2018.03.18

研究の被験者

人を対象とした研究を実施する際には、一般的に被験者と呼ばれる研究の対象となるボランティアが必要になります。

被験者の募集(リクルート)に関しては、マーストリヒト大学では疾患を有する患者さんを対象としたり、ICU(いわゆる集中治療室)など既に入院している患者さんを対象とすることも多いようです。そのため被験者のリクルートもその担当医師を通じて行うことがあります。

若年被験者の場合は特に学生を対象とした試験者が多く学内の掲示板にはぎっしりと被験者募集に関するチラシが貼り付けられています。チラシの他にもFacebookなどのSNSを用いたりもするようですが、一番集まりが良いのは学内の掲示板へのチラシの張り出しのようです。

他の研究室も常に被験者を募集してるので、いかに自分のチラシが山ほど貼ってあるチラシの1番上に来るかを常に意識して他の広告に埋まってしまわないように貼り直しています。
学生の被験者に関しては留学生も多いため(ある研究では50%が留学生)、チラシに記載されている研究内容や連絡先などの説明も英語で書いていることが多いです。



トレーニング実験(被験者に特定の運動を実践してもらい、その効果を検証する試験)に参加している高齢の被験者さんとお話しする機会がありましたが、院生が親身に話を聞いてくれるとか、また研究についても詳細に説明してくれるので、研究自体に興味を持てる、研究に参加することがとても楽しい、とおっしゃっていました。
しっかりとした信頼関係が築かれているなと感じました。

学生の被験者に関しても他学部の学生を含め臨床研究内容自体に興味を持っている学生が多く、実験中も常に試験を実施している院生に質問したり、色々な会話をしながら研究の有用性や社会還元等についてディスカッションしている様子が多く見受けられます。

これは日本ではあまり見かけない状況です。実験に参加するボランティアへの認識や文化の違いもあるかと思いますが、被験者は常に何かを学ぼうとする意識も高いな、感じました。

最近は院生にオランダ特有の食べ物について色々教えてもらうことが多いのですが、分割写真の左下の”豆腐”の容器のようなものはkwakと呼ばれるヨーグルトです。脂肪分が少なく、タンパク質の含有量が多いので、筋肉の研究をやっている我々には色々な意味で”美味しい”ヨーグルトです(実際の味は酸味がキツいので、ジャムやシリアルなどと混ぜて食べるのが一般的なようです)。

写真の右下のたこ焼きのように見えるのは、オランダ風(?)パンケーキのPoffertjesです。粉砂糖をまぶして食べますが、こちらはフワフワ食感と甘みがマッチして最高のデザートです。

satoshi