50周年記念事業プレ企画 斉藤里恵氏講演会を開催しました!

Posted on 2015.12.01

東京都北区議会議員で『筆談ホステス』の執筆者の斉藤
里恵氏をお招きして講演会を開催しました。斉藤氏から
は「障がいを持っていても、無理だとあきらめないこと」
「障がいという“個性”を活かすこと」という二つのメ
ッセージが寄せられました。

斉藤氏は、幼少期からの人とのコミュニケーション場面で、
自分から話しかけたり行動する方がスムーズで気楽に感じ
た経験をされ、それにより積極性が培われ、聴覚障害があ
ると困難であると思われがちな接客業にもチャレンジでき
たそうです。そうした接客業などでの筆談によるコミュニ
ケーションでは、斉藤氏ご自身は言葉以外の部分も読み取
った対話を心がけられ、相手にとっては普段言いにくいこ
とも言えるというケースもあることなどから、話し言葉よ
りもコミュニケーションが進む場合もあることなどが語ら
れました。

また、北区の選挙の際には、公職選挙法が障害者の立候補
を想定しておらず、チラシの配布や筆談を禁止しているた
め、有権者との対話の手段が制限されるという壁に直面さ
れたものの、名刺の裏に筆談のスペースを作られ、それに
よって対処されたエピソードが披露されました。現在の議
会活動では、筆談は禁止され、声のみの発言しか認められ
ていないため、パソコンの音声読み上げソフトを活用され、
それにより、他の議員だけでなく、有権者の方々とも対話
を進められているそうです。

今後、斉藤氏は、「議会から、バリアフリーが進んでいく」
ような取り組みをされるということでした。聴覚障害のあ
る議員は全国でも斉藤氏も含めて3名しかおらず、講演会で
述べられたような声が全国に広がって行くことは多様な社
会が構築されるための貴重な契機になると思われます。


文責:人間福祉専攻 鎮目真人教授



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