2016.10.25

中四国小学校体育研究大会

先週末に、島根県松江市で第54回中四国小学校体育研究大会が開催され、【ken】も指導・助言者として参加してきました。この研究大会は、中四国地域の小学校の先生方が体育科の授業の質的向上を目指して年1回の研究大会を中四国の各県持ち回りで開催を担当しているもので、昭和31年より続き、今年で61回目を迎えるという歴史のある大会です。今年は500名を超える参加者があったとのことで、体育の授業の改善に向けた先生方の日々の努力の結果が伺え、充実した大会となりました。

今回の大会テーマは、「動いて気づく できていかす しまねっ子 ー動きを高め、運動の醍醐味を味わう体育学習ー」ということで、動きの特性にふれることで得られる、基礎的感覚、基本的技能をなにより重要視するとともに、それらを活かした活動を行うために児童同士が積極的な言語活動を促進させたり、まなびを振り返ったりすることを追求するものでした。
どの県の発表も、こうしたテーマを踏まえてしっかりと練られた提案授業ばかりで、小学校教育現場の先生方は、さっそくご自分の担任学級で試してみたいという積極的な意見がだされていました。


会場となった小学校の校舎内には体力アップのためのメニューがいたるところに掲示されていました。


【ken】が指導・助言に入った、岡山県小学校体育連盟の発表では、以前にこのブログでも紹介しましたが、体つくり運動領域の「多様な動きをつくる運動」の「力試しの運動」についての提案授業が発表されました。提案授業の主たるテーマは、「ちから」のあり方に着目するというもので、最大下の力発揮から、的を狙った力のコントロール、物から人を対象とした力発揮の違い、そして相撲の形式による相手に対応した戦術と力発揮というように、指導内容が系統的に構成されたもので、「ちから」の世界がもつ豊かな世界へと児童の学びを誘うことに成功していました。提案発表後の協議でも多くの質問が出て、先生方の関心の高さが伺えました。
こうした成果をもとに、岡山の先生方は、さらに体つくり運動領域に限らずそのほかの領域も含めた体育授業の向上に取り組まれるとのことで、大変うれしく思いました。

また、参加者のなかに私が小学生の時に担任をいただいた先生が役員としてご出席されており、30数年ぶりに再会し、お話させていただくことができました。いまでは教員を引退され、晴耕雨読の生活をされているとのことでしたが、大変嬉しいことにいまでも小学生時の私のことを覚えていただいており、昔話に花が咲きました。その先生に担任をいただいたときに、大きな体育の研究大会の研究授業をしていただいたことがあり、それがいまの私の原点ともいえる体験ともなっていることを改めて思い出すことができた貴重な時間となりました。




※追記
大会開催中に鳥取県中部を中心とする地震が発生しました。松江市は震源の隣県といえども大分揺れ、大会に参加されていた先生方の学校でも、児童が緊急避難している等の連絡が随時入るなど、会場は緊迫した空気となりました。そうした中で大会を続行することができないと大会組織本部は判断され、以降の予定がすべてキャンセルとなりました。
被災された地域の方々の1日も早い復興をお祈りいたします。




【ken】