に上の3つめにあげられた内容によるものとなります。一方で、何か物を購入するときに、Aの商品とBの商品を徹底的に比較することも、ある意味、研究(上記の1つめ)にあたります。
学部生が学部での学びの集大成として卒業論文に取り組むのは、まさに2つめの学問的に徹底した研究となります。

今日のひと言での説明は、次のように行いました。

Research (研究)

明らかにすべき課題を探求、追求するため
Why What を重ね
科学的事実と理解を得ること


課題に対して深く追求するためには、何度も何度ども、なぜ、なんで、を繰り返しながら、課題を掘り下げながら、明らかにできた客観的事実に基づく科学的説明ができることでしょう。1回生のみなさんが、4年後に、スポーツ健康科学の研究を通じて、新しい科学的事実を発見し、発表できることを楽しみにしています。
 
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>


先週、打ち合わせがあり、東京大学・本郷キャンパスに行ってきました。都心とは思えないほど緑豊かなキャンパスでした。安田講堂で打ち合わせでしたが、少し早めについたので、キャンパス内の三四郎池(夏目漱石の小説から命名)を一回りしました。「心」の字の形をしていると言われておりますが、全体像までは把握できませんでした。ただ、緑に囲まれた池を巡りながら一息つけ、心落ち着けて打ち合わせにのぞめました。
 【忠】

2017.06.04

オーデンセ(その1)

先日、デンマークの中央部にあるフェン島に行ってきました。フェン島にはオーデンセという街があります。オーデンセはデンマークから約100km離れた街ですが、特急列車に乗って1時間ちょっとで移動できます。

オーデンセにはUniversity of Southern Denmarkのキャンパスもあります。この大学はコペンハーゲン大との連携も強いことから、運動生理学の分野における研究も盛んです。


 

オーデンセはアンデルセン童話ので有名な童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセンの出身地としても知られています。



当日は曇り空が多くあいにくの天気でしたが、アンデルセンが育った街を見学してきました。落ち着いた街並みで、天候が悪かったせいもあるかもしれませんが、比較的静かでした。

 

オーデンセには公園も所々にあるのですが、自体重での筋トレする器機やクロストレーナーのようなエアロビの運動ができる機器などが自然の風景を損なうことの無いようにごく自然に設置されていました。日本でも最近は公園にシンプルな懸垂ができるような器機を見かけますが、特に日頃運動をしていない人にはハードルが高いように思います。

シンプルに使い方を図示して、簡単に見よう見まねで運動できる、設備が公園に設置されると運動への抵抗感も軽減するのかもしれません。

僕が写真を撮っている際にも何人かの方が実際に器機を使って運動していました。

 

satoshi

 


2017.06.03

運動がすべて?!

身体活動というと、運動やスポーツ、体育の授業、クラブ活動などイメージすることは人によって違いがあるかも知れませが、これらの活動が精神的な健康に果たす役割について、引き続き述べたみたいと思います。これまで、スポーツ心理学の分野ではスポーツの精神衛生学的な価値として、①社会的安定感と自発性の増大、②独立性の発達、③緊張の解消、④友情、人望、リーダーシップの基礎の形成、⑤自己に対する価値観の発達などが指摘されてきました。しかしながら、スポーツを行って来た者にとっては、あり得る事象であり、またあって欲しい事象であります。しかし、なかなか実証的な研究となると難しい面があり、特にメカニズム研究となると方法論上の限界もあり決して多くはないように見受けられます。


そんな中、つい先日デジタル・ニュースで岡山理科大理学部研究チームが、”うつ状態のマウスでHSP「105」というタイプのたんぱく質が脳内の一部(主に海馬、大脳皮質と思われますが)で減少しており、この「脳由来神経栄養因子(BDNF)」というタンパク質の量を増やすことで、うつ症状を抑えている仕組みも突き止めた”ことが記されておりました。重要な点は、運動がBDNFの発現を亢進することから、運動→BDNFの亢進→うつ症状の改善が成り立つことです。
運動の生理生化学的メカニズムを背景に精神的健康のための運動の効用を強調するならば、不安や恐怖などの軽減、とらわれ感からの解放、感受性の高まり等々、心の主体性を回復し、生を深めることにつながると言えるかと思います。(老ブロガー・ハル)

2017.06.02

君の名は。

今年は特別にスポ健オリジナルの名刺を作っていただきました。
縦型珍しい!白×赤のコントラストがかわいいデザインです。

裏にはあいコア精神が!
ありがとうございます。学会でばらまきます。

そういえば…、今、PCでこのブログをご覧の方は左側のサイドバーの部分をご覧ください。
そう、そこです。白黒の部分です。
そこをちょっと下にスクロールして「教員」の欄の私の名前の部分をご覧ください…

※2017年6月1日現在


Hitomo (笑)


間違っている(笑)思わず笑って担当者さんに「これ、ブログのネタにしていいですか!?」と聞いたところ、謝罪とともに快く「OK」をいただきました。ネタを提供してくださった時点で謝罪なんてよかったのですが、「じゃあ…しばらくこのままにしておいてください」とちゃっかりわがままを言ってしまいました。

ちなみに私は人の名前が全く覚えられないタイプでよく間違えます。T田先生とU田先生が大混乱だった去年の今頃がなつかしい…。

以前、研究会後の懇親会中に田岡さん(仮)を「田村さん」と呼び続けたことがあるのですが、間違いに気づいて慌てて謝罪したところ、「名前なんてものは識別記号の一つで、『僕のことだな』って分かった時点でその機能は果たされているんですよ」と逆に慰められてしまったことがあります。
あれは感激したなぁ。私も田岡さん(仮)のような器の大きい人間になりたいです…。

