スポーツ社会専攻企画講演会「東京オリンピック・パラリンピック2020を見据えたASICSの研究開発戦略の方向性」

Posted on 2015.08.20

スポーツ社会専攻では、学部生の皆さんに、本専攻の教学
内容や研究内容を広く知っていただき、また早い時期から
将来のキャリアイメージを形成してもらうことを意図して
各種プログラムを提供しています。その一つとして例年お
こなっているのが、スポーツの様々な現場でご活躍されて
いる方をゲストにお招きし、スポーツ界の現状と課題につ
いてお話いただく講演会です。
今年度は、「将来、スポーツに関わる仕事がしたい」とい
う目標をもつ学生が多いことから、7月2日(木)にスポー
ツ用品業界で成長著しいアシックスから田崎公也氏をお招
きし、「東京オリンピック・パラリンピック2020を見据え
たASICSの研究開発戦略の方向性」と題してご講演いただ
きました。

近年、人びとの健康志向やマラソンブーム等を背景に、ア
シックスのシューズを履いて運動する市民を国内外でよく
見かけますが、その一方でアシックスはオリンピックや世
界陸上のようなメガイベントで奮闘するトップアスリート
のために専用のシューズを開発し、自社商品やブランドの
価値を世界にアピールしてきました。そして現在、アシッ
クスはスポーツシューズ産業を中心に、スポーツ用品業界
のビック3といわれるナイキ、アディダス、プーマを脅か
す存在として世界から注目を集めています。
田崎氏は、そうしたトップアスリートために特別に開発さ
れるシューズ、いわゆる「特注シューズ」の開発チームの
リーダーであり、これまでもオリンピック金メダリストの
高橋尚子選手や野口みずき選手らを陰でささえてきた人物
です。今回の講演では、2012年のロンドン・オリンピック
を事例にし、シューズ開発と最先端テクノロジーの関係、
幾度にもわたるシューズの試作と検証の様子、さらには二
人三脚で開発に取り組んだ日本代表選手らとのエピソード
などについて、映像資料も交えて多いに語っていただきま
した。

いまやオリンピックのような舞台でメダルや栄光を手にす
るには、選手の肉体だけではなく、新しい用具の開発や技
術革新が不可欠となっています。そんな時代にシューズ開
発の最前線についてお聞きする機会はたいへん貴重であり、
会場の以学館1号ホールにはスポーツ社会専攻以外の学生
も多く訪れ、熱心に耳を傾けていました。とくに、立命館
大学出身の田崎氏からスポーツ業界に関心を持つ後輩に向
けて発せられた言葉は、学生たちの胸に大きく響いたよう
であり、たとえば語学力の重要さや、将来のキャリアを念
頭において学生生活をデザインすることの重要性を気づか
せるなど、キャリア企画としても有意義なものとなりまし
た。


文責:スポーツ社会専攻 松島剛史 准教授


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