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特別講義:FC東京地域コミュニティ本部 久保田氏


去る2021712日の「スポーツマネジメント論」において、FC東京地域コミュニティ本部に勤務され、またご自身で一般社団法人東京スポーツクロスラボも運営されている久保田淳氏をお招きし、「スポーツでどう社会とかかわるか」というテーマで特別講義をしていただきました。

講義では、ご自身のサッカー歴をはじめとしたキャリアのお話も踏まえながら、人とスポーツと地域がどのようにかかわるのかということを、JリーグやFC東京の取り組みを事例に取り上げ、話をされました。とりわけ、「スポーツの価値とは?」いかなるものであるのかを考える必要があると述べられ、スポーツが果たす2つの機能として、①アンプ(広める)機能、②ボンド(つなぐ)機能について具体事例をあげながら、「スポーツの持つチカラ」という言葉を単純に考えるのではなく、スポーツだからできること、またスポーツにしかできないことがどのようなことなのかを考える必要があると述べられました。また1993年に幕開けをしたJリーグ、さらには、クラブ創設20年以上の時を経たFC東京が取り組んできたことを振り返り、これまでは、スポーツやサッカーが好きな人、また関心がある人の焦点を当てて、様々な取り組みをしてきたものの、アニメ、映画、音楽、ゲーム、アイドルなど、時代の移り変わりや個々人の志向性の変化を捉えて、「スポーツに無関心な人たち」に対して、どのようなメッセージを送るのかが重要であると述べられました。特に、そのような人々に送るメッセージや図るべきコミュニケーションを踏まえ、理解し合える共通のキーワードや価値観はどのようなものであるのかを考えて、人や地域に仕掛ける必要があると述べられました。

中でも鍵を握ると考えられているのは、「社会的課題の解決」であり、Jリーグのクラブの存続意義を今後、語るためにSDGsや社会連携は不可欠な事項であると述べられました。とりわけ、後者については、「シャレン!」というポップな表現で取り組みを紹介し、人と地域と、そしてスポーツとの関係を強めるためには、社会的課題の解決に手掛け、スポーツとの接点や出会いの機会を増やすとともに、社会的効果のあることに取り組むこと、つまり、競技的ミッション、事業的ミッション、そして社会的ミッションの3つを叶えることが、Jリーグ発足直後から語られる「百年構想」の実現にも通じることであると述べられました。学生の目線に合わせて、意義深いお話をしていただきました。

(ニュース)20210714-1