2016.09.27

スポーツタレントの発掘・育成

後期が始まり、キャンパス内は再び学生さんたちのにぎやかな声が響き、私の研究室にもつぎつぎに学生さんが訪問してくれています。

先日、宮崎県のワールドアスリート発掘・育成プロジェクト(WAP)の講師としてお手伝いをしてきました。この宮崎ワールドアスリート発掘・育成プロジェクトは、「宮崎県内の優れたスポーツの素質を有する子ども達を早期に見出し、オリンピック競技大会や国際大会、宮崎県開催予定(平成38年)の国民体育大会で活躍できる選手の育成を目指すとともに、将来のリーダーとしてスポーツ界で活躍できる人材育成も目指している」(プロジェクトの趣旨より)とのことで、今年度よりスタートしています。

スポーツタレントの発掘・育成といえば、フェンシングとカヌーの2種目の種目に特化したプログラムとする京都府の「京の子どもダイヤモンドプロジェクト」に代表される「種目選抜型」(こちらは、スポ健から【jin】先生、【ippo】先生が関わっておられます)と、福岡県が先進的に取り組んできた、基礎的基本的な運動能力全体をバランスよく向上させるとともに、あらゆる競技を経験した上で適性競技へと導く「種目適性型」の大きく2つ、さらにはある種目のアスリートが自身の特性を活かすことができる別のスポーツに変更する「種目最適型」に分かれますが、宮崎県は「種目適性型」を採用しています。

県下の小学5年生と中学1年生の応募者約500名より、2回のオーディションを経ておよそ50名程度が選抜され、普段ではなかなか体験できないあらゆるスポーツ競技・種目を体験するとともに、多くの競技・種目に共通する体力・運動能力を身につけること、さらには将来世界を舞台に活躍できるアスリートになるためのコミュニケーションスキル向上プログラムや保護者への栄養指導など、多岐にわたるプログラムが準備されています。

そのうち私は、あらゆるスポーツ種目の基礎的基本的な運動能力を支える動きづくりについて、動作コオーディネーション能力の考え方を中心においた、「コオーディネーショントレーニング」を担当しています。ジュニア期〜ジュニアユース期においては、神経系の運動能力の発達の最感受期とされています。よって、ある1つの種目のスキルの鋳型へと子供達の動作を当てはめていくのではなく、どれだけ身体のもつ自由度を適宜動作課題に応じて適応変換させていくことができるかという点に特に焦点を当てて、トレーニングの内容を工夫して実施しています。今年はあと数回、宮崎に行かせていただけることになっており、こうしたプログラムが将来世界で活躍するアスリートの育成に少しでも寄与できればと思っています。





当日は、私のゼミに所属する学生で、宮崎県出身の【Hane】くんが、偶然帰郷しており、トレーニングの補助を務めてくれました。候補者の子どもたちは、同郷の大学生の補助に雰囲気が和らいだのか、いつもにも増して一生懸命そして楽しくプログラムに取り組んでくれました。



【ken】