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スポーツ健康科学セミナーⅡ:特別講義「総合電機メーカーの仕事」


去る202178日の「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、パナソニック株式会社から6名の講師がびわこ・くさつキャンパスにお越しいただき、「総合電機メーカーの仕事」について、特別講義をして下さいました。

パナソニック・ミュージアムの吉良氏、研修開発部の竹内氏と王氏、ブランド戦略本部の仲濱氏、長島氏、芝田氏の6名の方々が「理想の社会」を目指してというタイトルで、講義、動画視聴、ワークなど、学生の目線に合わせながら、授業を進められました。

まず、創業者である故松下幸之助氏が人々の物質的、精神的な豊かさを実現するために、産業人としての本分に徹し、社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与すること、つまり、「より良い世の中をつくる」ことを大切にしていたことについて紹介されました。そして、それが数多くの経営者から尊敬される所以であると説明されました。また創業は、1918年であるものの、1932年に「貧乏を克服し、物心ともに繁栄する楽土を建設する」ことこそが事業経営にとって重要であるとして、この年を「創業命知」、つまり、企業の真の使命を明示した記念とされたことを紹介されました。そして、代表取締役の楠見氏が「今一度、経営理念に立ち返り、創業者がめざした『高い理想』の実現に向けて貢献を生み出すべく邁進すること」こそが、パナソニック本来の「伝統」であり、「強さ」、そして、「らしさ」であることを紹介されました。非常に印象に残ったのは、企業が100年を超える時を経ながら、この文化を大切にし、原点に回帰することだけでなく、それらを一人ひとりの社員が内在化させている様子がうかがえたことでした。

次に、このような組織文化に基づき、社員一人ひとりが大切にしている「信条・七精神」について、紹介されました。パナソニックのミッションに当たる「産業報国の精神」、フェアで透明性の高い活動に徹しようとする「公明正大の精神」、チームワークや多様性を尊重しようとする「和親一致の精神」、チャレンジ精神やそのための自己研鑽を重んじる「力闘向上の精神」、礼節を重んじ、他者に対する尊敬の念や謙虚な気持ちを忘れない「礼節謙譲の精神」、環境の変化に適応し、社会的価値を生み出し続けるために、改善と革新を進めようとする「順応同化の精神」、そして、「ありがとうございます・おかげさまで」という感謝の気持ちを忘れずに、社会に貢献しようとする「感謝報恩の精神」という「七精神」について説明されました。その場で、アンケートを実施され、学生がこの「七精神」で特に共感していたのは、「感謝報恩の精神」と「力闘向上の精神」という結果となりました。

そして、パナソニックが求める社員像として掲げられているのが、志、ユニークネス(自分らしさ)、人的ネットワークから成る「一人ひとりの物語」というものでした。大企業でありながら、一人ひとりの個性を埋没させないように、志や人的ネットワーク、そして、何よりも「ユニークネス(自分らしさ)」ということを大切にしていると述べられました。このようなパナソニックの様子をうかがい、社員間のシナジーや創発がパナソニックで展開される様々なイノベーションにつながるのだと感じました。

あっという間の90分間で、受講生が特別講義に魅了されている様子が手に取るようにわかりました。パナソニックの皆さま方、本当にありがとうございました。

(ニュース)20210709-2