ひらめき☆ときめき サイエンス ~ようこそ大学の研究室へ~

Posted on 2015.09.09

8月8日(土)に、以学館において「ひらめき☆ときめき
サイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」を開催
しました。同事業は、科研費(科学研究費助成事業)に
よる研究成果の社会還元・普及事業の一つで、日本学術
振興会と大学との協力によって実施されています。小学
校5年生から高校生までの児童・生徒の皆さんに、実際の
研究機関で科研費の研究成果に直に触れ、体験してもら
うことで、科学のおもしろさを感じてもらう事業です
https://www.jsps.go.jp/hirameki/index.html参照)。
今回は、『「見ている」ものから見えること~みんなで
探ろう!<視線>のふしぎ~』と題し、主に小学校5・6
年生を対象とした1日のプログラムを実施しました。受講
生は、兵庫県、奈良県、大阪府など、京都府外からも集
まりました。また、当日スタッフとして子ども社会専攻
の学生が運営に携わりました。
本プログラムでは、体験をとおして、生理学的なデータ
を記録する有用性や、個々人の思考方法の違いを科学的
に分析する楽しさを理解してもらうことを目的にしまし
た。そこで、午前は、受講生一人ずつがサングラス型の
視線計測装置をつけ、写真を見るとき、ゲームをすると
きの視線計測を体験してもらいました。体験後は各自が、
自分自身がどこを見ていたのかが記録された動画データ
を見ながら「よく見ていたところはどこだろう?」「ど
んな順序でどこを見ていただろう?」「なぜそのような
結果になったのだろう?」などの観点で分析を行い、ワ
ークシートに結果をまとめました。

<視線計測体験>


<親子でデータ分析>

午後は、大学教員による講義を挟んで、受講生がワーク
シートにまとめた分析結果を1名ずつ発表し、他の受講生
との違いを考えました。こうした活動により、記録しな
ければ分からない生理学的データの有用性や、思考方法
がそれぞれで異なっていることに気付いてもらいました。
最後に、プログラム終了証書を授与し、視線計測を記録
した各自の動画データはお土産として持ち帰ってもらい
ました。

<みんなで「見る」ことを考える>

視線計測と分析の体験を通じて発見したこととして、受
講生から「ゲームをしているときは意識していなかった
けど、データを見て、こんなところを見ていたのだと思
った。」「間違い探しゲームでは、見ているのに間違い
箇所に気付かないことがあるのだと、データを分析して
分かった。」などが挙がりました。また、保護者からは
プログラムについて、「普段なら何も考えないことに興
味がもてた。」「研究するということや、大学という所
を知れる良い機会だった。大学に来ることで、子どもが
将来の方向性を考えているようだった。」「実験成果の
お土産は、自由研究にも良い。」などの感想が寄せられ
ました。今後も研究成果を広く還元し、科学の魅力を伝
えられるよう、アウトリーチ活動を積極的に実施してい
きたいと考えています。

文責:子ども社会専攻 岡本尚子 准教授


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