2018.11.18

滋賀県消防学校における講義

先日、滋賀県消防学校において講義(体育理論)を担当しました。消防士の業務において体力はきわめて重要であり、日頃から体力レベルの向上・維持に努めていらっしゃいます。ただし、火災などに伴う出動は不規則ですので、週の業務の中で体力トレーニングのための時間を定期的に確保することが難しいことも事実です。また、最近ではデスクワークに費やす時間も増え、職員の体力レベルの低下も懸念されています。そのため、短時間で効率的に筋力や全身持久力を高めることのできる科学的なトレーニングの導入が消防の現場でも求められています。このような現状もあり、今回、消防士の方々に約2.5時間にわたり講義を行う機会を頂きました。今回の受講者は私と同年代が多かったのですが、終始熱心に講義を聴いて下さりました。また、講義内での質疑応答においても質問が続き、講義終了後には細部の確認のために数名と話をすることができました。

滋賀県消防学校では、職員の体力管理に積極的に取り組まれており、先月には「体力管理の指針」として体力に関する基礎知識、体力の評価方法や具体的なトレーニング方法などをまとめた冊子を独自に作成されています。その中には今回の講義で取りあげた「スロートレーニング(低負荷・低速度で行う筋力トレーニング)」やIzumi先生が長年、研究を続けられている「タバタトレーニング(20秒の運動と10秒の休息を繰り返す運動)」に関する内容も含まれています。

大学教員の立場としても、大学での講義や学会などにおける発表に加え、研究から得られた知見を社会に還元できる機会は貴重です。特に、今回、緊急時に私達を救助して下さる消防士の体力錬成に関わることができたことは大きな喜びでした。

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