現代社会専攻
髙嶋 正晴 教授

培うのは、多様な視点から社会の問題を考え、解決のために協働していける力
グローバル化とローカル化、両方の流れをふまえて社会のあり方を考える

現代は、グローバル化という世界的な社会の大きな流れがある一方で、生活単位としての地域・ローカルの重要性も強まっています。こうした潮流の中で、私たちの住む地域社会が存続するための条件や環境も、変化しています。そうした変化を考えながら、これからの望ましい社会のあり方を考察するのが、私の研究テーマです。たとえば「地域の再生」、「地域の活性化」は、単に「まちが賑やかになればいい」というわけではありません。望ましい経済的・社会的諸条件について、次世代型のクリエイティヴでサステナブルな価値を豊かさのコアにしつつ、市民主体で考え、作り上げていかねばならないと思っています。

これから私たちは、どのような社会を作っていくべきなのでしょうか。現代社会専攻では、実に多様な視点からそれを考えます。

社会形成、環境社会、社会文化から社会の諸問題にアプローチ

現代社会専攻は、産業社会学部での中でも最も規模の大きな専攻です。教員も数多く、また多様であり、経済から社会、環境や文化まで、社会の幅広い分野をカバーしています。この専攻では、大きくは、「社会形成」「環境社会」「社会文化」の3つの学びの領域が用意されており、これらの領域から社会の諸問題にアプローチすることが可能です。「社会形成」領域では、私たちにもっとも身近な家族、私たちの雇用をつくる企業、自治や合意形成を可能にする政治、私たちの暮らしを支える経済、グローバル化の進展著しい国際社会といった切り口から、社会の諸問題に迫ります。「環境社会」領域は、地球温暖化や資源エネルギーといった自然環境の問題、そして、まちづくりや市民活動など居住環境に関わる問題、私たちを取り巻くこれら自然と居住の両方の環境をめぐる諸問題についての学びを深めることが可能です。「社会文化」領域は、社会と文化との関わりについて、また、文化をはぐくむ背景となる精神や宗教について、あるいは、ボランティアその他のライフスタイルについても見識を広げ、文化の社会的な意義や意味について学ぶことができます。

教室の中だけにとどまらない現場を体験する学び

現代社会のさまざまな問題を個別的に、あるいは関連付けて理解し、その解決策を考えるにあたっては、分析的かつ科学的にアプローチすることと同時に、現場での「リアル」をふまえることが重要です。産業社会学部では、社会的な問題や課題について、教室の中だけの講義だけで学びを終わらせるのではなく、教室や大学の外にある実際の現場を訪問し、そこでの関係者に取材したり、現場で実際の作業を体験してみるといった「アクティブ・ラーニング」を経て、学びをさらに深めていくこともできます。

たとえば、京都市右京区民の方々と一緒になってのまちづくり活動、あるいは京都市京北地域の農山村での大豆栽培の農作業体験、同じく京北地域にある市民向け貸し農園事業「リッツファーム」への参画・運営、その他、「京北・りつまめ納豆」の商品開発や販売促進など、さまざまなフィールドワーク型、アクティブ・ラーニング型のプロジェクトが展開されています。これらのプロジェクトは、学生が主体的・積極的に関わることによって、単なる学習にとどまらず、公民学の連携や産学の連携といった、大学と社会との興味深い連携の事例にもなっているのです。

これまでの学問の成果に学びつつも、それだけに安住せずに実際の現場にも学ぶ。本専攻ならではのそうした理論と実践の往復運動から生まれる知的な営みの面白さをぜひ味わってください。

将来のコミュニティの力強い担い手に

皆さんには、学びを通じて社会の諸問題についての興味や知識欲を満たすだけでなく、理論的な観点や歴史的観点、また国際比較的な観点から多面的に理解し分析する力、望ましい解決のあり方について考察する力、さらにはそうして考えたことを言葉や映像を駆使してまとめあげ、他者に伝え、シェアし、解決に向けて協働していく力を培ってほしい。

また学びは一人では完結しません。人は自分だけでなく、他者からも学びつつ成長していく存在です。本専攻の教員や学生との多様な出会いを通じて、多様な見方や価値観を知り、互いに学び合うことも、大きな糧になるはずです。画一的でない多様な学びと、それをコアにつくられる学びのコミュニティ。これこそが社会にイノベーションを起こす大きな力となるのです。

本専攻で学んだ皆さんが、将来の社会をより良い方向に変えていける、コミュニティの力強い担い手となること、それを期待しています。

髙嶋 正晴 教授

髙嶋正晴 教授
専門分野
産業論、グローバリゼーション論、地域社会論
研究テーマ
持続可能な地域経済・社会のあり方を考える
—地域の再生と活性化をめぐって—
担当科目
国際産業論、現代と社会、専門演習、卒業研究、先進プロジェクト研究など
詳しいプロフィール
立命館大学研究者データベース 髙嶋 正晴
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