2018.09.14

留学先での先生との相性の話

また金曜日になりましたね。うむ。ネタがない。なので今日は留学中に困った話を一つしたいと思います。立命にも留学希望の学生さんがいるかもしれませんが、参考になればと思います。


留学すると新生活を迎える上で困ることは色々あるのですが、研究・勉強面で僕が最初に困ったのは指導教員のハンドライティングが読めないということでした。前に書いたブログでもお話ししましたが、僕はアメリカの大学院に行きました。University of Connecticut の Storrs 校というコネチカット州の州立大学の言語学科に入学したのですが、そこを選んだ理由は自分の専門の有名な先生がたくさんいたからでした。


そんな憧れの研究者に指導してもらえるということで、希望に胸をふくらませてアメリカに向かったのですが、いざ学期が始まると「読めない。。。」となったわけです。僕が最初に付いた先生はセルビア人の男性の方で、とにかくエネルギッシュでセルビア訛りの英語で高速で話すので話が半分くらいしか耳に入ってこないし、僕が書いた論文に手書きでコメントをつけてくれるのですが、殆ど読めない(下の写真参照)。


そもそも欧米では文字を綺麗に書くことに価値をおいていないので、綺麗に(少なくとも読める程度に丁寧に)文字を書く文化に慣れている我々にとって、これは大変です。もちろんわかりやすい文字を書く人もいますが、もし読めない文字を書く先生に指導を受けることになれば、コメントや質問にどう答えるかを考える以前に余計な仕事ができることになります。。。


僕は非常に短気だったので(今でもそうですが)、これは大きなイライラの原因になりました。コメントが読めないので無視することもあったのですが、「俺のコメントを無視するな」的なことを言われて怒られてしまいました。僕もまだまだ無知で傲慢だったので言い返したり意地になって自分の好きなようにやったり、まあ今考えば愚かでした。「PDF にコメントをつけてくれ」とも頼んだのですが、なぜがこのセルビア人の先生はハンドライティングにこだわるのです。まあ非常にいい先生でサポートをしてくれるんですが、ちょっとエネルギッシュ過ぎて僕にはサポートが過ぎるところもあって、結局最終的には指導教官の変更ということになったわけです。。。新しく付いた先生はカナダ人とオーストリア人で、夫婦の先生たちだったのですが、二人とも PDF でコメントを付けてくれたので良かったです(笑)さらに僕の短気な性格を理解していて上手くコントロールしくれました。僕のモチベーションを上げたり新しい研究の方向性を示してくれたりと、最終的には一緒に論文を書くほどに良好な師弟関係なりました。


というわけで、この二人の先生にはとても感謝しているのですが、こうやって振り返ってみるとハンドライティングがどうのこうのというよりは、そもそも最初の指導教員との相性が良くなかったわけです。教員も人間ですからいろんなキャラクターがあります。セルビア人の先生もとても有名で素晴らしい研究者なので、もうちょっとしっかりコミュニケーションをとっていれば良かったのかなとも思いますが、あの破局がなければ今の自分があるかどうかはわからないので、まあこれはこれで良かったんだと思います。


新しい二人の先生と上手くいった理由としては、まず興味の対象が似ていたことが大きかったと思います。そしてコミュニケーションをしっかりとってくれたこと。特にオーストリア人の先生は(スージーっていうんですが)、色々相談に乗ってくれてとても長い時間を僕と話すのに割いてくれました。最終的には論文雑誌の査読を任せてくれたりしたので信頼してくれていたんだと思います。信頼関係を構築することはどんな人間関係においても大事ですね。



(ちょっと前の写真ですが、先生と僕です。僕は結構酔っ払っています。。。)


というわけで、僕からのアドバイスですが、留学したら指導してくれる先生とはしっかり話してください。言葉の壁があるのでなかなか上手く伝わらないこともあるかも知れませんが、とにかく自分の考えや思っていることを伝える。意固地になってしまうと僕の留学初期のようになってしまいます。「しっかり話す」って当たり前にことかも知れませんが、これが結構むずかしい。


ちなみに同様のことが日本の大学でも言えるかも知れませんね。ちなみに噂によれば、僕はどうやら(控えめに言っても)「気難しい」と学生さんに思われているらしいですが、個人的に話をすると僕は優しいですよ(笑)後期に僕の授業を受ける皆さん、授業で困ったことがあれば相談に来てくださいね(笑)


では、また来週。