社会の現場で学ぶ

リッツファーム・プロジェクト

京北プロジェクトからのスピンオフ的なプロジェクトで、京都市の京北地域や、京都府北部にある福知山市の夜久野地域といった農山村地域をフィールドに、農と食を手がかりとした地域活性化の取り組みを行っています。

プロジェクト概要

リッツファーム・プロジェクトは、京北プロジェクトからのスピンオフ的なプロジェクトであるとはいえ、京北プロジェクトとはまた異なったアプローチで農山村地域の活性化に取り組んでいます。

農を手がかりとした農山村地域の活性化をねらいとして、まずは、京北地域にある市民向け貸し農園で畑の区画を借りて、学生たちが京野菜や果物などを栽培し、収穫する体験学習を行っています。収穫したものは、自家消費の他、大学の中で開催される京北マルシェで販売をしたり、京都市内のお菓子屋さんに原材料として卸したりしました。また、農だけでなく、食をも手がかりとした活動にも取り組んでいて、都市部の若者受けのするカフェメニューの開発・販売などにもチャレンジしました。カフェメニューでは、京北産の野菜を使ったオリジナル・メニューの開発のほか、香川大学の直島プロジェクトとの交流のなかで、共同開発のスイーツメニュー「京乃香だんご」を開発したりもしています。

リッツファーム・プロジェクト

夏野菜のかぼちゃの収穫の一コマ 夏野菜のかぼちゃの収穫の一コマ

発足のきっかけや目的など

2011年に京北地域のNPO京北コミュニティビジネスが中心となって取りまとめた京北地域の活性化のヴィジョンの柱の1つが、市民向け貸し農園事業でした。京北プロジェクトに関わっていた高嶋ゼミの学生たちがモニターとしてこの事業開発に協力したのをきっかけに、翌2012年から実際に農地の一区画をお借りしての活動が始まりました。

私たちの当初の考えでは、市民向け農園というかたちをとることで広く市民の間に京北地域の農業への関心を広めたいということ、また、作付け、手入れ、収穫といった何度かの農作業が必要で、そのために京北に繰り返し通ってもらえるようになるだろうという想定でした。つまり、こうして、農を手がかりに、都市から農山村地域との間の交流人口が増やす仕掛けになればと考えたわけです。

また、学生たちにとっても実際に農作業を体験することで農業それ自体の難しさや、京北地域の農業や農村地域の実情に少しでも触れて、そこから学ぶということも目的の1つでした。実際、京北地域でも遊休農地が増えてきており、また、担い手の不足もまた深刻になりつつあります。他方、暗い話ばかりでもなく、京野菜のブランドの強みを、実際にマルシェで販売する中で実感したりもしています。

   

学内での京北マルシェに出荷する大根や聖護院かぶらの収穫風景 学内での京北マルシェに出荷する大根や聖護院かぶらの収穫風景

発足から現在までの活動状況

2011年のモニターを経て、2012年から高嶋ゼミや京北プロジェクトを主な母体として、また、NPO京北コミュニティビジネスと連携協働して活動を展開してきました。学生たちは市民農園で農作物を作りつつ、他の利用者さんたちとも交流し、また、作付けや収穫の体験と農山村体験とを組み合わせてのイベントを行ったりして、都市と農山村との交流をより活発化、より豊かなものにできれば、と取り組んできました。

農だけでなく、食も手がかりに

しかしながら、農だけを手がかりに都市と農山村との交流を増やすことはなかなか難しいことが分かってきました。つまり、農は都市部の普段の生活からかけ離れたところにあり、馴染みがないということです。そこで私たちが注目したのが、食です。というのも、食は、農産物を原材料としている点で農とは密接に結びついており、しかも、都市部であれ、農村部であれ、あらゆる人の普段の生活に身近なものであり、都市住民にとって農山村地域への訪問や交流をうながす動機としても大きな力を持っています。

リッツファーム・カフェ・プロジェクトのはじまり

こうして2014年度からは、全国各地の大学で取り組まれている学生カフェの取り組み―とりわけ、香川大学の直島プロジェクトや小豆島プロジェクトの活動―に学びつつ、食を手がかりとした取り組みも展開してきています。まずは、「食べる京北」をスローガンに、京北産の野菜を使ったカフェメニューを開発し、道の駅「ウッディ京北」で販売し、京北産野菜のPRを行ったりしました。食材の確保や無店舗での展開など実際のカフェ運営の難しさに直面しつつも、工夫をこらして頑張っています。

リッツファーム・カフェの第1回出店時のポスター リッツファーム・カフェの第1回出店時のポスター

香川大学直島プロジェクトとの交流から生まれた「京乃香だんご」

香川大学の直島プロジェクトとは交流の中で、共同でのメニュー開発の話が持ち上がり、香川と京都を往復する中でメニュー開発のワークショップを重ね、2014年の冬に「京乃香だんご」の開発・販売を実現しました。京北で学生たちが栽培したさつまいも、直島の海苔や香川の希少糖、お茶など、それぞれの活動にゆかりのあるものを原材料に使ったユニークなメニューでした。

香川大学直島プロジェクトとのコラボメニューのポスター 香川大学直島プロジェクトとのコラボメニューのポスター

京都府福知山市の夜久野地域での活動も

また、京北地域だけでなく、京都府北部の福知山市にある夜久野地域でも、地域の食品加工企業、産直市場、飲食店、農家さんらと連携協力して、農と食とを手がかりにした活性化の取り組みを行っています。その一環として、たとえば、地元の関係者と一緒に、地元の特産の野菜や蕎麦、鹿肉を使ったカフェメニューの試作品開発を行ったりしました。また、夜久野の野菜などをはじめとした特産品をPRする新感覚のフライヤー「Yakuno Highland Specials(夜久野高原の特別にええもん)」の企画制作や記事執筆に携わったりしました。

「Yakuno Highland Specials vol.1」 夜久野地域での農と食にかかわる「特別ええもん」を紹介するフライヤー「Yakuno Highland Specials vol.1」


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