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2018/6/7スポーツ健康科学セミナーⅡの授業において、マスコミ(新聞記者)の仕事というテーマでご講演いただきました。

去る201867日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、毎日新聞岡山支局長の辻中祐子氏にお越しいただき、「マスコミ(新聞記者)の仕事」というテーマでご講演いただきました。

辻中氏は、新聞記者としてのご自身のキャリアを振り返りながら、新聞記者の仕事、スポーツ記者の仕事の特徴、新聞記者の魅力、そして新聞記者に求められる資質について、学生に語りかけて下さいました。広島支局の記者からスタートした辻中氏は、記者としてまだ駆け出しだった頃に「特別報道部」に配属され、「隠されている事実」を追う仕事に携わり、マスコミ、とりわけ、報道に携わる記者のイロハについて学んだと述べられました。中でも、現在の報道が「真実」よりも「バズ(口コミ)」や「話題性」を優先していることを危惧し、学生たちに「リツイート」する前に、「真実を見極める」という作業をしてほしいし、そのような目をいまから養ってほしいと訴えかけられました。

また記者の仕事は、大きく「発掘報道」と「分析報道」とに分かれていると説明され、運動部の記者としてプロ野球の球団や選手を追っている際に、運動部の記者の仕事は、起用した選手、結果など、圧倒的に事実がはっきりとした分析報道が多くなるため、分析力が問われることを痛感し、スポーツ記者の仕事が時間との闘いであるとともに、他紙にはない価値をどの様に伝えるのかを常に考えていたと述べられました。中でも取材を通じて、アメリカ高校野球の「ショーケース」といわれる選手の品評会におけるスカウティングの事情や、当時、未開拓であった「ドミニカ野球」の選手発掘と育成の秘訣、メジャーリーガーと日本球界の選手との比較によって日本人選手がメジャーリーグでも十分通用することを、パイオニア的存在となった野茂選手が海外移籍をする前から断言するような記事を掲載されていました。

そのような現場を重視し、記者としての経験を積み重ねた辻中氏は、新聞記者は考えてみれば、何でもできる仕事だと話され、文字や紙面で人に想いを伝える仕事であること、また分析をして、時代の先を読み、人々にいかに価値を伝えることができるかということが新聞記者の魅力だと学生に説明されました。さらに、新聞記者に求められる資質として、記者に限ったことではないが…と前置きをした上で、仕事の「ワクワク感」を生み出す「好奇心・興味」、多角的かつ複眼的にもとごとを見極める力、つまり、客観視することができなければならないと述べられました。加えて、仕事をする上では、健康と体力、とりわけ、自己管理が重要であり、現在では、語学力も必要になっていると述べられました。