東京都北区議会議員で『筆談ホステス』の執筆者の斉藤
里恵氏をお招きして講演会を開催しました。斉藤氏から
は「障がいを持っていても、無理だとあきらめないこと」
「障がいという“個性”を活かすこと」という二つのメ
ッセージが寄せられました。
斉藤氏は、幼少期からの人とのコミュニケーション場面で、
自分から話しかけたり行動する方がスムーズで気楽に感じ
た経験をされ、それにより積極性が培われ、聴覚障害があ
ると困難であると思われがちな接客業にもチャレンジでき
たそうです。そうした接客業などでの筆談によるコミュニ
ケーションでは、斉藤氏ご自身は言葉以外の部分も読み取
った対話を心がけられ、相手にとっては普段言いにくいこ
とも言えるというケースもあることなどから、話し言葉よ
りもコミュニケーションが進む場合もあることなどが語ら
れました。
また、北区の選挙の際には、公職選挙法が障害者の立候補
を想定しておらず、チラシの配布や筆談を禁止しているた
め、有権者との対話の手段が制限されるという壁に直面さ
れたものの、名刺の裏に筆談のスペースを作られ、それに
よって対処されたエピソードが披露されました。現在の議
会活動では、筆談は禁止され、声のみの発言しか認められ
ていないため、パソコンの音声読み上げソフトを活用され、
それにより、他の議員だけでなく、有権者の方々とも対話
を進められているそうです。
今後、斉藤氏は、「議会から、バリアフリーが進んでいく」
ような取り組みをされるということでした。聴覚障害のあ
る議員は全国でも斉藤氏も含めて3名しかおらず、講演会で
述べられたような声が全国に広がって行くことは多様な社
会が構築されるための貴重な契機になると思われます。
文責:人間福祉専攻 鎮目真人教授
50周年記念事業プレ企画 斉藤里恵氏講演会を開催しました!
Posted on 2015.12.01