第2回スポーツ社会専攻企画講演会「スポーツ庁とこれ からのスポーツ政策の展望:地域におけるスポーツ活動 の推進に向けて」

Posted on 2016.12.01

京都は秋、真っ盛り。衣笠キャンパス近くは金閣寺や竜
安寺などで紅葉を愛でる観光客で賑わい、国内外から来
られた人の多さを見るたびに、ツーリズム産業が京都の
社会や経済に与えるであろう影響の大きさを考えさせら
れます。近年、ツーリズムは日本の成長産業として注目
を集め、新しい観光スタイルの開発がいろいろな領域で
進められていますが、スポーツを資源として活用したス
ポーツ・ツーリズムもその一つです。日本では、2015年
に、このような複数の省庁にまたがるスポーツ行政を総
合的に進める機構としてスポーツ庁が設立され、さまざ
まな取り組みが関連省庁と連携しながら行われています。
11月3日(木)、スポーツ社会専攻は、立命館大学を卒業
した後、スポーツ庁の健康スポーツ課で働いておられる
荻原絢嗣氏をお招きし、日本のスポーツ政策の現状と展
望に関する講演会を開催いたしました。萩原さんからは、
現在、スポーツ庁が取り組んでいるミッションとして、
大きく「スポーツを通じた健康増進」、「国際競技力の
向上」、「国際的地位の向上」、「スポーツによる地域
・経済活性化」、「学校等における子供のスポーツ機会
の充実」があり、その下で幾つものプロジェクトが始動
していることをお話いただきました。



その一端を示せば、地域社会や日常生活で人々のスポー
ツ活動を推進させるプロジェクトだけでも、「スポーツ
を通じた長寿社会等の創成」や「スポーツ人口拡大に向
けた官民連携プロジェクト」、「障害者スポーツの普及
促進」など複数のものがあり、学生たちはそれらの予算
規模も含めたリアルな現状説明に、日本のスポーツ政策
の幅広さと奥深さを感じたようでした。例えば、「スポ
ーツ離れが進む中で、スポーツ庁が『世界ゆるスポーツ
協会』や『ゆう活』といった取り組みを行っていること
を初めて知った」、「体育やオリンピックのような競技
に関することだけをやっていると思っていたので驚いた」
いった感想が多く寄せられました。




講演の最後には、本学を卒業後に国家公務員を目指した
ご自身のエピソードも交え、国家公務員という仕事の意
義や試験準備などについてもお話くださり、キャリア教
育としても有意義な機会となりました。

文責:スポーツ社会専攻 松島剛史准教授

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