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A mechanism underlying preventive effect of high intensity training on colon cancer


 大腸がんは、近年患者数が増えており、我が国において、登録患者数が男女とも2位となっています。疫学的研究から身体活動・運動は大腸がんの予防効果があることが知られていますが、その機序(仕組み)は明らかではありません。従来、中等強度の身体活動・運動により大腸がん発症の最初の段階である前がん細胞(異常腺窩(Aberrant Crypt Foci; ACF))を増加させ、将来の大腸がん発症抑制させる可能性があることが報告されていますが、本研究では、高強度・短時間・間欠的運動(いわゆるタバタトレーニングで用いられる運動)が大腸が発症の最初の段階である前がん細胞を減少させ、将来の大腸がんの発症を予防する機序を明らかにしました。

 前がん細胞の発生から、大腸がん発症には20年以上かかることを考えると、この研究の結果は、サッカー、ラグビー、バスケットボールのような嗜好性が高く、人生で長く続けられるようなスポーツが将来の大腸がんの発症予防効果を期待することが出来ることを示していると考えられます。また この研究で用いられている20秒の運動を10秒の休息を挟み6から7回で疲労困憊に至る高強度・短時間・間欠的運動を用いたトレーニング、すなわちタバタトレーニングは従来、スポーツの競技力を高めることが知られていましたが、本研究により疾病の予防にも有効である可能性が示されました。

この論文は アメリカスポーツ医学会の会員向けメーリングリストで配信されました

http://www.multibriefs.com/briefs/acsm/active102417.htm

立命館大学
スポーツ健康科学部
田畑 泉
ホームページ tabatatraininglabo.com