直島・豊島でのアートをめぐる合宿

Posted on 2018.12.10

 2018年9月16日から18日にかけて、香川県の
豊島と直島で仲間裕子先生ゼミの合宿が行われました。
 20181206nakama3
  私たちのゼミには、芸術に興味を持ち、学びたい学生
が集まっています。豊島や直島は、瀬戸内海のアートの
拠点となるべく、現代美術を中心にした美術館が集まっ
ています。私たちは、3日に渡って内藤礼の作品である
豊島美術館をはじめとして、直島の安藤忠雄の設計によ
る地中美術館、街全体がアート作品になっている家プロ
ジェクト、現代アート作品が収集されているベネッセア
ートミュージアム、彫刻家であるイサム・ノグチの元ア
トリエであるイサム・ノグチ庭園美術館を訪れ、芸術に
親しみました。
 概ね天気にも恵まれ、美しい海を臨む美術館で刺激的
な体験をすることができました。
 
20181206nakama2

 ゼミ生の声を紹介します。



「今までは、美術館といえば壁に絵が掛けられていて、
それを歩いて見て回るというイメージがあったのですが、
豊島美術館は衝撃的で、空間に水が流れているのをただ
眺めるというものでした。そこでは時間の流れがとても
ゆっくりで、心が浄化されました。また、どの街も自然
であふれていて、やはり人間には自然が大切なんだとい
うことが再確認できました。
 私は、ゼミでアートについて学ぼうと思っており、特
に色彩の分野に興味をもっています。豊島と直島にはカ
ラフルで、色彩豊かな作品もあり、色の使い方を学ぶこ
とができました。自身の学びに繋がる新しい発見がたく
さんあり、色々な角度から色彩に触れるためのてがかり
がたくさんあって、もっと色彩について学びたいと思い
ました」

(メディア社会専攻三回生 福留 真帆)



「豊島美術館に受けた衝撃は大きかったです。豊島美術
館が、特別な展示品ではなく、水たまりと静けさそのも
のを展示しているのが斬新でした。豊島の中で美術館は
一際浮いて見える建物でしたが、内部の静閑な雰囲気が
実は環境ににつかわしく面白く思えました。豊島美術館
のドームは集音性にも優れていて、季節によって自然の
移ろいとともに、美術館の持つ色合いは変わるというの
です。蝉の声に木々のざわめきが夏とすれば、他の季節
はどんな音が聞こえるのでしょうか。この美術館は、何
気なく過ぎる季節を今一度私たちが踏みとどまって確認
させることを促すように思いました。
  私は芸術の中でも絵画に興味がありますので、2日目
の地中美術館のモネの作品から受けた衝撃は尋常ではあ
りませんでした。モネは、視力を失っても色彩感覚を身
につけていたといいます。そのことには感嘆しました。
モネの蓮を主に描くスタンスでの作品の見せ方は大変後
学のためになりましたし、それ以外の現代アートにおい
ても、大変見識が拡がったように感じています。最終日
のイサム・ノグチの、石に美しさを感じる感性に触れ、
自然にひそむ美を感じ、アートに活かせる感性の素晴ら
しさを体得できました」

(メディア社会専攻三回生 安部 修平)



「今回の合宿では、様々な美術作品を鑑賞し、アートと
コミュニティの関係性について学ぶことができました。
特に、直島の家プロジェクトは、空き家を改造して美術
作品としていて、古い町並みと現代アートの調和を感じ
ることができました。このような伝統と現代的なアート
の調和という独特な世界観が見る人をひきつけ、沢山の
観光客を集め、地域活性化に繋がっていると感じました。
伝統的なものや自然など、その土地を生かした芸術作品
やプロジェクトがより人と地域との結びつきを強めるこ
とを学びました。
 自然を生かしたアートや、伝統を残しつつ現代社会の
人々を魅了する芸術を作り上げていくことが、人と地域
の結びつきを強くしていくことを学んだので、新しいも
のだけに目を向けるのではなく、伝統が伝えようとして
いる思いや考えを大切にして、今後の研究を進めていこ
うと思います」

(スポーツ社会専攻三回生 佐久間 瑞季)

20181206nakama

 ゼミ生の皆さんは、それぞれの関心に引きつけて今回
の合宿を楽しめたようです。この体験が今後の学びに活
きていくことを願っています。
 

文責:T A橋本真佐子(先端総合学術研究科)
写真:メディア社会専攻三回生 福留真帆

このページの上部へ