名前と言えば、最近「顔を見たらその人の名前を当てることができる」という面白い論文を読みました。
知り合いではない人の顔写真を提示して、4~5個の選択肢の中から本当の名前を当てるという課題をすると、期待値を有意に上回る(要するに、適当に選んで当たる確率よりも高い)正答率が得られたそうです。

イメージとしてはこんな感じです。(女性の先生方、お名前をお借りしました。)



※即席で作ったので細部が再現されていません。実際は笑顔ではなく無表情で、ちゃんと背景も消してあります。ピースサインもなし。履歴書用の写真みたいな感じです。これを20~25問くらい繰り返します。

記事(英語):http://www.apa.org/news/press/releases/2017/02/look-like-name.aspx
論文:Zwebner, Y., Sellier, A., Rosenfeld, N., Goldenberg, J., & Mayo, R. (2017). We look like our names: The manifestation of name stereotypes in facial appearance. Journal of Personality and Social Psychology, 112(4), 527-554. doi:10.1037/pspa0000076

どうやら、これには「予言の自己成就」が関係しているみたいですね。
名前には、知らず知らずのうちにステレオタイプが形成されており、無意識に自分の名前のイメージに沿った表情や振る舞いをしてしまっているそうです。
※ステレオタイプ…固定観念。たとえば、「日本人は礼儀正しい」とか「関西人は面白い」とか、カテゴリーに付随するイメージのようなものです。

“Bob”は丸い顔というステレオタイプがあるそうです。へー、知らなかった…
日本だと“タケシ”は強そう、とかそんな感じですかね。

最初「ほんまかいな!」と思ってしまいましたが、言われてみるとたしかに名前のイメージってあるかもしれません…。最近はいわゆるキラキラネームというやつもありますから、若い人ほど難易度が高そうです。(「キラキラネームっぽい顔」というステレオタイプもありそうですが)

選手のキャッチコピーなんかでも同じようなことが起こりそうですね。意外とモチベーションやパフォーマンスに影響を及ぼしているのかも。

「ひとみ」は…う~ん、綺麗目の女性らしいイメージだなぁ…おっかしいなぁ……
名前に恥じない自分を目指して精進します。

Hitomo

P.S. 来週こそ…タイトル…!!

2017.06.01

6月に入りました。

こんにちは、shinoです。

6月に入りましたね。
暑い日が多くなってきましたが、皆さん体調は崩されてはいないでしょうか?



先週末、日本ラグビー協会によるマッチドクターの講習会が東京でありましたので、出席してきました。

私は、大学時代にラグビー部に所属していたことから、ラグビーをメインにスポーツ医として活動しています。
もちろん、ラグビー以外の様々なスポーツにも関わっていますし、
これからも、あらゆるスポーツをしている選手を診ていきたいと思っています。

皆さんもご存知の通り、日本ラグビー協会は、2019年のワールドカップ日本開催に向けて、着々と準備を整えています。
先日、プール(予選リーグ)組分け抽選会が京都で行われ、
その様子はニュースでも少し取り上げられていましたね。

日本の対戦相手は、アイルランド、スコットランド、他2か国(未定)になりました。
対戦相手が決まると、日本で開催されるということをいよいよ実感してきます。

2019年なので、まだ2年も先のような気がしますが、
準備する側としては、たぶん、もう2年しかないと言った方が良いんでしょう。

メディカル部門も、選手の安全を第一に、日々スキルアップに努めています。

ということで、2019年のワールドカップを見据えて、
脳振盪を中心とした頭部外傷の評価(Head Injury Assessment:HIA)を、
日本でも昨年度よりラグビートップリーグ(社会人、プロで構成される国内最高峰のリーグ)に導入することになりました。

HIAとは、ピッチ内外で、試合中に簡易的に脳振盪(疑い)の有無を判断するための評価ツールです。
ラグビーは、当然、選手同士がぶつかり合う接触プレーが多いため、脳振盪の発生も多いスポーツであるといえます。
前のブログにも書きましたが、スポーツ選手の安全を守るためには、脳振盪の診断を速やかに行うことは非常に重要です。

私も、昨年度、ラグビートップリーグで数試合のマッチドクターをさせていただきました。
『マッチドクター』とは、試合のために配属されるドクターのことで、チームに所属しているいわゆる『チームドクター』ではありません。
他の競技での『マッチドクター』の役割は、試合を観に来ている観客に対する救急対応がほとんどになります。選手の怪我に対する対応は、主に『チームドクター』が行います。

しかし、ラグビー競技において、『マッチドクター』は、試合中に起こる選手の脳振盪や怪我に対し、敵味方無く、中立の立場で動き、選手の安全を守り、サポートするのが主な役割です。
そのために、事前にHIAの講習を受けていないと、役目を果たすことが出来ません。

今回の講習会では、昨年度に導入されたHIAの適応結果や問題点、再確認すべきことなどを、
グループワークを用いながら、インストラクターの先生にレクチャーしていただきました。
日曜の午後だったのですが、50名以上の先生方が、全国から集まり、意見の交換を行いました。

以前に勉強したところも、曖昧であったところも、再確認することができ、
かつ、新たな知識も教わることができましたので、大変有意義な時間でした。

全員で知識を共有することで、全体のレベルアップに繋がり、
しいては、選手の安全を守ることができます。

2年後のラグビーワールドカップが無事に成功するよう、
メディカルもどんどんレベルアップしていきたいと思います。

今年も8月の最終週よりラグビートップリーグが開幕します。
トップリーグの試合は、全国のスタジアムで開催されていますので、
時間がある方は是非ともスタジアムに足を運んで下さい。

試合で我々が実際にどんなことをしてるかは、このブログでもまた紹介することにしたいと思います。

では、